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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

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02-09 トラタヌ村3

「これ使えますか?」

 翌日、ケンは金貨、銀貨、銅貨をタヌムスに見せた。そしてピイーナ経由で返ってきた答えは「使えない」だった。金貨や銀貨はそのものに価値がある、しかしどれぐらい金や銀が含まれているのかが分からない。加工するにしても手間がかかるし、この村では加工する事も出来ない。


「この中で何か欲しいものがありますか?」

 空間収納から取り出したものを並べて見せる。鉄製の剣、(くわ)、銅製の鍋、石の食器、ジャガイモ、米、魔石、ポータブル魔道コンロなどを提示した。ジャガイモと米などは、港町カンナで預かっていた荷物から拝借したものだ。

 もう簡単には開拓村や自国に戻ることは出来ないと思い、開き直って活用出来る物は利用することにした。仮に戻ることが出来て罰せられたら、その時はその時という事で腹をくくった。

 そしてその中でタヌムスが興味を持ったのは石の食器だった。


「石の食器じゃあ全員に行き渡ったら終わりだな。それ以上稼げないし。どうやって食べて行こう…」

 ケンはお金の稼ぎ方が見えなく、思わず弱気になってしまった。アリスもリルも暗い表情になって今後について思いを巡らせていた。


「ずっと食べ物はあげるよ、だって」


「へっ?」

 ピイーナは食べ物が無いと困るため、タヌムスに食べ物が欲しいと伝えたところ、食べ物を提供する旨の返事を貰っていた。そもそも未知の力を持つケン達は、神の使いではないかと考えており、最初からこの村に滞在する間は食事を提供するつもりであった。


 タヌムス村は村全体が共同体として機能している。税金の支払いも村全体で支払い、食料も村全体で共有しており、お金も無く食べるものが無ければ有るものが渡す。狩猟で得た肉も配給するし、収穫した野菜や果物も配給する。

 砂糖の収入も村共有の蓄えに入れた後、村の産業や生活に必要な物を購入し、余剰分を村人全員に分配する。個人で得たお金は雑貨屋で好きなものを購入するのに利用される。村全体で協力し合って生活することで生き残る、それがこの国での基本的な考え方であった。


『『『ありがとう』』』

 ケン達は習ったばかりの言葉で感謝を伝える。そこまで親切にして貰える理由は理解出来ていないが、助けてもらえなければ生活が苦しくなるため、ありがたく支援を受けることにした。当然甘えてばかりではいけないと思い、その場で石で作製した皿やお椀を二百個ほどタヌムスに渡し、それらは各家庭に配布することになった。


 ケン達はタヌーヨとタヌマゴと一緒に言葉の勉強を行う。既に挨拶と簡単な言葉を教えて貰っており、今は文字の種類と読み方を教わっている。教本は木の板で練習は地面に棒で文字を書くという原始的な方法であった。


「え? 教本が板って…嵩張(かさば)るよね。 紙は使っていないの?」

 ケンは紙と鉛筆を取り出して見せるが、知らないとの事。ちなみに紙と鉛筆も初代国王が広めたもので、今ではケン達の大陸ではごく一般的に利用されている。これはケンは商売のネタになるかもと考えた。



 ケン達は勉強が終わった後、サトウキビの搾りかすを捨てている場所に向かい、搾りかすをザルで(すく)って空間収納にしまう。ある程度集まったらその場で搾りかすと水、灰を鍋に入れて魔道コンロで煮詰めていく。

 その間に紙作りに必要な道具、簀桁(すけた)や容器を作成する。簀桁は煮詰めてドロドロになったものを紙の形にするために利用する物だ。まずは小さなものでテストを行い、見込みが出来そうなら本来の大きさの物を作成するつもりであった。


 煮詰めたものをリルが水で洗い流し、灰汁をとるため大きな桶に水を張りその中に煮詰めたものを入れてから空間収納にしまう。日も暮れてきたため村に戻って残りの作業は後日となった。



 翌日は狩猟の見学である。基本は複数人で獲物を囲い、少しずつ間隔を狭めていく。事前に人を配置しておき、その場所に誘導して仕留める方法を基本としている。体長一mを超える猪などであっても、獣人は素手で殴り飛ばして殺してしまう。

 この辺では虎の獣人と対等に戦える生物は存在しない。出会った獲物は全て逃げの一択である。例外はゴブリンやオークなどの魔物だ。実力差が明確に存在し、敵う訳が無いのに襲い掛かってくる。獣人達は楽して狩れるお手頃な食料としか見ていない。


 仕留めた後はその場で血抜きを行い、最終的には村のはずれの解体場所で解体を行う、皮は剥いで後日加工する。肉を切り分け、捨てるのは骨と魔石、腸や脂身など。骨と魔石を捨てる場所と腸や脂身を捨てる場所の二か所に分かれている。


「骨と魔石を捨てるの!?」


『骨と命の石捨てるの?』


『骨は偶にかじるけど、ほぼ捨てるわね要らない。命の石もゴミよ』


「骨たまにかじる。捨てる。要らないって」

 ケンの質問をピイーナが翻訳しタママに伝える、タママが答え、再度それをピイーナが翻訳してケンに伝える。魔石はトラタヌ村では命の石と呼ばれていた。魔石と骨は転用が出来ないため捨てられている。とりあえず数個の魔石と骨を空間収納にしまう。


「やっぱゴブリンを食べるのは正解なんだ。ここが答えね」

 アリスはゴブリンを普通に食べる事に感銘を受けていた。アリスがゴブリン肉に興味を示したため、本日の配給はゴブリン肉となった。ケンとリルは残念な気持ちになったが食べられるだけありがたい。


『美味しいからこれかけると良いよ。肉を焼いてかけるだけ』

 家でゴブリン肉をどのように調理するのが一番良いかを考えていたところ、タヌヨが差し入れを持ってきた。焼いている肉に黒い粉と塩を振りかけ、焼き終わった後にもう一度黒い粉を振りかける。


「「「うまい!!」」」

 黒い粉は胡椒と呼ばれる香辛料であり、辛さと強い香り、香りは美味しさに繋がり、今までの食の常識が覆る衝撃の瞬間であった。今後ケン達の食事に関わる重要な構成要素となる。この辺の森にも自生しているが、若干手を入れて繁殖しやすいようにしており、気軽に使える調味料として普及している。

補足

空間収納で海からサトウキビの搾りかすだけを回収すれば良いんじゃないの?

って思うんだけど、それって搾りかすが塊として一個の個体として認識できないから

無理な気がする。手で掬った方が速いかんじ。

空間収納の熟練度が上がって行けば、そんな事も可能になると思う。

現時点では無理というのが私の中の見解。


何でケンが魔石と言ったのに、ピイーナは命の石と伝えたの?

ピイーナは魔石を理解している。

タママ達の村や国では、魔石を命の石と呼んでいる。

タママは命の石について聞かれたように認識した。それだけ。


凄くどうでもいい話。

虎系獣人は生肉が好みです。胡椒は使っても使わなくても別に良い。

狸系獣人は生でも火を入れた物でも食べます。胡椒は喜んで食べる。

当然個人差はありますが、そんな傾向があるらしい。

この村では胡椒は自生しているので畑ではない、なので税金が掛からない、良かったね。

ただ畑を作って栽培したら税金かかるよ。

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