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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
1章 王都編

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01-02 救援要請

 距離にして一キロ未満と思われる場所からの救援要請の信号弾。皆がそれぞれお互いの顔を見て、すばやく確認しあう。


「救援に向かう! いいか?」

 ダンダの問いに全員が了解の旨を伝える。それを確認したアーロは信号付の矢を取り出し、空に向けて射る。ビーーーーという音とと上空に飛んでいき、直ぐに黄色の発光が周囲を照らす、救援に応えるという意味がある信号だ。少し離れた砦の方向でも、同様の黄色の発光が複数あがっていた。


 アーロが駆け足で先頭を走り、十数m離れて残りの五人が後を追う。小さな起伏を何度か超えたところでアーロが立ち止まりしゃがむ。前方に数えるのも馬鹿らしくなるようなゴブリンの群れと、その中に大きな石の壁が二枚見えた。ゴブリン達がその壁の隙間に向かって群がっている。

 残りのメンバーも到着しゴブリンの群れを眺める。少なく見積もっても百から二百のゴブリンの群れ、その光景に戸惑いを隠せないでいた。前方から流れてくる微かな刺激臭を感じたアーロがすばやく小声で指示を出す。


「ゴーグルとマスク!」

 はっと、気が付き全員が目を保護するゴーグルと首に巻いていたバンダナのようなものを引き上げて、鼻と口をふさぐ。敵の力を削ぐ方法として、目に刺激を与えたり、毒や酸を周囲に撒くことがある。多分目に痛みを与える霧の魔法か薬品を使っていると推測される。ダンタは少し考えるそぶりを見せたが、すぐに方針を出す。


(やぐら)で籠城だな」

 戦わないなら素早くここから逃げるしかなく、戦うならば有利な状態を作り上げるしかない。数百体のゴブリン相手にまともに戦うのは自殺行為でしかなく、後から救援が来る可能性があるため、数を減らしつつ立て籠もった方が助かるであろうと判断した。メンバーはケンとカニーナの顔を覗き込む。


「いいわ」

「それで行こう。まだ魔力はある」

 カニーナとケンが合意する。土の魔法が出来るのはこのパーティでは二人だけだ。簡単に打ち合わせをして準備を整える。



 石の壁を取り囲むゴブリン達、外周の端に居たゴブリンの頭がガクンと下がる、首が半分ちぎれ血しぶきが飛び散る。異変に気が付いた隣のゴブリン達も剣で体を切り刻まれる。敵と思われる存在に対して攻撃を仕掛けようとするが、目が染みてまともに攻撃することも出来ない。


 敵に対して先陣を切ったのは木製のゴーレム五体、サイズは一m強、ゴブリンと大差ない大きさ、四足歩行なので森の中でも悪路走破性が高い。ケンの私物で空間収納から出したものた、難しい命令は出せないが指定された場所に向かい剣や槍を振り回すこと位ならな可能だ。そしてゴーレムには刺激物を出す薬品を振りまきながら戦わせているため、着実に壁に向かって進んでいる。ゴーレムの進んだ先は混乱が広がっており、石壁までの道がある程度開けた。


「助けに来たぞ! 間違って攻撃するなよ!」

 ダンダとアリスが先陣を切って、ゴーレムが切り開いた道をさらに広げながら近づく。他のメンバーも剣や盾でとにかく追い払うをことを優先で前に進んでいく。


「針」

 ケンも左右に数百の棘を飛ばした。棘が刺さったゴブリンは怯み、近づくことが出来ない。


「お待たせ!」

「助かる!」

 石壁の隙間の正面までたどり着いたアリスが中にいる人に声をかけ、巨漢の男が感謝を伝えた。壁の間には五人ほどいたが、ローブを着た一人が横たわっている。すぐに残りのメンバーも石壁にたどり着いた。


「壁」「壁」

 ケンとカニーナが壁を複数生成し閉鎖された空間を作った。敵も手を出せないが、こちらも手は出せない。それでも中にいる人たちには一息つける状態が作り出せた。ガンガンと石壁を叩く音が鳴り続けている。


「はぁはぁ。…ありがとう。助かった、漆黒のパルチザンのリーダー、マイクだ」

 念話兼壁を作る担当が負傷し、かつ魔力不足によって追加の壁も作れず、壁の隙間から攻撃を加えて少しでも減らそうとしていたが、どんどんとゴブリンが増えて退却も出来ない状況に陥っていた。

 アリスは怪我人達に治癒魔法を唱える。傷口が塞がって出血が止まり、投石や殴打武器でやられたと思われる痣や腫れが若干ひいた。この後の対応をマイク達に説明し了承を得る。


「壁」「階段」「壁」「床」

 ケンとカニーナが壁の上に壁を作り、ある程度の高さになったところに床を作くる。それを繰り返しながら、五m位の高さになったところに物見櫓のようなものを作った。しかし、投石や矢が多数飛んでくるため、このままでは攻撃するのは難しく一旦壁の中に下がる。


「どうする? もっと壁の部分を多くして隙間を減らすか?」

 ダンダの意見を皮切りに方針を詰めていく。高さを上げると強度や魔法多用による魔力不足の問題が出てくる、多少高さを上げた程度では矢や投石は届くのであまり意味がない。壁の部分を多くし、矢が射れる程度の隙間を複数作ることにした。


「矢が切れた。予備は有るか?」

 漆黒のパルチザンのメンバーからの問いかけに、ケンがすぐに反応して空間収納から矢筒を十個取り出す、それぞれに二十本の矢が入っていた。感謝を伝え、直ぐに射るのを再開する。

 ゴンという音ともに大きな揺れを感じだ。今までもガンガンと石壁を叩く音が聞こえていたが、数倍の音と衝撃であった。


 下を覗くと倒木を破城槌(はじょうつい)の様に使って壁を壊そうとしていた。ケンはすぐに魔法を撃って敵をひるませた後、壁の中を下に降りていき、地面まで到達したところで石壁の外側に複数の尖った氷柱を使った壁を生み出す。ゴブリンが居ない場所では柱が伸びていったが、ゴブリンが居る場所では氷が伸びず不完全な状態になってしまった。


「壁失敗してるぞ」

 アーロが上から注意を促した。直ぐに方針を切り替え、壁の内部を石壁でいっぱいに埋める。これで外の壁が壊されても簡単には崩れないはずだ。


「もう少しで救援が来るぞ! 持ちこたえろ!」

 ダンダが念話で確認した結果を共有する。この森にある第七砦に詰めていた守備隊の一部とこの森で活動していた狩人や樵が合流し、約五十名程の救助隊がこちらに向かっている。

 想定以上に早く救援が来れたのは、第六砦の人員が第七砦に向かい、王都から救援は森と王都との間にある第六砦に入るという玉突き対応のおかげだ。今第六砦に待機している人も王都から増員が一定数集まり次第、第七砦に向かうことになっている。


  :

  :


 アーロが赤い信号弾を空に放った。ピーーーという音とともに、上空には赤い光が周囲に放たれる。直ぐに近くから同様の音と共に黄色の信号弾が二個上がった。


「来た!! 近いよ! もう少し!!」

 アキナが射りながら、喜びを伝え、みんなの士気を鼓舞する。


「到着した」

 アーロが気配に気が付く、少し離れた場所に数十人が横に陣形を展開しているのが見えた。


「酸の雨、酸の雨、酸の雨、酸の雨」

 ケンは四方に、三、四m位の範囲攻撃を行った。酸性の水が降り注ぐ、致命傷には至らないが戦闘力を下げるには有効な手段である。顔や目を押さえながら激しく暴れ、ゴブリン同士がぶつかり数体が転倒した。酸に焼かれる痛みで暴れるゴブリンが転倒しているゴブリンを踏みつける。

 混乱が広がる中、ゴブリン達に矢が降り注ぐ。物凄い勢いでゴブリンが無力化されていく。ゴブリンは救助隊の存在に気が付き走り出す。しかし大半のゴブリンは救助隊にたどり着く前に矢が当たり無力化されていく。

 他のゴブリンよりも一回り体格の大きいゴブリン、指揮官クラスのゴブリンナイトと思われるが、数本の矢が刺さった状態で救助隊の前衛に襲い掛かった。しかし傷を負っているためか、力を出し切れず、数合の刃を交わした後に切り殺された。

何で救難信号の音が違うか、製品または矢の勢いが違うんでしょう。

鏑矢みたいなもんなので。

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