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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

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02-02 アリス

 海から大きなカニが横歩きで歩いてくる。上がる水しぶきの量が増え、速度がだんだんと早くなっている。港町カンナで確認したカニは全高二、三十cm位であったが、このカニは一mを超えており、横幅は五m位ありそうな大きさだった。


「鑑定はカニ! アリスこれ使って、リルはとりあえずこれ! 一旦離れるぞ!」

 アリスには剣をリルには槍を渡し、ケンも槍を取り出して、海岸から内陸側に向かって走る。大きなカニも引き続きケン達に向かって横歩きのまま走って来る。


「気持ち悪! キモッ、ムリムリ」

 アリスはその見た目が受け入れられず、気持ち悪いを連呼しながら逃げていく。


「駄目だこいつら追ってくる、迎え撃つよ! 壁で足止め! 壁! 壁! 壁! 穴穴穴!」

 氷魔法でカニが近づけないよう、ケン達を囲うように三方に尖った柱で構成された壁を作る。そして壁の外側に複数の穴を沢山開ける。大きなカニは壁を避けて移動しようとして穴に足を突っ込み体勢が崩れて大きく(つまづ)く、リルとケンは槍で刺すが固い甲羅ではじかれてしまう。


「火炎」

 リルの魔法でカニが炎に包まれる。カニはパニックになって海に向かって走り出した。直ぐに炎は消えていたが、そのまま海に向かって走っていった。


「固すぎだろ甲羅、有効な攻撃手段が思いつかないから放置で良いか?」

 ケンは二人に問いかけ、同意見であったためその場で待機してカニの行動を観察する。そのまま海の中に入り姿が見えなくなった。


「何だったんだあれは。寝てるときに来なくて助かったな、海岸付近は近づかない方が良さそうだ」

 ケン達は知る由もないが、海神様が付近に来た切欠で海の中でパニックが起きており、巡り巡って大きなカニが海岸まで来ることになった。滅多に陸には上がらないので、海岸はそこまで危険ではない。


「でも大きくて食べ応えがありそうですね」


「確かに。いつか倒して食べてみたいね」


「キモイムリ!」

 リルとケンは港町カンナでカニ料理を堪能してその美味しさを知っており、形による偏見は無くなっていた。どうやって対応するか議論を重ねる。


「毒は…無いな」「無いですね」

「「食べられなくなる。あはは」」

 アリスは一歩引いた目で二人を見ていた、そしてケンとリルの楽しそうに相談する様子を見て危機感を覚えていた。ケンが鼻の下を伸ばしている姿はここ数日何度も見ている、リルの大きな胸にもチラチラと視線が行っていることも分かっている。ケンはリルに気がある、そしてリルもケンに好意を寄せている気がする。


 アリスは以前からケンの事が好きだった。ただ何度もアピールしても相手にしてもらえなかった。

アピールの方法が間違っているのも要因の一つではある。

 小学校、まだ体が小さくケンが弱かった頃、アリスはケンの用心棒のような存在であった。そんな時に、私がいつも守るからね(奥さんになってという気持ちで)と言ってたが、ケンにはその気持ちは通じておらず、スキンシップを取るために抱きしめたり(格闘技でいうところの寝技)、肌を見せつけたり(恥ずかしいから筋肉を見せるという言い訳しながら)したが、効果が出なかった。


 小さいころに一度真正面から告白したが、断られてもいた。大きくなってからは、直接言葉にして伝えて拒否されたら終わってしまうと思い、言葉にする事が出来なくなってしまった。とはいえ諦めきれずにアピールを継続していたが、仕舞には一人で開拓村に行く事を決めており、この気持ちが伝わることはもう無いんだと諦めていた。

 ただ想定もしていなかった護衛任務で一緒に行動することになり、そして一緒に遭難して知らない土地にたどり着いた。ある意味チャンスと言えなくもない。


 多分この地は開拓村がある島とは異なる場所、そして先ほどの自分たちとは異なるタイプの人種、もしかすると同じ人種はこの三人だけかも知れない、ケンに気持ちを受け入れてもらえず、一人あぶれてしまって、二人の仲睦まじい様子を見せつけられることになるかも知れない。そんな事になったらとても耐えられない、どんどんと気持ちに焦りが生じてきていた。アリスはせめて二番目の妻でも良いから一緒に居させてほしいとも思い始めていた。0


 ケン達の住んでいる国および宗教では、一夫多妻、多夫一妻が認められており家族の在り方は柔軟性があり許容する文化であった。ケン達の国の仮想敵国である帝国では一夫多妻制は許可されているがそれ以外の考えはない、この世界の常識はどちらかといえば一夫多妻制の方が多い。



 ケン達三人は安全が確保出来るまでは三人で行動する事を基本とし周囲の探索を行っていた。ケンは手当たり次第、視界に入るもの全てに対して鑑定を行っていく。海の近くではあるものの、木が多いため魔素は十分に存在しており魔力の回復は内陸にある森の中とまではいかないが早い方であった。食べれそうな植物や役に立ちそうなものを空間収納にしまっていく。


「とりあえずここに家を作るか、いつでも壊せるしね(怒られたとしても)」

 ケン達は海岸から三百m程度進んだ場所に石の壁で囲まれた二階建ての家を建てた。すべて石で作製したため、そこそこ頑丈ではある。寝込みに襲われても直ぐには中に入ることは出来ないだろうから、準備する時間は確保できるはずだ。

 もう少し内陸に拠点を作りたくはあるのだが、複数の木の切り株が見えたためこれ以上先に進むと先ほどの人達のテリトリーを犯す可能性を鑑みて、あまり先に進まず海にも近づきすぎないこの場所を選定した。

 ケンは二階建ての部分から内陸の方を眺めていると先ほどあった女の子二人がこっちに向かって走ってくるのが見えた。

なんで多夫一妻でも認められるかって?

そういう文化だからとしか言いようがないなぁ。

すっごい昔は生きるのが大変で、村全体が一つの家族のように助け合いながら

死んだ人の夫や妻、子供も同じ家族の様に接しているのが当たり前で、

それがそのまま宗教の教義や文化として根付いたんじゃないの。

仲が良い兄弟とかが一緒に住むとか。

地球でも認められているところはあります。


最近はケン達の国でも人口が増える、生活環境が改善されるにつれて、

その辺の価値観が薄まってきているみたい。知らんけど。


ケンの出身国と帝国との戦争は、この話の中では出てこないです。

ケンの出身国と帝国は隣接していないし、別大陸の話だから

仮に戦争があってもほぼ話題にする必要性もないしな。

帝国はケン達の大陸では一番大きな勢力です。二番目がケンの出身国。

きっとどこかでぶつかるんだろうなぁ。本編とは全く関係ないけど。

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