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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
4章 ニバン国国王

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04-32 対ライト王国09

 ライトの王都から三日ほどかけてメニ―オールドの近くまで進軍した。総勢三万五千のライト軍は、明日にはメニ―オールドに到着出来る見込みである。ニバン軍は籠城しており到着次第力押しで攻め滅ぼす予定であった。


 翌日ライト軍はメニ―オールドから一kmほど離れた場所に陣地を構築した。しかし陣地を構築したいと思った場所には死体が多数放置されていて、腐敗臭が立ち込めており、諦めて少し場所をずらして構築することとなった。また、人数が多く隊列が乱れているため一旦陣形を整える。


 鳥系獣人が十人ほど空にあがり城の中を覗こうとする。ニバン側でも鳥系獣人が空にあがって迎撃を始める。飛びながら矢などで攻撃するのは困難であり、通常は交戦を避けて逃げるか剣等で切りつける、クロスボウで一撃だけ放つくらいしか出来ない。しかしニバン側は連弩を装備しており、空を飛びながら相手に攻撃をし続けた。ライト兵は城内の様子を確認することが出来たため、半数は自軍に引き返せたが半分が空から落ちて死亡した。


 城塞都市の中は、いたるところに石製の建物が見えていた。また高い部分に投石器が十台設置されており、城の中から外に打ち出すことが可能のようだった。

 ライト軍は三つに分けられて北と南と東の三方向から攻める。分散しながら少しずつ城に近付いていく。残り五百mを切ったところでニバンから投石攻撃が行われた。

 一つの大きな石が落ちると数人が一度に即死し、その石は跳ね上がった後、さらに複数人を巻き込み、その後も転がりながら複数人を倒していた。

 小さな石が飛んできた場合、一度に複数人に小さな石が直撃して同様に死者と負傷者を増やしていった。

 堀や盛り土があり、まっすぐ最短距離では城に近づけない状態になっており、ショートカットするために木の板を置いてその上を歩いて進んでいるところもあった。


 ライト軍も投石器を接近させようとするが、近づく前に多数の投石攻撃やバリスタによって破壊されてしまう。

 東側の壁に近付いたライト軍に対して、城壁に増設された塔から連弩による射撃が行われる。改造された城壁には円筒状の塔があり、多数の狭間が設けられていた。狭間は狭い隙間であり、そこから弓や連弩などで攻撃することが出来るため、相手から攻撃を受け難くいという利点がある。


「くそ! 梯子が届かん。駄目だこれは」

 壁にたてかけたものの、増設された壁の高さと堀の深さによって遠くからの見た目以上に梯子の高さが必要であった。そのため梯子に梯子をつなげて長さを延ばした。

 一壁あたりの梯子の本数が二十本から十五本に減ったため、防御側は侵入経路が限定されるため迎撃が多少しやすくなった。梯子を上ってくる相手に上から火炎放射器のような炎が襲い掛かる。人は燃え、矢を防ぐための盾にも火が移り、慌てて体勢が崩れたところに矢が刺さっていく。

 何度か火炎攻撃をすると梯子の強度が落ちて利用できなくなった。梯子の本数が減ったことで、強攻しても登りきるのは難しい状況だと判断し撤退をしていく。

 この力攻めは千人程の死者と三千人程の負傷者を作って一旦城から離れた。離れる間もバリスタや投石機の攻撃で死者や負傷者が増えていった。相手の攻撃が絶対に届かない距離、約一km離れた場所で陣形を整え始めた。



「何だあの炎は! 一か所ではなく複数個所で出ていたぞ。ケン以外にも炎を出せる奴がいたのか!」


「もしかしたら魔道具かも知れません」


「あれはそんな風には使えないだろ」


「外部には販売していない魔道具なのでは?」

 ライト軍の指揮所では城を攻め落とす方策を検討していたが、それよりも想像の及ばない攻撃について驚きを隠せずにいた。


「しかし城壁を登るのは困難だな梯子が駄目になるのが早い、破城槌(はじょうつい)で」門を壊すしか無いのでは?」


「それは難しいぞ。門の前も堀になっておる、つまり堀を埋める必要がある。仮に埋め立てて滑車付き屋根付きの破城槌を用意してもあの炎が出てきたら、屋根は燃えてしまうかも知れない」


「じゃあどうするんだ。こちらの投石機は射程に入る前に壊されているんだぞ。梯子による側面攻撃が駄目、破城槌も駄目、いっその事穴でも掘るか?」


「穴か、それはいい案かも知れないが相手に気が付かれることなく穴が掘れるだろうか? 仮に掘れたとして一日何m掘れるんだ? 一日五m掘れたとしても一km離れた場所から掘ったら二百日だぞ。兵糧が持たない、兵站が維持できないぞ」


「穴を開けてもそこに火を放たれたら逃げ道が無くて死ぬだろ」


「じゃあ攻城塔しかないのでは?」

 攻城塔とは壁と同等あるいはそれ以上の高さを有した木製のやぐらで城壁の上に直接板を置いて渡れるようにするものだ。近づくために車輪をつけるが、壁までの道のりも平らでないと近づけない。いま多数の堀や盛り土が存在しているため簡単に近づくことが出来ず、敵から真っ先に狙われるためとても今のままでは近づくことも困難であった。また作成には長期間かかるためこれも実現性が低かった。


「相手が籠城するなら兵糧攻めするか? どれくらいの兵糧を持ち込んだかは分からないが、三千人がどれくらい持ちこたえられる量を持っているのだろうか」


「こちらが残した食糧だけで二か月は持つはずだろう。他にも民家の食料も残っているだろうし、持ってきた食料もあるだろうから半年くらいは持つのではないか」


「長引くとこっちの兵站が持たない。しかも収穫時期に重なったら税が回収できなくなる」


「兵士や民を少し帰してから包囲するのが良いのではないか? 期間が長引けば同盟国がニバンに攻め込むかも知れない。ここの戦闘が長引けば長引くほど、こちらが有利になるのでは?」


「相手は最初から籠城する気だっただろ。城の防御力も増し、堀も増えていて門の前も堀になっている。そこを渡るための橋も無かったぞ、城から出る気が無いということだ」


「じゃあ何のためにここに籠城したんだ? ここだけ占領したって税収が増える訳でも無いし籠城することによるメリットは?」


「ここに主力を引き付けておき別動隊が別のルートから攻める。あるいは大軍勢が潜んでいて、城を攻めているときに挟み撃ちにするとか? 収穫できないようすることでこちらの税収や食料を減らすとかもあるか」


「三千しか攻めてこなかったというのもおかしいな。それで城を落とされたのもおかしいけど。ニバンも軍備を整えていたんだから数万の軍で攻めてきてもおかしくないだろ」


「五か国同盟が利いているのでは? 他から攻められることを考えるとこちらに戦力を割けなかったのでは?」


「なら、より一層訳が分からないぞ。仮に三千で攻めてこの城を奪って増援もなかったら、こいつらは捨て駒ってことになる。ケンは民を大事にする傾向があるからそんなことするかな? ここに籠城していたら他国からニバンが攻められる可能性がある、長引けば長引くほど不利になるはず。何が狙いなんだ」


「五か国同盟の約束が守られて他国がニバン攻め込んで来たら、何か得をする? こちらが主攻ではなく助攻(じょこう)(陽動)で、攻め込んできた他国と戦争するのが目的というのはどうだろうか」

 議論中に伝令が入って状況を伝えた。


「敵が城から出て止めを刺して回っています」

 敵が引いた後に残っている敵に止めを刺すことは当たり前の行為であり、特に珍しい事ではない。門が開いているならそれに目掛けて急接近して中に入るという方法も取れるが、騎馬で走っても入り込める気がしなかった。


「嫌がらせで攻撃するか?」


「いや、相手の方が射程が長い。ほっといて良いだろ」


「しかし、ニバンの目的が分からないな」


「真意は分からないが何も考えずにこのまま包囲をし続けるのは兵糧が無駄になくなるし民をここに居させたら収穫に影響が出る。

 まずは空堀を埋めよう。門や壁の前までが平坦であれば、破城槌または攻城塔だって接近出来るようになるはず。荷車に土や石を載せて空堀を埋める。並行して破城槌と攻城塔の用意だ。矢だって無限にある訳ではない。打ち尽くす可能性だってある。無駄に矢を消費させるためにも遠くの堀から徐々に埋めていこう」

 更に伝令が入ってきた。


「死体を一番外側(ライト軍陣地に近い側)に放り込んでいるようです」


「良いじゃないか。土で埋める量が減るし、ニバン側にも手伝ってもらおう」

暑い地域なので、二日もしたら腐敗臭でとんでもないことになります。

死体を放置したら菌が繁殖するし、病気になる可能性もあります。

なので、少しでも遠い場所に廃棄するのは、ごく当たり前だと思う。

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