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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
4章 ニバン国国王

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04-29 対ライト王国06

 ナーリタの北東にある小さな村ナーメカワに、突如ライト国の兵士が攻め入った。丁度盗賊討伐のために多くの守備兵が出払っており、抗戦することなく降伏することになった。村長が直ぐに降伏したため人的被害は発生しなかったが、多くの人が奴隷として連れ去られ食料やポーションなどが奪われてしまった。

 たまたまその村にウエライトの商人がいた。ウエライトの商人達は盗賊が出たという事でこの村に足止めされていたのだ。ウエライトの国民と確認出来たためライトから略奪されることはなかった。


 そしてライト軍が国に戻ろうとしたところで、ニバン軍と交戦することになり、ライト軍は壊滅し、奪われた住民と物資を回収することが出来た。その噂は瞬く間にウエライトやニバン国内に広まった。


 実際には襲ったのはライト軍ではなくニバンの兵士がライト軍を偽装し自作自演でナーメカワ村を襲ったのだった。村に兵士が居ないのも、直ぐに降伏したのも、盗賊が居るからと言ってウエライトの商人をナーメカワに留めたのも、全てニバン側の計略であった。武器や防具や旗等は以前鹵獲(ろかく)したものを利用した。ライトとニバンの戦闘は見かけだけで実際には演技であった。


 ただウエライトの商人は本物であり、その噂を補強するように常にニバンの間者たちが話を同意して膨らましていった。

 ニバンはライトや周辺国にライトから攻められた旨の声明を発表することにした。度重なるライト側からの妨害行為や侵略行為は終戦の条約違反であり、本件に関してはライト側に全面的な責任がある。ライトが先に手を出した、反撃は正当な権利でありこれを妨害する国があれば、ライトと共謀しているとみなして敵国と認定する。


 ただ周辺国への使者が各国に到着するよりも早く、ニバン軍はライト国の国境を越え、ライト側の国境の街メニ―オールドから少し離れた場所に布陣した。

 メニ―オールドは城塞都市であり高い壁と空堀に囲まれていた。ニバン側への行き来は禁止していたため、ニバン側の門は常に閉じてあり、反対側の門もニバン軍が見えた時点で閉じられたため、簡単には占領されない状況になった。またニバンの軍が来ていることを伝えるための早馬も後方に出立していた。


 今回ニバン側の兵力は三千であり、守備側の兵もほぼ同数であった。住民も五千人ほどいるため簡単に落ちるとは思っていなかった。援軍が来るまで防げれば戦力差からねじ伏せられると。ライト側から積極的に攻めなくても相手が無理に攻めくれば損害が多く与えられるし、ここを無視して進んだとしても補給が追いつかず、援軍と歩調を合わせて挟撃するか、合流してから攻撃すれば良いだろうと。ただライト側には不安があった、ケンが居たらどうなるか分からなかった。


 ニバン側から一騎門前までやってきて口上を伝える。戦争の始まりは互いの主張をすることが良くあった。


「ニバンはライト国に対して戦争を宣言する。国王に対する暗殺未遂、侵略行為やアヘン混入酒、故意による疫病の伝染、偽造貨幣の作成と流通、住民への危害、どれも許されざる行為である。我が国は賠償金の支払い延期や難民へ受け入れ、先の戦争では負傷兵の治療なども行ったのに恩を仇で返す行為は言語道断である。

 全力を以ってライト国を征服する。恨むのであれば無能な王の元に生まれたことを恨め。これ以上ライトに慈悲を与えることはしない。が、この城を放棄するなら命だけは助けてやる」

 口上が一区切りついたため、今度はライト側からの口上を伝える。


「ここはライト国でお前等は無断で侵入しており、ただの盗賊集団だ! 自分たちが無能だから起きたことに対して、勝手な妄想で我が国を貶める行為は断じて許されない。武装を解除して降伏すれば命だけは助けてやる。降伏しろ」

 現場の指揮官や兵士は、ニバンに対して何を行っているかなどは知りようも無い話ではあるが、内心ではそういうことをしていたかもとは思っていた。咄嗟の事で良い口上が思いつかなかったのは、仕方がないところではある。互いに口上は伝えたので、ニバン側の騎兵は自軍陣地に戻っていった。


 ニバン側が陣を張った日は何も起こらず夜をむかえた。夜襲があるかも知れないため、ライト側の城壁には多くの兵士がその場で待機していた。天候は曇りで月明りも殆どなく真っ暗な中、城壁には複数のかがり火がたかれている。


 ドカン! 大きな音と振動が城壁を襲った。その音と振動は継続的に鳴り響いていた。投石機による攻撃であったがそのような物や石なども日中には全然見えなかった。実際に城門への攻撃は続いている。夜目が利くものが投石機があると思われる方向や距離を伝え、その方向に火矢を放つ。何十本と打っていると、投石機の近くに火矢が当たり場所が明確になった。しかし投石機の前には厚い石壁が設置されていた。

 とはいえ、投石を何とかしないと危険であるため大量の矢が降り注ぐ。バリスタによる攻撃も加えられるが手前の石壁に当たって投石機にはダメージを与えられていなかった。


「何かいるぞ! 堀の外側だ!」

 城壁から周囲を警戒していた者が騒ぐと、その方向に火矢が撃たれて周囲が少し明るくなる。すると得体のしれない箱のようなものが堀の周りを徘徊していた。


「何なんだよあれは! 人じゃないぞ! 生き物でもない!」


「撃て! あいつを撃つんだ!」

 得体のしれない物に警戒した兵士達は、得体のしれない物にも多くの矢やバリスタの攻撃を行った。そうなると投石機への攻撃は弱まり、ニバン側の兵士は攻撃がしやすくなった。仮に怪我をしても用意したポーションで直ぐに回復させるので、みな安心して攻撃を続けた。得体のしれない物はケンが作成したゴーレムであり、決められた場所に移動して、偶に魔道具を使って魔法を放つ程度であり、仕組みが分かってしまえば大した脅威ではない。しかし、初見ではそれを見破ることは出来ないため警戒をしていた。

 投石機の攻撃は壁や門だけではなく壁の上に立つ兵士にも当たり、運悪く攻撃が当たった者は即死した。また壁を越えて飛んだ石は民家を破壊した。火のついた藁も街中に撃ち込まれて住民達は火消しに追われている。



「だから嫌だったんだよ。ニバンと戦争するのは」


「ぐちぐち言っている暇があったら敵を攻撃しろ! 死にたくなかったら攻撃するんだ!」


「でもよ、ケンが来ているんじゃないのか? そしたら俺達終わりだぞ。近づいただけで首がちょん切られる」


「炎に包まれると聞いたぞ! 死にたくねえ!」


「お前等ここで死ぬか! ケンに殺される前に俺が殺すぞ! 良いから攻撃しろ」

 現場の指揮官たちに言われて無理やり勇気を振り絞って攻撃を続ける。そんな中、ゴーレムの一つから火炎放射器のような火が壁に向かって放たれた。それぐらいでどうなるものではないがそれを見た兵士が浮足立つ。


「見ろ炎だ! ケンだ! ケンが居るぞ! もう終わりだ!」

「本当だ! あれが炎、火の竜だ! 火の竜だ!」

「ケンが居るぞ! もう終わりだ!」

 兵士の多くは怯えて、攻撃どころではなくなった。


「落ち着け! あれくらいの火では壁は破れない! 死にたくなかったらあれに矢を放て。石を投げろ! 声をだせ!」

 パニックになりながらも兵士たちはやみくもに射撃や投石を行うと、バリスタから放たれた槍サイズの矢がゴーレムの一体に突き刺さり動かなくなった。ゴーレムには多くの矢が刺さりハリネズミのような見た目になっていた。


「倒したぞ! あのへんな物を倒したんだ! 他の物も壊すぞ!」

 みな一斉に残りのゴーレムに対しても攻撃を続けていた。しばらくすると少しずつ稼働が出来ないゴーレムが増えていった。倒すたびに守備兵の間に歓声があがった。士気が少しずつ回復していく。


「ケンが相手でも戦えるぞ! みんな頑張れ! やれる、やれるぞ!」

「「「「「おおおおお」」」」」」


 一晩中投石による攻撃は続き、空が少しずつ明るくなりつれて闇は減っていき守備兵の恐怖も少しずつ薄れていった。

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