04-22 対ライト王国03
ライトはニバンに対する悪評を広めようと努力しているが、なかなか広めることが出来なかった。ライト国内でもニバンが難民を支援した話が広まっており、ケンやライトに対して好意を抱いている者も多かった。
ライト国では新たなニバン対策として偽造通貨を作り始めた。金の含有率を減らしたニバン金貨を作りそれを国外で流通させようとしたが、重さや見た目から簡単に見破ることが出来るため準備だけに留まっている。銀貨の偽造は鉛に銀メッキをすることで何とか誤魔化せそうな出来上がりになったので、ウエライト経由でニバンに侵入し使い始めている。また自国貨幣の銀や金の比率をこっそり下げて新しい貨幣を発行し支払いに使っていた。
他にもニバン人に成りすまして他国を襲うという作戦も検討された。ただニバン周辺の国は全て共通の言語を話し、同一人種とも言っても良いくらいに違いが無い。違いがあるとすれば兵士の装備に若干違い程度である。あとはニバン国に居ればニバン国民と思うし、本人に聞いてそう名乗ればそう思うだろう。
そのため偽装が難しく、変わりに行ったのがニバン国内にいる人にニバン人かを確認した後、それを殺して盗賊に仕立てるというものであった。死人に口なしではあるが、調査をすると不審な点が多くニバン国内で警戒度があがってしまった。
暗部の人数が足らず、計画を立てても実行出来ない状況が続いており、軍人のなかからニバンに対して恨み不満を持つ者を採用し、ニバン国内で盗賊行為をさせようとしたが宰相によって止められてしまった。
「万が一我が国が組織的にニバンを攻撃したことが判明したら、ニバンから攻められてしまいます」
「じゃあどうやってニバンに対抗するんだ。ニバンから略奪すれば相手の力が減ってこちらの収入が増えるだろ」
「今は我慢の時です。焦って失敗すれば致命的です。考え直しをお願いします。国境は封鎖されており、ニバンに入るにはウエライト経由で入るか山や森を抜ける必要があります。略奪しても多くを持ち帰れません」
国王の意見は宰相によって止められて、他の文官達は表立っては反対せず宰相に任せている状態であった。国王は宰相の言うことも理解出来るが、毎回否定されるため不満が募っていた。
その後ヒダリオーク及びニバンから金の支払い延期が承諾された。またその事はニバンやヒダリオークが積極的に噂を流したので、民が広く知ることになった。
ウエライトの酒場でも今回の事が会話されていた。
「ニバンはライトの賠償金支払いを一年間猶予を与えたんだとさ。大雨で被害が大きかったらしい」
「え? そんなに被害があったのかライトは。でもニバンはやさしいな。大雨なんて毎年あるし、偉い人には当然それに備えてて欲しいよな。ライトに生れなくて良かったわ」
「あいつら難民のお礼も支払わずに今度は支払い延期? ライト終わっているな。普通なら攻め込んでるだろ」
「えっニバンがライトに攻め込むのか?」
「そんな舐められたことをされたなら攻め込んじゃないのか?」
「そうだな。俺なら腹立たしいもの」
何の根拠苦も無く好き勝手に騒ぐ者たちがいて、それを少し離れたところで聞いていた者が別の場所でそのような話をしていく。だんだんと話がずれるのは良くあることではあるが、それがウエライト経由でライト側にも伝わっていく。
ライト国の王城では、ニバン対策の会議が行われていた。
「最近はニバンがライトに攻め込むという噂が出回っております」
文官からの報告に国王は顔をしかめた。
「その噂の信頼性は?」
「ニバン国内に潜んでいる者からはそのような報告はありません。デマだと思われます」
国王の質問に別の文官が答える。
「はあ。お前らの報告は信じて良いんだろうな? 何もしないまま放置していたら、目の前にニバンの軍勢が居ましたなんて洒落にならんぞ」
「今来ている報告で考えた結果そう結論付けたんです。担当者を信じましょう」
国王の発言に対して宰相が文官を庇う。
「金がいるんだ金が。金が無いから軍備も整えることが出来ないし、だからニバン相手に安心が出来ないんだ。何をするにも元手が無いから国政が困難になんだ。揃いも揃って何の案も無いのか? おい!」
「犯罪者の取り締まり強化とスラム街に住む税金を払っていない者を捕まえて、国外に奴隷として売り払いましょう」
文官の一人が意を決して意見を述べた。国王は文官をじろっと見つめた。
「良いじゃないか。税金を払っていない者や犯罪者を取り締まれ。それとお前等、宰相たけに任せずに意見を言え! そんな事を俺に言わせるな! 自分達で気が付いて対応しろ」
全然伸びないよー。他の人の目に触れる機会が少ないみたい。
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