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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
1章 王都編

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01-10 港町カンナ2

 食堂にいた漁師達と酒を酌み交わしながら、魚介類の調理方法や美味しい食べ物を教わる。皆がおごってくれて追加で色々な料理が運ばれてくるが、歩けない位にお腹が膨れている。ピイーナもまるで妊娠しているような見た目になり、腹を上にして机の上で寝そべっていた。


「これから新天地に行くんだけど、船に乗るのが初めてで、万が一海に落ちたらどうすればいい?」


「うーん、落ちたら拾ってくれんだろ。難破したらッてことか? 船もバラバラになっているとしたら、海の上に浮いている物に捕まれ。良く浮く物? 樽なんか良いんじゃないのか。空になった酒樽とか有ったら一番良いんじゃないか」


 ケンの質問に客の漁師が答えたが、その話題に乗っかる様に他の漁師が話し掛ける。


「海神様が溺れたものを助けてくれたった話があってな…」


 その後は海神様の話題になった。海神様は海の守り神で、中国の龍のような見た目をしている。広場の中央には立派な象が祭られていた。海神様の話になった途端、漁師のテンションが上がり、色々な逸話を次々と話し出す。周りの人達も集まり海神様のすばらしさについてこれでもかと話し掛けてくる。海に生きる人たちに物凄く好かれている神様だった。


「死んだ爺さんから聞いた話では、隣村の者が海で遭難し困っていたら海神様に助けてもらって、村の近くまで送って貰ったというのがあったな」

 他にも海で化け物に襲われたときに助けてくれた、不漁で困っているときに魚を呼んでくれただの、海神様のすばらしさを熱弁する。話がヒートアップして抜け出すことが出来ず夜が更けていく。


「うう。頭が痛い。二日酔いだ」

 酒は少し控えようと決心したケン。魔法で生み出した水を飲んで一息つく。ピイーナも水を所望するので、コップに水をだしてサイドテーブルに置くとコップの中に顔を突っ込んで飲み始める。お腹は膨らんだままでまだ飛べないようだ。両手を出して催促するので胸のポケットに入れ、出発の準備をするために町に繰り出す。


「おうケン! ひでえ顔だな。小さな英雄が真っ青だぞ! がはは」

 町を歩くと昨日の食堂に居たと思われる人達から、何度も声を掛けられる。少なくても自分の名前を売ることに成功した。これはまだ始めに過ぎない、ケンはサンフラワーの名前をこの大陸中に轟かせるつもりだった。


「この箱は現地に着いたら担当に渡すように」

 船に積む荷物の量を少しでも増やせるように、開拓村で利用される荷物を空間収納にしまう。何が入っているかは防犯上教えてもらえないが、箱や樽に付いている封をやぶると罰金刑となるため中を開いて見る事は出来ない。収納した数と移動日数を基に報酬が貰える予定だ。


 移民の仕事は終わり自分の準備のために向かおうとしたとき、子供が海に何かを浮かべて遊んでいるのを見かけた。


「凄いな、なんで石が浮いているんだ?」


「えへへ、石の中に沢山空気が入っているんだよ。兄ちゃん見ない顔だけど新天地に渡るのかい?」

 小さな子供が水に浮く理由を得意げに答えた。ケンはそれを聞いて思い当たる節があった、建築用の魔法で空気を多く含んだ石壁があり、それなら水に浮くのではないかと。


「ああ新天地で一旗揚げようと思ってね。俺も作ってみるかな、おっ本当に浮くね。じゃあ今度はもっと大きく」

 ケンは小さな石壁を作り出し海に浮かぶ事を確認した後、縦横三mサイズの石を出す。恐る恐る石に乗ると水には濡れるものの海には浮けるようだ。

 ケンは子供たちの輪に入り遊び方を教わった後、自分の最近有った武勇伝を伝える。子供たちの尊敬のまなざしを受けて良い気になって対応していたため、時間を大分消費してしまったが、旅支度を何とか終わらせるのであった。


「ケン! ちょっと良い?」

 夕暮れ時、偶々ケンを見つけたアリスはケンを呼び止めた。


「おう、いいぞアリス。一緒に夕飯でも食うか?」


「うん。でもその前にちょっと行きたいところがあるの」

 アリス達は町の広場まで行き、露店に居たおじいさんに声を掛けた。


「二人分の写真をお願いしたいんだけど」


「銀貨二枚になるよ」

 アリスは懐から財布を取り出し、銀貨二枚をおじいさんに渡した。おじいさんは両手を二人に向けて広げて軽く押し出すようなしぐさをした後、カバンから取り出した一枚の紙に向かって片手をかざした。


「はいよ」

 紙には二人の顔が写っており、絵とは比較にならないほどの精度であった。


「おお凄い! お爺さんこれ王都でやったら物凄く儲かるんじゃないか?」

 ケンはその技術に感動しつつ、金儲けになりそうだと思い、おじいさんに王都行きを勧めた。


「いや。この年で王都に行って稼ぐのは厳しいわい。はあぁ。あと二十年、いや十年早くこれが出来ていれば金を稼ぎまくったんじゃがな。これが出来るようになったのが最近なんじゃ。まあ本業の片手間に小遣いが稼げればいいさ」


「いやー勿体ないなあ。俺も記念に、二人の写真を頼むよ」

 ケンは銀貨二枚を払い、アリスと一緒に写った写真を手に入れた。新天地では一人で生活することになるため、きっとこの写真は開拓村で心を慰めてくれるだろうと感じていた。屋台に向かい、二人で食べて話しながら、思い出を増やしていった。

オリジナル魔法とか、スキル?とか、あるいは才能がいつ目覚めるかなんて誰にも分らないよ。

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