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ブランニューイエスタデイ

作者:犬上田鍬
 超近未来、VR技術の飛躍的発展で余暇を楽しむための疑似世界(メタフィジカル)は多種多様に利用されていた。正雄たち定年を迎えようとしている世代には、近い将来、メタフィジカルへの移住という社会保障制度の選択肢もあった。彼らは『サマーブリーズシティ』というアプリを使って、かつて青春時代を過ごした街をそこに再現し、年に一回夏に〝盆帰り〟と称して集まっていた。そこでは、いままで培ってきた知識や経験を持ち合わせたまま、一番キラキラしていた頃の自分でいられる。
 その年、正雄は高校時代の部活の先輩である沢田に誘われ、ここで催される亜空間ライブに参加することになる。その昔、学園祭のアマチュアフォークコンサートに出場するためにサポートした〝ウェンズデイ〟というフォークユニットを再結成するという。ウェンズデイはもともと女の子三人組でボーカル担当のリリリは、奇しくも正雄の現在の職場仲間である自称「ブルースシンガー」のコゴローと、かつて関係があったらしい。彼女は後にメジャーデビューしたのだが、作者不明の曲を歌ったり、謎の自殺を遂げたりしたことで彼らのレジェンド的な存在になっていた。正雄は亜空間ライブのリハーサルを重ねていたが、あるときメタフィジカルで死んだはずのリリリを見かける・・・ 
 音もなく、ゆっくりと彼自身のためのストーリーが、夏に向けて紡がれ始めていた。
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