ミガンの恋【完結編】
ニーナは異国へお嫁に行った。
知らない間にみんなが遠くに行ってしまったようで寂しかった。
自分にも、こういう感情が芽生えるんだな、そう思ったら、泣いてしまった。
支えてくれたのは、やっぱりオルカットで、プロポーズまでしてくれた。
でも、私たちは結婚したものの、子どもは出来なさそうだ。
気恥ずかしさが増して、一つの部屋で寝るだけでもドキドキする。
こんな感情も初めてだし、ほかの男に感じたこともなかった。
アディナとコアンの子供は、瞳と耳の形がコアンにそっくりで、ちょっとうらやましくなってしまった。
「なあ、ミガン。」
オルカットに急に話しかけられて、びくっとする。
「あのさ。――俺、子どもほしいな。」
「な、ななななにいってんの?ええええっとどどどどういう」
オルカットが噴き出す。
「いいじゃん、――俺のこと嫌いなのか?」
笑顔でそんなことを言われたら、もう絶対断れない。
そっぽを向きながらもなでさせてくれる猫のように、私は心を開いた。
うん、大丈夫だと――思う。
出産はしんどそうだけど、多分大丈夫だ。
なんたって、オルカットとの子どもだもんね。
いつか、ニーナが帰ってきたら、私たちの子供は仲良くやってるよ、と言ってやろう。
ううん、今すぐ手紙を書こう。
写真入りで、ニーナの立ち上げた会社へ封筒を送る。
ああ、幸せだ。
こんな日々が、いつまでも続きますように――。




