ミガンの恋(1)
今回はミガン視点です!あーこんなこと考えてるんだーみたいな感じで読んでください。
まあいろいろあって、ここ新大陸までたどり着けて、今日は――三日目かなあ?まあいーや。
今私がいるところはといえば。
二人部屋で、私、ニーナと、アディナ、男子はコアン、オルカット!部屋はほんとにやばい!あっ!そーだ!
「ねえねえ!」
私は広すぎる部屋を横切って、ニーナに話しかけた。
「明日さあ、城下町行くじゃん。」
「うん。」
「コアンとアディナ、二人っきりにさせちゃおっか!」
「賛せーい!!超賛せーい!アディナってば、喜びあってる途中にさりげなーく
コアンと抱きしめあってたもんね~!」
ニーナがめっちゃニヤニヤしてる~!!レアだ!
「ほんとそれ~!もー羨ましすぎる!あんなイケメンの彼氏~っっ」
「いやいやそれ言うか―!あんたの方が美形だよ!」
ニーナが笑っちゃうようなことを言う。まあー、それほどでもー……
「まあそれはさておき~。」
「自分から言っといてさておくんかーい!」
べしい!右手でチョップ。
「まあまあ。オルカットにも協力要請しにいこーぜー!!」
おお!ないーすアイデア!
「じゃ、ミガンがコアンをつりだしてえ、私が話すね!」
「まて、つり出すってどーやって!?」
そもそも私の負担がでけーよ!おい!
「いやいや!アディナの秘蔵写真集があるとか言ったら大丈夫だって!」
「いや無理だろ!」
渾身のツッコミが炸裂したところで、ニーナに男子部屋に引きずられていった。
「おー、ニーナとミガンどったと~?」
超超おどけたコアンが出てきた。
「え、ええええっとねええええええ……」
しまった考えてなかった(当たり前)。
「じ、実はアディナの秘蔵の写真集があるの!!」
ア……。ややややってしまった!
「ままままじか!?」
くっ、食いついたあああああ!まさかのこいつも変態の仲間か!!
ああ、ヒーローの仮面がはがれる……
「どどどどこにいいいい!?」
私、コワイデス。食い殺されそう……
「ええええッとねー。とりまここじゃなんだから、ロビーいこー。」
「おうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおう」
コワイデス。キャラ崩壊。
コアン興奮しすぎ……ニーナが部屋に入り込んだのも気づいてないよ。
ロビーに来て、困る。
秘蔵写真集なんてない。(当たり前)
「おい早く写真集を!!!!!」
「だーれの写真集?」
ぴょこ☆って感じでアディナが顔を出す。
「え???いっいやこの国のアイドルのだな……」
あーあ、あからさまにコアンが言い訳するもんだから、怪しすぎる。
「ふーん。やっぱりあんたも水着に興奮する変態の仲間だったんだ?」
「いやいや決してそういうわけでは……」
今だー!どさくさに紛れてだだだっと逃げ出す。
まあ、ある意味コアンは変態の仲間だけどねー。
男子としては普通なのかな??
分かんねー。あはは。
部屋に帰ると、ニーナがもういた。めちゃめちゃにやにやしてたので、
「明日楽しみだねーププッ」
と言ってみたんだけど、
「ぶふぁっ!ひーっひっひあーっはっは!」
と大爆笑したので、そんなに面白いのかな?と始めは思ってたんだけど、そのうちつられてきて、
「ああーっはっは、うわっはっは、ぶひゃひゃひゃ!」
なんかはしたない笑いを連発してしまった。
てかベッドふわふわすぎー!
ほんとの一瞬で眠りに落ちた。
ニーナがまだ笑ってたような気がするけど、寝ちゃった。
ろろろんららーん。るるーんらん。
陽気な音楽が部屋に充満した。
「おはようございますミガン様。七時でございます。朝食は下の階のホールでお取りください。」
モーニングコールだった。
私は損型人間なので、夜も朝も眠い。
でも、このモーニングコールで起きられるようになったみたい。
「ねーニーナ、帰ったらこのモーニングコールニーナがやってよ。」
着替えながら冗談で言ってみたら、
「やだ!!」
思いっきり拒否られた。悲しー。
豪華な朝食を食べた後は、町へ行く!
「楽しみ~!」
持ち物を確認しながらニーナにそういうと、
「うん、そうだね。くすっ」
まだ笑ってるのかな……?なんでだろー。
私は、ニーナおすすめらしい、雑貨屋さんに入ってみた。
見ると、三百ルリという超お得価格でかわいらしいペンダントが売っている。
ってかまってー!!ドストレートで好みなんですけど!
とと、こっちも!五百ルリとやや高めですが、デザインが最高にかわいいいい!
よっし!ちょっと一杯買いすぎちゃったかな……?
ってあれ?みんなは……?
はぐれた……。
まじか。
あれ?あのボサッとした茶色の髪は!
「オルカット~?」
「お!ミガン!なんかさっきまでみんなと一緒にいたんだけど、はぐれちまってよぉ~。」
やだ、恥ずかしい……何でオルカットがここに。
ってか、この状況。私たちがコアンとアディナに仕掛けようとしたことそのものじゃない。
”楽しみだね!”
”うん、そうだね。くすっ”
ニーナとの会話がフラッシュバック。
まさかあの三人……
「はぁかったなあああああ!」
突然叫びだした私を見て、通行人がぎょっとした。
ぜぇはぁとせわしなく息をつく私の肩をぽんぽんっとオルットが叩く。
「何があったか知らんが、とりあえず……」
もう言われることは分かっている。これまでに何回も言われてきた言葉だからだ。
「お・ち・つ・け!!おちつけ、もちつけなんちゃって……」
「ぷっ。」
もー。オルカットがイライラしている表情のまま冗談なんて言うから、笑っちゃったじゃない。ほんとにオルカットは……
ぽん。
突然頭に大きな手が乗せられた。
「お、元気出た?いつものミガンじゃん。」
にかっと笑う彼の顔が、なんだか近く感じて。
「――っ!さわんじゃないわよ!スケベ!」
ぱしっ。
手を払いのけてしまった。
あーあ、私って、どうしていつもこうなんだろう。“ありがとう”さえろくに言えないなんてさ。情けない。オルカットだって、怒るにきまってる。
「うんうん、それでこそミガンだよ!」
へ?
「ねえ、それってさぁ、こーゆー怒ってるとこが好きってこと??」
「はぁ?ええ、バカだなあ、そんなわけないじゃん。」
は?怒ってる姿こそミガンってさっき言ったよね?
もー……よくわかんないっての。手を払いのけられて、怒るでもなく笑うってか。
「あっ、そーだ!この辺にいいカフェがあるんだよな!よっしゃ行くぞ!」
言うなり手をがっしりとつかまれ、そのまま走り出す。
「え、ちょっと、は、離してよ……」
「いーからいーから!」
(よくない!)
と言おうとしたけど、やめとこう。オルカットがこういう風になるときは、いっつも何かある時だ。
私は微笑を洩らした。
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