ふりかえらないで
ふりかえらないで
そこには悲しみがあるだけ
ふりかえらないで
そこには果てのない暗闇
そこはかつて
地獄と呼んだ場所
ふりかえれば
あの手が握りしめた槍が
心臓めがけて
誰かの言葉で血を流すなんて 、
その血はわたしが飲み込んできた全て
今までのわたしを知らぬ
その言葉で
わたしが血を流すなんて、
一滴たりとも渡さない
わたしは
全部飲み込んで
全部血に変えて
前を向く
胸には数多の矢が刺さり
腹には大きな穴が開き
痛みに震える
今日の夜も
わたしは飲み込む
だから
ふりかえらないで
そこには何もない
変えようのないことが転がっているだけ
だから
わたしは全部飲み込む
後ろには残骸も残さない
変えようのないことも受け入れていく