表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7日間の隠恋慕  作者: 凪 希望
2/3

1日目

未来は、約束した時間に来なかった。

 

 僕は、未来がそんなことをする子だとは思わないし、実際そうだった。その事実が僕をより一層不安にさせた。辛抱しきれずに連絡しようとして、携帯を開いて気づいた。


未来ちゃんの連絡先が存在しない。


僕は疑問に思った。僕が、校内で唯一とも呼べる女の子の、しかも好きな人の連絡先なんて消すはずがない。さらに、最後に触った前日の夜にはまだ存在していた。


 これはフラれたか。そう思って、とぼとぼと教室に入った僕に、さらなる衝撃が襲い掛かった。


 未来の机が無い。


 まるでもともとそこに何もなかったかのように、からっぽの空間になっている。しかも皆、その状態を普通と捉えているようだった。これは明らかに異変だった。


 僕は思い切って、記憶の中で、その子と仲の良かった女の子に聞いてみた。


「ここに未来ちゃんの席無かったっけ…?」


僕は言い切って初めて、未来のことをしっかり名前で呼んだことに気が付いた。未だにドキドキするのは、僕がまだ未来を好きだからだろう。そんな僕の思考を一気に吹き飛ばすセリフを彼女が放った。


「未来ちゃんって誰…??」





その日の夕方、僕はある一つの結論を出した。


未来が、何らかの理由で、この世界に存在していない。


最初は、皆が誤魔化しているのかな、とも思った。だが、未来のことを聞かれたすべての人が、未来の存在を知らなかった。当然、先生も知らないので、家を訪ねる手段も無かった。


 この世界で、未来のことを覚えているのは僕だけなのである。


 僕は決めた。

未来を探し出して、もう一度思いを伝えるんだ。


旅は今、始まったばかりだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ