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7日間の隠恋慕  作者: 凪 希望
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0日目

僕には、好きな人がいた。

僕よりも身長が低く、おとなしめなその子が好きだった。


でも、引っ込み思案な僕は、同じクラスで隣の席になっても、会話どころか挨拶すらも覚束なかった。緊張で頭がいっぱいで、何を話そうかってまともに考えられなかった。


そうしたら、その子が、国語の教科書を忘れた日があった。先生は僕の名前を呼び、

「おまえ、教科書見せてやれ」

と言った。

 その日初めて、その子とまともに話した。


その子の名前は、未来といった。

 

実は、僕と同じ、引っ込み思案なこと。

 実は、負けん気が強いこと。

 実は、何事にも一生懸命なこと。

 

未来のいろいろなことを知っていくうちに、さらに好きになっていっていた。


その日以降、それまであった緊張はどこかへ吹き飛び、何の抵抗もなく未来とおしゃべりした。前日にあった出来事、宿題の確認、密かな噂話。そんな他愛もない会話ができるだけで、幸せを感じていた。


その間に、自分の「好き」の気持ちが、日に日に大きくなっていっているのは、自分で気が付いていた。


だから、決めたんだ。


未来に、告白するって。




 校舎裏に呼び出し、想いを伝えると、その子はこう言った。

「明日、返事するね」

 僕は、明日まで待った。



でも、未来は現れなかった。



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