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異世界でトレジャーハンター  作者: ばん
第一章
11/17

さる戦い

 神獣の領域にきて二週間がたった。この二週間で判明した事から予定を立てる。

 この領域にはたくさんの種類の魔物がいることがわかった。そして、さすが神獣とでもいうべきか、驚くぐらいに調和がとれている。

 どれか一つの勢力が力を持ちすぎているということがないみたいだ。適当に間引いて均衡を保っているんだろう。改めて、フェンリル様は敵に回してはいけない存在だと再確認した。


 厄介な魔物がクマとサルとクモだ。夜行性の奴等も厄介だ。

 犬猿の仲よろしくこの領域でのサルのカーストは低いみたいだが、俺が来たことにより、いじめる相手を見つけたのか、暇さえあればちょっかいを出してくる。


 今までゴブリンぐらいしか戦ってこなかったことが災いした。

 たが、もう二週間経った。あいつらの習性は把握したし、俺なりの戦い方であのサルどもを駆逐してやる。


 その前にフェンリル様へお伺いを一応しておく。


 「あのサルどもなんですが、こちらが手を出さないことをいいことに調子に乗ってまして、少々痛めつけてやりたいんですが、よろしいでしょうか?」

 「ふむ。やつらにはわしも困っている。なんなら全部殺してもかまわんぞ」

 「え、いや、そこまでは」

 「なら半分だ。残りはあとでワシが殺る」

 「は、はい」


 どうやら火をつけてしまったらしい。こうなれば慈悲もない。戦争だ。

 準備に二日ほどかかった。やつらの住処も特定済みでボス猿も確認した。やっぱりお決まりのハーレムを作ってやがった。許すまじボス猿。

 そんなわけで作戦開始である。


 第一段階は西にある一番大きな群れの住処へサルを追い立てていくので東からスタートする。


 「オラオラー!よくも今までやってくれたな!」


 身体強化魔法を使いつつ、サルを見つけ次第、西の方角へぶっ飛ばしていく。

 正直、各個撃破だったので楽だった。あいつらは基本的に単体で動いてるし。

 打ち所が悪ければ死んでるだろうけど放置する。素材的な価値がまるでないのでおいしくない魔物なのだ。他の魔物のエサにでもなるがいい。


 一日目は50匹ぐらいぶっ飛ばして終わった。


 第二段階。周囲にサルの気配がしないことを確認しつつ掃討していく。もう手加減はせずに必殺していく。

 そして、一匹捕まえて、わざと連れまわして過程を見せていく。

 夕方には解放してやる。これで原因がわかって怒り狂ってくれるだろう。


 二日目は初日より数が多かった。縄張りが近くなったせいか。


 第三段階。今日で終わらせる。

 どうも散発的ではあるが襲ってくる間隔が短くなって来ている気がする。

 というか全部来られると全滅しちゃうんじゃないか?いいのか?

 俺が良くない気がするぞ。獲物を残しておかないとフェンリル様が怒りそうなんだけど。早めに出てくるなら出てきて欲しかったが、ボス猿は猿山でふんぞり返っているようだ。


 ちょっとペースをあげてお昼頃にはやつらの住処まで来た。

 固まって集まっているらしい。無駄なことを。正面突破していく。


 なんかサルっていうかゴリラみたいなムキムキのボス猿が俺の前に立つ。

 「おい、お前がボスなんだろう?かかってこいよ!」

 と、軽く挑発していく。

 「オオオオオオオオ!!」

 雄叫びをあげているボス猿。

 「そんなことしてる暇あんのかオラァ!」

 部分強化した右ストレートを顔面にお見舞いする。

 「ほう、耐えますか」

 相当効いてるみたいだけどな。不意を付いた動揺から回復し、ムキムキの両腕を振り下ろしてくる。地面が思いっきり凹んでいた。喰らったら危険が危ない。

 でも、俺は身体強化してるので余裕で避けられる。

 その後も、あたりかまわず腕を振り回したりするだけだったので回避してからカウンターを優先してボス猿の消耗を狙う。

 10分もすれば、ボコボコにされて地団駄を踏んで悔しがっている。


 「もういいだろう。お前は俺に勝てない」

 「グギャアアアアア!」


 わざと構えを解いて隙を作ってみる。


 「ガア!」


 なりふり構わず突進してきた。そうそうそれを待っていた。

 回避して後ろに周りこんで手刀をお見舞いする。


 ズドン


 ボス猿が倒れて、周りのサルが逃げだした。

 あとはフェンリル様に任せちゃおう。


 残ったボス猿にはハーレムでぬくぬくしていた罰を忘れずに与える。

 「これからお前はハゲ猿になるのだ。ファイヤ」


 ボッ


 これでよし。

 このボス猿改め、ハゲ猿を殺さなかったのにはわけがある。

 二日目に連れ回していた猿が捕まえた後、俺に敵わないとわかったのか従順だったのだ。強いものに従う理論があるんじゃないかと思う。


 「おい、起きろハゲ猿」

 

 蹴っ飛ばしているとどうやら目を覚ましたようだ。

 あたりをキョロキョロ見ているが俺とハゲ猿しかいない。他のやつらは全部逃げた。


 「お前に選択肢を与えよう。もう一度戦って今度は殺されるか、俺も命令に従うかだ。従うなら両手をあげろ」


 両手をあげるハゲ猿。


 「この森から出て行ってもらう。お前ら全員だ。生き残りを集め、速やかに出て行くんだ。わかったら頷け」


 コクコク


 「よしよし。じゃあなハゲ猿」


 やれやれ。やっと終わった。

 こうして僕と猿の3日戦争は終了した。


 あいつら知能高いっぽいし、どこでも生きていけるだろう。

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