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プロローグ
目が覚めたら俺は異世界に転生していた。
家族構成は祖父祖母、父母、兄姉、そして俺。
この世界での俺の名はロック。岩かよ。
どうやらこの家は表では冒険者用のアイテムを売ってる便利なお店で
裏では泥棒やら暗殺やら請け負っているらしい。
らしいというのは、うちのじーちゃんから聞かされた。
「わしが若かったころはな」から始まる昔話を俺は随分と聞かされた。
あるときは、貴族の溜め込んでいた金銀財宝を奪い
またあるときはダンジョンでお宝を。
またまたあるときは貴族の跡目争いに関わったり。
もういい歳なのでじーちゃんは引退して親父が裏家業を継いでいるみたい。
今は孫にあまあまなただのおじいちゃんである。
歳の離れた兄ジークがいるが、裏家業よりもどうやら技術屋タイプで
自分の興味があるお宝じゃないとダメらしい。
せっかくのお宝も分解されたり魔改造されたりで一応片足突っ込んではいる。
そんなわけで、俺はちょっと変わった英才教育を施されている最中である。