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魔王裁判  作者: ワンワールド
賢者の犬編
6/29

賢者の犬登場

 黒犬の墓参りから三日後、賢者の犬の招待日が来た。賢者と医者に医者の息子が待っていた。医者の子は医者の右足に隠れて賢者を睨んでいた。賢者は恨まれていた。三日間賢者は医者の家に泊まっり地獄を体験した。(賢者の飯に犬の人形を入れられたり、背中にまけいぬと医者の子に書かれた。徹底して犬が絡んだ悪戯いたずらをされた。賢者は怒れなかった。怒るのは医者がしていた)


 「えっほ。えっほ」遠くから、聞こえてきた。

 「え~」一番最初に賢者が反応した。

 「お父さん。何あれ」疑問を父にぶつける医者の子。

 「分からない・・・」医者は疑問に答え、三人は謎の者を見ていた。

 「えっほ。えっほ」謎の者が三人に近付いてきた。

 「到着。旦那付きましたよ」唖然とする三人。二匹の大きなネズミが車輪の付いた大きな窓に扉が付いた黒い箱を運んできた。黒い箱の扉が開いた。黒ずくめの男が降りてきた。

 「・ごき・・げんよ」機嫌がいいわけない医者と賢者。

 「かっこいい」一人だけ機嫌がよかった医者の子は、大きなネズミと箱をじろじろ見ていた。賢者は何がかっこいいのか分からなかった。本来馬が引っ張る物と賢者は思った。

 「賢者。小さな・小さな・・集落・・医者と息子・迎えに来た、賢者の犬の使いの・・者だ。ネズミ車・・に乗れ・」ゆっくりとお辞儀する黒ずくめの男。ネズミ車の扉を開け、三人を手招きしていた。

 「さあ、さあ、乗った」足をばたつかせる大きなネズミの一匹。医者の子は箱に笑顔で乗った。不安な二人は躊躇してしまった。

 「大丈夫。乗り心地よくて、安全。先祖代々事故は一軒もないよ~」威勢のいい声で大きなネズミが言った。けれども警戒する二人に、大きなネズミがたたみ掛けた。

 「内のご先祖様は昔、魔法使いに馬にされて、下駄を履いた婦人を運んだのよ。魔法が切れて馬から戻って一件落着とはならず、先祖様は魔法の副作用で大きなネズミになった。で俺たち兄弟は遺伝で大きな体に馬の脚力ってなもんよ~」昔話をしてネズミ兄弟右側が自慢げな顔をした。

 「おう」相槌を打つネズミ兄弟左側。

 「すご~い」医者の子が窓から顔を出す。二人に乗るよう医者の子がせがんだ。


 二人はネズミ車に乗った。車内には三人と黒ずくめの男が向かい合い乗っていた。黒ずくめの男がマントからギターを取り出した。

 「一曲・・いか・が」と進めてきた。三人は暇だったので聞くことにした。軽快なテンポの曲を黒ずくめの男が弾いた。子供に合わせて明るい曲が続いた。ポンポンとお尻を跳ねあげ子は喜んだ。車内は、楽しい空気が流れる。

 「じゃ~ん」曲調が変わった。テンポが遅くなり暗い曲になった。三人はうとうとしてきた。子供が最初に眠りにつき、続いて医者が眠りについた。しばらく曲が続いた。賢者は睡魔と闘っていた。寝たいけど、相手が油断できないのに三人寝るのは危ういと思った。テンポはさらに遅くなっり、黒ずくめの男が子守唄を歌い出した。

 「ね~・むれ~・・ね~むれ~」呪われた声が賢者を寝付かせた。



 「ポンポン」肩を叩く音。

 「ユサユサ」体を揺する音。

 「ツンツン」頬を突く音。

 「おきろ~」子供が耳元で叫ぶ音。

 賢者は起きた。椅子に座って机の上で横になっていた。目覚めると、一五メートル以上の長い机。豪華な飾りの椅子が十脚。向かいにも十脚並んでいた。下は赤絨毯。横は絵画と大きな窓ガラス。上はシャンデリア。部屋中が光っていた。賢者の向かいに医者が座っていた。長い机の周りを医者の子が走っていた。

 「おきたか?けんじゃ。ねぼすけんじゃ」悪口を言う医者の子。

さっき起こしたのは医者の子と賢者は感じ取った。賢者は先に起きていた医者に経緯を聞いた。医者は(起きると部屋に黒ずくめの男がいた。賢者の犬が後程来る。ここで待っていろと黒ずくめの男に言われた)と返答した。


 賢者が話を聞き終わると丁度部屋のドアが開いた。ハット。顔。マント。ズボン。すべて赤の人物が現れた。背は医者の子位低かった。顔が赤かみがかっていたので賢者と医者は健康が気になった。

 「賢者の犬様」赤の人物の後方から、 紫の拳法着、紫のかんかん帽子、黒のサングラスを着けた男が登場。二人は部屋を闊歩かっぽして長い机の中央に。部屋で一番豪華な椅子の前で立ち止まった。赤の人物が椅子を引いた。

 「賢者の犬様。どうぞ」椅子に堂々と座る紫の男。医者と賢者はじろじろと紫の男を見た。それぞれが心で呟いた。”この紫男もしや”医者。”ついに現れたな賢者の犬って紫”賢者。

 「サングラスの人」ゆびをさして無邪気に医者の子は振舞い、紫男に駆け寄った。紫男は笑顔で言葉を返した。

 「やあ。坊や」前から知っている様子で、医者の子と紫男が会話を続けた。

 「坊や。元気かい」

 「うん。ちょびっと」

 「ちょびっとか?うん。うん。今日はおじさんが、君の元気を取り戻すからね。楽しみにしといてね」

 「うん」医者の子は紫男に抱き着いた。我が子の光景に医者の気持ちは複雑になった。自分の子でない賢者も何とも言えない気持ちが・・。医者は我が子を取り戻したい心が言葉に出てしまった。

 「息子よ。いつ賢者の犬と知り合った」

 「うん~。黒犬がなくなっちゃた日」

 「じゃあ。前聞いた紫おじさんはこの人」

 「そう」親子は話していた。黒犬が死んでいる場所に紫男が先に居て、死んだ様子を医者の子に語っていたことを。医者は微妙に体を仰け反った。

 「あの話に出てくる男」眉間にしわを寄せて賢者は呟いた。医者伝いに聞いていたため。

 

 「坊や。私の隣に座って。これからおもしろい見世物を見せてあげよう」素直に頷いた医者の子が座った。紫男の右隣りにある椅子に。

 「君たちは一番端の向こうの椅子に座ってくれたまえ」誘導され二人は賢者の犬と一五メートル以上離れた、中央の椅子に座った。

 紫男と医者の子、賢者と医者両陣営向かい合った。紫男が宣戦布告をした。

 「黒犬の死について和解の場を始める」外でしずくがぽちゃんと落ちてきた。


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