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魔王裁判  作者: ワンワールド
混沌のあらすじ2
20/29

求め合う

青の子鬼が王の弁護士になり、第二回名誉裁判が順調に勇者が不利な状況が続いていた。六つ目も勇者が不利な情報が入ったが、死刑になるような判決は望めないと気付く。勇者を殺す新たな手段を模索していた。

 第二回名誉裁判三日後、六つ目の元に情報が入った。勇者裁判に勝てず。引き分けで終わると。六つ目は裁判で勇者が負けず悔しがっていた。勇者を殺す切っ掛けで青の子鬼を送り出すが、良い情報は三つ目カラスから入ってこず、魔王の復讐を果たせないうっぷんが貯まり、荒れる日々が続いた。八つ当たりを受けるのは決まって子鬼たちだ。赤・黄・緑・黒と順番に六つ目の部屋に呼ばれては、怒鳴られ、暴力を受けた。

 「めがみん。また殴られたよ~」

 「ひど~い。ほんと嫌な上司ね」と黒の子鬼は女神に報告し、同情を受けていた。



 第二回名誉裁判四日後には、人間の新聞が手に入り、賢者の犬に記事を読ました。


 「六つ目様。面白い情報が載っています」賢者の犬が新聞に載っていた小さな記事を見つけた。


 その記事を読み上げると六つ目は、

 「誠に面白い。勇者に指名されるとは行ってやろうではないか」と高笑いをし、久しぶりに上機嫌になっていた。


 記事には、裁判のため六つ目魔物を探しています。証言をさせるためです。如何わしいことではありませんので、情報を求めています。それ相応の報酬を支払います。もし捕獲された方には、金貨一万枚を贈呈しますと書かれていた。


 六つ目はすぐに子鬼たちと賢者の犬、三つ目カラスを呼び会合を開いた。子鬼たちは六つ目の小言を聞くのかと思っていた。


 「勇者のお呼びだ。儂は勇者と話をしに行く。もしかしたら戦うことになるやもしれん。そこで、儂と共に勇者と戦う者を選抜したい」


 小言ではなく勇者との戦いに参戦しろともっと厄介な話だった。


 まじ。まじ・まじ~かよ。勇者に勝てるはずないよ~。めがみんと会えないし、歌も歌えなくなるよ~。黒の子鬼はかなり落ち込んだ。


 話し合いは困窮した。子鬼たちは六つ目と一緒に生死を掛けた戦いなどしたくなかった。逆に六つ目が倒されることを望んでいた。賢者の犬は言葉巧みに選抜者から外れた。


 「すみません。六つ目様。私は戦闘は弱く、賢者に顔が知れています。勇者たちに警戒を与えるだけです」と理由を述べた。


 そうなると子鬼たちしかいなかった。戦闘に向き、人間の町に行くには変装が出来る者と基準を満たしていた。


 「選考者はそうだな。三は欲しい。儂を護送する者二、勇者と話す者一でよい」


 六つ目の提案で三魔物が行くことになった。誰が行くかで子鬼たちは揉めた。話がつかなくじゃんけんで決める。じゃんけんは子鬼たちが困った時によく使っていた。


 黒の子鬼は女神に願った。めぐみん。俺を勝たせてくれよ~。


 黒の思いは通じた。黒はぱ~を出し、他の子鬼がぐ~を出した。


 思わず黒の子鬼は、

 「勝った。勝った。肩・型・かったん」と言いロボットダンスのような踊りをし出す。


 黒の子鬼の言動に六つ目が怒り、角を殴る。


 踊りが止まったと言うより黒の子鬼は飛ばされた。部屋のドアに向かって飛び、角が刺さった。


 「うっとおしい。一生刺さっていろ」六つ目に言われ、黒の子鬼はドアに刺さったまま会合が終わるまでそこに居た。


 会合で明日、勇者の元へ六つ目たちが行くことになった。六つ目以外が部屋を出ようとしたが、黒の子鬼が邪魔で出て行けなかった。


 「ああうっとしい。黒。刺さるのはやめろ。さっさと出て行け。ただしドアは儂が出発した後直しておけ。直っていなかったら罰を与える」


 「分かりました。直しときます」角を引き抜き黒の子鬼は出て行った。


 角を触りながら女神の元に黒の子鬼は向かった。


 六つ目のやろう。子鬼は角が命だってこと分かってない~ん。勇者、マイ王。どうか六つ目を殺してたも~れ。


 「お~れ~」叫ぶ黒の子鬼、その声は六つ目の部屋に聞こえた。

 「あのバカが。赤、あとで黒を殴れ」地面を叩いて六つ目は怒っていた。


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