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魔王裁判  作者: ワンワールド
女神編
11/29

判決と反省会

 六つ目魔物は紙を見ては悩む顔をした。十分ほどたち六つ目魔物は口を開けた。

 「判決を下す」原告側・被告側の緊張感が高まった。女神は負けることを祈った。三つ目カラスは勝ったと確信。負けを半分覚悟の黒衣の男がいた。

 「原告の訴えを認める。勇者裁判の罰を変更。被告には逆ストーカー刑とする。刑期三年。被告は存分に雷に打たれろ。ふふふ・・・」手で口を隠し、六つ目魔物は笑いを抑え込んだ。、咳払いをして六つ目魔物は話を続けた。

 「原告は雷系魔法を裁判後掛けられるからな。勇者に復讐しろ。罰を執行しなければ、原告にも罰が行くと思え」女神に六つ目魔物の視線がいった。寒気が女神の背中を撫でた。女神を見ていた目が被告側を向いた。

 「被告側弁護士は被告に伝えるがいい。雷に気負つけろとな。はっはっは」笑い声を聞いた黒衣の男が六つ目に反撃した。

 「魔物の判決は到底受け入れられない。人間はあなたたちの規則などに、縛られませんよ。私たちの規則も魔物には適用されてないでしょ」怒りが六つ目魔物の目を充血させた。裁判所にいた六つ目魔物を除く全員に緊張が走った。充血した目から血が流れ始めた。裁判を侮辱された六つ目魔物が言い返す。

 「人間!調子に乗るな。裁判が無意味だと・・・覚えておけ人間。魔王裁判がお前たちにも影響する日が来るぞ」女神は恐れ、祈った。そんな日が来ないことを。恐れを一瞬黒衣の男は感じたが、同時に勇者・協会に報告する使命感が生まれた。

 「気分が悪いわ。閉廷とする」血を流していた六つ目魔物の目の血は止まっていた。 


 「女。近くに来い。雷系魔法をかける」大きな手で六つ目魔物が女神を手招きした。魔物が怖くて女神は近づこうとしなかった。見兼ねた青の子鬼が女神の手を掴み、強引に六つ目魔物の前に差し出した。

 「こい」と女神の頭を六つ目魔物の手が押さえつけた。六つ目魔物の目がすべて閉じた状態になった。魔法の儀式が始まった。

 「かみなり」六つ目魔物が言った後、女神の全身を黄色の光が包まれた。

 「三年・勇者・百五十」女神の頭を六つ目魔物が三度柔らかく叩いた。すると全身の光が女神から消えた。

 「契約完了」魔法の儀式が終わり六つ目魔物は退出した。


 青の子鬼が裁判の後処理を任された。まず原告から処理した。罰の執行に際し、監視者が派遣されることが決まった。詳しい罰の概要は、監視者が説明することも付け加えられた。被告は勇者に説明するよう確認した程度だった。後処理が終わった。すると黒ずくめの男が裁判所にやって来た。ギターを取り出し黒ずくめの男は弾いた。人間たちは眠った。


 魔王裁判四十分後。鼠色のレンガで作られた部屋。大きな黒いソファーに六つ目魔物がいた。ソファーの周りには紙が散らばっていた。横になって六つ目魔物は考えていた。何度も寝返りを打ち。部屋に散らばっていた紙を拾い上げては見ていた。その部屋に青の子鬼が入ってきた。

 「無事裁判は終わりました」直立状態で青の子鬼は六つ目魔物に報告した。聞き終えた六つ目魔物は青の子鬼に問うた。

 「青よ。今回の裁判は良かったか」敬礼したまま青の子鬼は答えた。

 「そうですね。序盤までは良かったと思います。しかし、終盤冷静さを欠いた進行は宜しくなかったのでは」率直な意見に六つ目魔物は考えた。数秒だけ。すぐに前向きな気持ちになり吠えた。

 「よし。序盤まで上手くいったのだ。次はすべて上手くいく。青。魔王様に報告しておけ」はいと青の子鬼は返事した。

 

 続けて戦略について練られた。

 「被告の冒険者協会訴訟担当弁護士だったか?あの黒衣の男」青の子鬼に確認を取る六つ目魔物。

 「はい。名刺にはそう書いていました」六つ目魔者は確認を済ませると話を続けた。

 「黒衣の男が言っていた。魔王裁判の判決を人間は守らない。あの言葉で気付かされた」

 「何を気付かれたのですか」前のめりで青の子鬼が聞いた。

 「勇者を苦しめるのに裁判を開いてきた。だが、人間どもに判決を実行させる拘束力はない。規則が違うからだ。規則が。我らが強制・監視してもその内、破られる」自分なりに分析を述べる六つ目魔物に青の子鬼が頷いた。

 「本当にそうです。拘束力がありません。第一回魔王裁判の判決がいい例です」と青の子鬼は判決後の田舎村村民の反乱、黒い森の近くの町、道具屋親方の恐喝を引き合いに出した。しばし六つ目魔物は思考し話す。

 「・・・そうだった。報告で上がっていたな。このままではいかんぞ。人間に影響を。青よ。次の勇者裁判の結果は、よく考察しとけ。魔王裁判の今後が決まると思え」言葉の重みで青の子鬼頭が自然と垂れていた。

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