2 「海では魚をつるだろう?」
ミナ「暇だー……。まあ、無茶苦茶だけど後から遊びにいこう♪ 読者の皆さんが忘れた頃に☆」
「……なにここのどか過ぎる」
長い白髪を耳の後ろで二つに結んだ少女、海の中でボソリと言った。寒い。
眠ったはずなのにこんなところである。少女__マスターの状態と言えば、浮き輪の真ん中の輪に首だけつき出ていた。はっきり言って可笑しい。
「……はー……面倒だし寒いしもうバトルやりたい。鬱憤晴らしたいわこの野郎」
そう言うと陸に向かって泳ぎ始めた(もちろん浮き輪は無視。不法投棄である)。
同時刻、同じような状態……いや、もっと酷い状態だったのは……。
「……うぶえ……」
こっちも白髪少女。名前はイア。ショートカットの髪の毛の先をいじって、海にプカプカ浮いていた。……いや、浮いてるように見えて泳いでいた。
こちらには浮き輪無し。
実は数分前まで探検隊<セル>のもう一人のメンバー、アールがいた。が、持ち前のテレポーと能力でさっさと離脱。
泳ぎが苦手なイアにとっては拷問である。
と、不意に、
「……キラ兄さん。ここに浮かんでる女の子が」
「……は? ……本当に? そんなわけ、ある……な」
小さな船があった。
キラ兄さん、と呼び掛けた方は黒い長ズボン、青のシャツに群青のパーカーを着ていた。……というところしか見えなかったので、更に顔をあげると焦げ茶の髪の毛、首からさげた小さな袋が目に入る。
続いて、呼ばれた少年をみると__
暫く(おおよそ180秒)スリープモードに入っていたが、とりあえず持っていた釣り竿をおいて、自己紹介した。
「えー……俺はキラ。宜しく……」
「初めまして、僕はディノです」
イアは目をパチパチさせながら(塩水が目に入った)、
「私は……イア」
そう言った。
ふう……疲れた……←こんなので疲れるのか