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推し活OLと天然副社長の溺愛勘違いLOVE  作者: 玲宏 優裕
第2章:至近距離の「供給」と包囲網
19/22

第19話:元職場に「最強の二人」として凱旋、推しの顔をした社長が隣にいます

 私がかつて「地味な事務員」として働いていたオフィス。

 今日は、湊さんが立ち上げた新会社『MINATO & K』と、旧職との業務提携の調印式だ。


(……待って。湊さん、スーツに着替えた瞬間、オーラが昨夜の1000倍増しになってる……!)


 アパートで見せていた「寝起きの甘い顔」はどこへやら。

 今の神宮寺湊は、漆黒のイタリア製スーツを完璧に着こなし、冷徹かつ圧倒的な王者の風格を漂わせている。……供給。……至近距離での「完全武装した推し顔」の供給。

 私たちがロビーに足を踏み入れた瞬間、全社員の動きが止まった。


「……えっ、あの二人……。副社長と瀬戸さん!?」


「嘘、神宮寺を辞めたんじゃなかったの!? なんであんな高級外車で……」


 ざわめく中、真っ先に駆け寄ってきたのは、例の西園寺エリカだった。


「湊様! お父様に勘当されたと聞きましたわ! 今すぐその女を捨てて、私の元へ戻って――」


 神宮寺さんは、エリカの言葉を冷たく一蹴した。

 彼は私の肩を引き寄せ、あえて全社員に聞こえるような通る声で告げた。


「……勘違いするな。俺が神宮寺を捨てたのは、この瀬戸花音(わが妻)に、より相応しい『城』を用意するためだ」


(……わ、わが妻!? まだ婚姻届出してませんよぉぉぉ!!)


 神宮寺さんは私の手をとり、指先に輝く「昨日、彼がサラッと買ってきた数千万円のリング」を、見せつけるようにエリカの目の前にかざした。


「彼女は今日から、新会社『MINATO & K』の筆頭株主であり、俺の終身独占秘書――そして、婚約者だ。……これからは、彼女を呼び捨てにする不敬も許さない」


 エリカは絶句し、膝をついた。周囲からは悲鳴のような驚嘆の声が上がる。

 ……スカッと。……圧倒的なスペックと財力による、正論の暴力。

 神宮寺さんは、呆然としている私の耳元に顔を寄せ、全人類が嫉妬するような甘い声で囁いた。


「……花音。君を侮辱した奴らの顔、よく見ておけ。……これからは、君がこの世界の主役なんだ」


(……主役!? 私はただ、KYLOカイロ様を物陰から眺めるオタクでいたかっただけなのに……っ!!)


 その時、私のスマホに一件の通知が届いた。

 差出人は、なんと飲料メーカーCMで共演したKYLOカイロ(本物)から。


『撮影、お疲れ様。……君の隣の彼、本当に凄いね。今度、僕のワールドツアーのスポンサーになってくれないかな? ……もちろん、君を招待する権利付きで』


 神宮寺さんは私のスマホ画面を覗き込むと、即座に不機嫌な顔で私を抱きしめた。


「……チッ、またあの虚像(KYLOカイロ)か。……いいだろう、スポンサーになってやる。……その代わり、会場の全座席を買い占めて、君と俺の二人きりのライブにしてやるからな」


(……全席買い占め!? 推しを独占するために、ライブを貸し切りにしようとしてる……っ!!)


 神宮寺湊の「天然な傲慢さ」は、ついに「世界平和を脅かすレベルの溺愛」へと進化した。

 私の『推し活OLライフ』は、ついに『推し(似)をパトロンにして、本物の推しを独占する』という、全宇宙のオタクが絶叫する禁断のエンディングへ向かおうとしていた。

本日、3/20から3/22の間は、1日2回の投稿にチャレンジする「3連休スペシャル!」を行います。


<3/20~22の投稿スケジュール>

 朝: 8:10頃 投稿

 夜:19:10頃 投稿


皆様お忙しいとは思いますが、ご愛読のほど よろしくお願いいたします。

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