27:君を追う旅
『神々のファンファーレ【27:君を追う旅】』
クラマドが、神の星を去ったあと。
"創造神"の降臨、天秤の音に関する話題は、瞬く間に広がった。
"ゴットの大予言は、何ら嘘ではない"。
ーーガラハハの家ーー
(ガラハハ)「よし…。あいつらに、この力を渡そう。」
クラマドが消え、数日。
ガラハハは家に引き籠もり、力の創造に集中していた。
助けた人々に対しての贖罪でもあり、ドッキーノ。クラマドに対する後悔でもある。
更にガルツハーツ休校は、早くも解除されたのだ。
学生を一人にしていると、精神状態を目視できないための判断だという。
つまり、創造に注力している時間はあまりない。
ガラハハ自身に、やりたいことが出来たのもあって。
ーーーーー
(ガラハハ)「全員、集まってくれたな。」
外に皆を並べ、前に立つ。
(ガラハハ)「今から、力を渡す。それに伴って、契約を結んでほしい。」
ーバッ!!!ー
彼らはまたしても膝をつき、ガラハハに対して敬意を表した。
(人)「ハッ!!!どのような契約でも、受ける覚悟!!!」
助けた人々。そのリーダー格の前に立ち、頭に手を乗せる。
ーバチバチ!!!ー
電気が唸り、光りとなって、その者へ流れる。
(ガラハハ)「"俺の、眷属になってくれ"。」
ーゴルゴル!!!ー
黄金の光りも合わせ、全員に流した。
(人)「身に流れる、温かい力…。」
酷く疲れたが、まだ言いたいことがある。
(ガラハハ)「急なんだが、力が必要でな…。俺がもしかしたらって時に、お前達に託したい…。」
(人)「"クラマド"ですか…?ガラハハ様のご友人。話題を耳にします。」
静かな場所に住む人々も、クラマドの話題は知っている。
(ガラハハ)「確証がないんだ。あいつに勝てる力も。いざ前にした時、殺すのかどうかも…。」
悩みは尽きない。消してもまた湧いてくる。
(ガラハハ)「俺も強くなる。だからお前達も、俺のため強くなってくれ。」
眷属となった人々は、静かに忠誠を誓った。
(人)「ところでガラハハ様。この力、名は何と言うのですか?」
温かな力。生命に起因するもの。
(ガラハハ)「そうだな…。"蒼く輝く、生命を繋ぐ力"…。"波動"だ。」
(波動の騎士:ソアラント)「ならば我々は、"波動の騎士団"ですね。」
"現在まで繋がる、波動の創生。騎士団の原点である"。
ーー朱ノ鳥ーー
早くも登校再開となり、早くも授業が終わった。
広く感じる教室、久々の授業。
今日のような日を何度か過ごせば、慣れていってしまうのだろうか。
(神人)「ガラハハ!今日暇か?」
同じクラスの神人に話しかけられた。
(ガラハハ)「悪い。卒業してからも、遊びは断るつもりだ。」
ガラハハは周りに対し、冷たくなった。
けれどそれは、相手を突き放したいからではない。
(神人)「背負う気なのか。ガラハハ…。」
ガラハハは教室を出る時、ある机に目を惹かれた。
自分達が卒業するまで、誰も座ることのない机に。
ーー広場ーー
授業が終わり、帰宅する神人達で入り組んでいる。
(ガラハハ)「見つけた…。」
ある人物達を目的に、早く移動し、目を光らせていた。
(ガラハハ)「二人共。今日も行くんなら、俺も混ぜてくれ。」
振り返る、熱と明かり。
(グラン)「構わない。求めるものは、同じだろう。」
力強い手を差し出してきた。握るため、ここに居る。
(ガラハハ)「あぁ。」
互いの決意を確認するように、手を握り締めた。
その決意を包もうとする、手が乗る。
(ルマノ)「一緒に、宇宙を照らす存在になろう。"僕は、みんなの希望になりたい"。」
(グラン)「"星を超える、明かりになる"。」
それぞれの夢を語る。
(ガラハハ)「"全ての闇を払う"。あらゆる闇、その全てを…。」
そこからの日々は、特訓続きだった。
授業で力を知り、特訓で身につける。
暇さえあれば、他の分野も学んだ。
過去と未来を想像し、知性を高め。
精神統一をし、日々目的を確認する。
遊びは断るため、なるべく神人達の助力をした。
寝る前と食事中は、創造を巡らせる。
そんな日々を過ごしていると、あっという間に時間が来た。
卒業だ。
ーー神校:ガルツハーツ(裏丘)ーー
ガルツハーツに温かい日々が、今日もやってきた。
桃色の花びらが、空一面に舞う。
卒業式は、校舎の裏丘。絶対に忘れることのない、過去の化身。
(ルモンドー・オルベル)「ガラハハ。おめでとう。」
ーバチバチ!!!ー
大轟音の声量。無数の喝采。
ルモンドーの前に立つ"四人"に向かって、教師と大勢の神人達が、祝福を贈る。
(ルモンドー)「彼ら四人を、"四大神"とする!!!」
ルモンドーから授けられた、"創星の知識と力"。
ガラハハ達はこの代の、"四大神"へと君臨した。
(ルモンドー)「一人一人、目標を聞こう。」
ルモンドーが右の神人に、拡声器を渡した。
(始炎神:グラン)「私は、星を超える存在になる。"私自身が星となり"、宇宙を照らす。誰一人、省くことはない。」
グランはガラハハ達と共に、特訓の日々を送った。
のちに"自身を星とし、火の星"へと変化する。
それは"太陽"と呼ばれ、"火に惹かれる者達"を生むことになる。
(光王:ルマノ)「僕は、希望になります。前に立ち、上へと歩く光に。絶望に呑まれてしまった時は、僕を探してください。必ず、みんなの前にいるから。」
ルマノも同じく、特訓の日々を送った。
のちに"英雄"として、称えられる存在になる。
(天ノ神:アマノ・ユメ)「私は、"死者の地"を創ります。かつて友達が、目指したものを抱えて。死んでしまった人達が、幸福でいられるように…。」
ユメは確かに、死者の地を創る。
(ユメ)「ガラハハ。良いこと、聞かせてね。」
特別なことを、言う力はない。
だからこそ、言いたいことを。成すべきことを、成すまで。
(善の神:ガラハハ)「"全ての闇を払う"。俺はそれだけを、成していく。」
ガルツハーツの日々は、これで終わる。これからは、それぞれの道に。
またいつか、会う日まで。
ーーーーー
丘を下り、家に向かう。遠く離れても、賑わいの声が聞こえる。
少し、昔を思い出してしまう。
(メイ)「ガラハハ。」
メイは、静かな日々を過ごした。力を使ったことは、あれ以来ない。
(ガラハハ)「行ってくる。もう、今日中には出るつもりだ。」
今でもまだ、クラマドは生きている。星の破壊は、止まっていない。
(海神:アリオネ・クオリ)「クラマドの場所は?管理局へ行くのか?」
アリオネは四大神へは至らなかったが、創造の勉強をしていた。
(ガラハハ)「あぁ。座標を聞く。そうえばアリオネ。創造の勉強してたんだって?興味ないと思ってたぜ。」
(アリオネ)「興味は今でもない。けれど死のような影響が広まり、自然に損害が出ていたら。そう考えるきっかけがあってな。それを思うと、自然に創造を学んでいた。」
(夢の神:ベロニカ)「アリオネ、結構色んな顔見せるんだよね。」
ベロニカは、知識会得に集中する日々を過ごした。
苦労したが、知識は武器になった。
(ガラハハ)「なぁ、お前達。クラマドを見つけて、俺が帰ってきたら、一緒に世界を創らないか?俺が星を創って、お前達の創りたいものを創る。ユメは賛成だった。みんなで一緒に…」
(アリオネ)「ガラハハ。また会いに来い。その時クラマドを隣に座らせて、詳しく話を聞こう。」
アリオネは、語り始めたガラハハが、消えてしまうように感じた。
(ガラハハ)「それもそうだな。じゃあ、また会おう。」
しばしの別れ。近いうちに、きっと会える。
ーー管理局ーー
巨大で頑丈な建物。その中に、管理局は存在する。
(ガラハハ)「ガラハハだ。クラマド討伐を、引き受けたい。」
冷たく立ち尽くす、鋼鉄の扉に話しかける。
ーシュイーン…!!!ー
扉が開き、局員が現れた。
(管理局局員)「こちらです。」
義務的に話す局員の背中を追い、管理局内部へと入る。
ーーーーー
局員に案内され、頑丈に創生された部屋の前についた。
数名の手練れが、扉の付近に待機している。
(管理局局員)「会話は五分が限界です。」
今部屋に入るには、警告を聞かなければならない。
(ガラハハ)「分かってる。そんな長く話す気はない。」
手練れ達が、何重にも並ぶ扉を開けた。
(管理局局員)「"ナナンタラ"様。彼が、クラマド討伐に赴くそうです。」
局員は、横になっているナナンタラへと近付き、話しかける。
(均衡:ナナンタラ)「君か…。っがは…!!!」
ナナンタラ。均衡を司る者は、限界が近い。
(ガラハハ)「お久しぶりです…。クラマドの場所は、どこですか…?」
(ナナンタラ)「彼に、座標を…。」
ナナンタラが、局員へと命令する。
(管理局局員)「ハッ!!!」
部屋にはガラハハとナナンタラ。
(ナナンタラ)「ガラハハ…。私はもう、長くない…。」
無限に生き続ける、神人の命。だがナナンタラは、死にかけている。
(ナナンタラ)「クラマドは今も、滅亡へと進んでいる…。星の悲鳴が、宇宙の嘆きが…。ずっと、止まらない…。」
ースッ…。ー
局員が、複数の銀河座標を渡してきた。
(管理局局員)「候補はいくつかあるのですが、検討がつかなくて...。」
"時の星"。
(ガラハハ)「これにする。あいつなら、ここに来る。」
離れた時間は長いが、一緒に過ごした日々がある。
(管理局局員)「託してもよいでしょうか。"あれから均衡は大きく狂い、ナナンタラ様を蝕んでいます…"。"均衡が消えた時、宇宙は個の力が物を言うでしょう"。もし、あなたがよければ…。"神殺し"へと、加わっていただけないだろうか。ガルツハーツにより計画され、我々の承認で結成された組織だ。皆恐怖を感じ、入るものはいない…。だが、誰かがやらなくては…。あなたに使命を背負う、覚悟があるならば…。」
託されたものは大きい。だが、やることは単純だ。
(ガラハハ)「クラマドのように、また何かが暴れるなら。その時は、"純赤"の隣に立つ。じゃあな、行ってくる。俺は単純だ。ただ奴を、止めるだけ...。」
静かだが確かな足並みで、クラマドへの道を進めていく。
ーーガラハハの家ーー
旅立ちの前。まだ報告をしていない者達がいる。
(ガラハハ)「"ソアラント"。」
今日も特訓を続ける、彼ら。
(波王:ソアラント)「四大神へと、なったようですね。」
来る日も皆で特訓をしているソアラント達は、強力な眷属となった。
特にソアラントは、神人に匹敵する力をもつ。正に、"神化"と言える。
(ガラハハ)「最近はどうだ?」
(ソアラント)「いつものように、特訓の日々です。」
広い草原を使い特訓する、団員達。
(ガラハハ)「そうか。ならいい。心配してたんだが、大丈夫そうだな。」
(ソアラント)「行かれるのですね。」
蒼い力を常に、ソアラントは纏っている。
特訓の日々を続けていると、解除できなくなったのだ。
(ガラハハ)「あぁ。去るってなると、色んな約束をする。」
どこか難しい顔付きで、団員達を見ている。
(ソアラント)「ならば我々は、あなたの帰りを待っています。約束はあればあるだけ、帰るべき布石になるはずですから。」
ーシュウウウ…。ー
少し浮き、ソアラントを見る。これ以上居ると、別れが惜しくなる。
(ガラハハ)「また会おう!!!俺は必ず、帰って来る!!!」
高度を上げ、宇宙へ向かう。
少しだけ振り返った時、手を振る皆の姿が見えた。
あの日から成長を続け、歩みを終えた"あの木"も。
(ガラハハ)「お前も、待っててくれ。ドッキーノ。」
ーー時の星ーー
最古より存在する星に、凶星たる新星の影が、頭上まで近付いている。
(クラマド)「ルッタ。放て。」
ーギュイイイン!!!ドゴゴゴゴゴゴ!!!ー
知れ渡った、悪の進軍。ルッタのゼタ砲は、その到来を意味する。
ーチッチッチッチッチッ。ー
発射したゼタ砲は秒針に包まれ、遅くなっていく。
次第に赤雷は、完全に停止した。
ードン!!!ー
禍々しい暗黒の紋章が、ルッタの背に広がった。
(クラマド)「行け。全ての兵よ。」
ーシュン!!!ー
紋章が消え、あらゆる悪が、星へと降り立った。
(クラマド)「"時の神:ノノルルガ"。私は全てを超えて行く。例えそれが、無限の時だとしても。」
一瞬で星より移動し、目前に現れた者。
古代より生き、時を司る。紛れもない覇者。
(時の神:ノノルルガ)「お前が悪か。私の星にも、来るとはな。」
手に持つ杖を、クラマドへ向ける。
(ノノルルガ)「守るべき存在がいる。死ぬわけにはいかない。来い。」
静かなる宣言の元、時と悪の衝突が起こった。
ーーーーー
脳内では俊敏に動き、ノノルルガを圧倒する。そんな想像をしていた。
けれど現実は、そう上手くいかない。
(クラマド)「っ…!!!」
体が異常に重い。全力で動いても、全く進まない。
(ノノルルガ)「止まらない?抵抗できるのか…。」
クラマドを停止させようとした。けれどクラマドは止まらない。
低速だが、クラマドは抵抗している。
(クラマド)「(ノノルルガは確かに強力だ。けれど動きが遅くなるだけ。殺す手段をもっていない。)」
ーザン…。ザン…。ザン…。ー
体を全力で動かし、一秒でも早く斬撃を放つ。
(ノノルルガ)「無意味だ。私がお前を殺せないように、お前も私を殺せない。」
遅い時の中でも、クラマドの目は鋭い。
原初を殺すという、目的に呑まれている。
ードゴオン!!!ー
星から離れた宇宙でも、その音は聞こえた。
(ノノルルガ)「…!!!地上が…。」
(クラマド)「(私が動けなくとも、軍が星を破壊する。そのために、創造をしていたんだ。)」
動く必要はない。戦いは終わる。
(クラマド)「(さぁ、原初。何を選ぶ?星へと戻るか?それとも、ルッタと赤雷。私の拘束を続けるか?そうすれば、未来はないだろうな。)」
ードオオオオオオ!!!ー
ノノルルガは、一帯の宙域を停止させた。その時の中。
意識をもち動けるのは、たった一人。
(ノノルルガ)「何をすべきだ…?"ゴットとの約束"、その保険はある…。私が生きるか、あの子達を生かすか…。または、その両方…。」
考えが巡り、これといった結論が出ない。
(ノノルルガ)「いや。やはり、"奴ら"のようにはいかないな…。」
"彼ら"のようにはいかない。そんなことは、ノノルルガが一番分かっている。
ならば自分にだけ、やれる方法で。
ースッ…。ー
自身の星へと杖を向け、宣言する。
(ノノルルガ)「生きろ。我が子らよ。生きたまえ。"星を加速させる"。宇宙の最果てまでな。お前達は振り落とす。精々宇宙を彷徨い、主を見つけるといい。」
停止ししていた、時が動き出す。それと引き換えに、時の星は回転を始めた。
(クラマド)「やはり、選択が命取りだ。どんな強命も、重大な選択の判断で、命を落とす…。」
(ノノルルガ)「ならば最後まで、抗うさ…。」
死を覚悟したノノルルガ。
"子供達"との日々を。
"かつての日々"を思い出し、冷たい宇宙での終わりを選んだ。
ーギュイイイイン!!!!!ガガガガガガ!!!!!ー
星は回転の限界に達し、宇宙の最果てまで加速した。
悪の軍だけを振り落として。
ーーーーー
(ガラハハ)「もう少しか…。座標が近い。」
黄金の光を後ろに残し、光速を超える速度で、宇宙を進む。
(ガラハハ)「見えてきた。…?」
指定された、座標に辿り着いたガラハハ。
その前に広がる光景は、目を疑うものだった。
(ガラハハ)「なんだこれ…。デカい星みたいなのがあるな…。いや、星だけじゃない…。色んなものが、止まってる…?」
止まったものに近付き、慎重に進む。クラマドがいるはずだ。
(クラマド)「ック…。ノノルルガ…。黙って死ぬ者ではなかったな。」
ノノルルガは自身の死に際、一帯の宙域を停止させた。
遺体と神器は、宇宙のどこかに漂っているだろう。
(クラマド)「…。」
クラマドは目覚め、周囲の状況を確認した。
異様な気配を、一つ感じる。
ーバァァァ!!!!!ー
黄金たる、眩い光を発する者。
過去を思い出させる者。
(クラマド)「固形ではなくなったのか。ガラハハ。」
相変わらず変わらない、漆黒の目。
クラマドの、以前の目を思い出せない。
どんな風に、光っていたのか。
(ガラハハ)「飯食ってないだろ。なら、たらふく食わせてやるよ!!!」
ーゴルゴル!!!!!ガガガガガガ!!!ー
黄金の光を放ち、黄金の塊を展開する。
それぞれが小惑星ほどの大きさとなって。
何一つ、周りを気にする必要はない。
ースッ…。グオオオオオオ!!!ー
獲物を探す、魔王の剣。
(クラマド)「原初を消し去った以上、お前は相手にならない。ガラハハ。過去の思い出となり、散ってくれ。」
旅を続ける。
帰りを待つ、存在がいる。
互いに負けられない、戦いだ。
ーーーーー
手を動かし、黄金を放つ。小惑星程が、光速を超えて。
ードン!!!ー
圧倒的質量に、クラマドは押される。
その重さは、自分達の関係のように感じた。
一瞬で、けれど濃密だった日々。
(クラマド)「ッグ!!!こんな時に…!!!体が動かしづらい!!!」
時の影響だと思う。体に染みたんだ。
ーザン!!!!!ー
無理矢理に、魔剣を動かす。黄金は斬れ、ガラハハまでをも。
ーカキン!!!ー
いつもと違う、音がなる。
(クラマド)「斬った音ではない…。」
ードゴオン!!!ー
身を抉る攻撃が、腹に入った。
(クラマド)「ッグガァ!!!」
ガラハハの肉体には、薄膜の黄金鎧が巡っている。
その鎧が、絶対たる悪の断絶を弾き返した。
(ガラハハ)「クラマド!!!俺が原初に並ぶなら!!!お前を止められるぞ!!!」
一撃で吹き飛ばされた、ガラハハはもういない。
(クラマド)「私は止まらない!!!生きている限り!!!」
あの日々のクラマドは、もういない。
(ガラハハ)「悪い、アリオネ...。約束は、叶わないみたいだ...。」
隣で歩くことは、叶いそうにない。
ーゴルゴル!!!ー
黄金の剣を、手へと繋げる。心が止まっても、貫けるように。
(ガラハハ)「クラマド。光は、全てを呑み込むぞ。」
それは強力な、絶対的最強の力。
ーバッ!!!ー
クラマドも構え、時を待つ。
速度と決意が物を言う、一撃の戦い。
あまりにも短い、一秒もない一瞬。
時が止まらない限り、二人の時間は足りない。
ーザン!!!!!!!!ー
膨大な黄金波が広がり、悪の波が押し寄せた。
膨大な過去の記憶も、一瞬で流れた。
(クラマド)「ガハッ!!!!!」
(ガラハハ)「ッグ…!!!」
斬撃は互いに命中し、消えない傷を付けた。
(クラマド)「私の、負けか…。しっかりと、互いの道を歩んでいた、証拠だな…。」
宇宙では、簡単にかき消されてしまう声。
けれどガラハハには、ハッキリと聞こえる。
(ガラハハ)「誰のために…。斬撃を、ズラした…。」
いつも通り、目の前にはガラハハ。
周囲には時が止まった、使徒達と兵達がいる。
(クラマド)「ッフ…。」
終わりでいいと、少し思ってしまった。
けれどこの命は、誰かのためではない。
(クラマド)「誰かのためは、存在しない…!」
クラマドは血を吐き出しながら、苦しさを隠そうともせず。
怒りのままに放つ。
(クラマド)「あれらは我が兵だ!!!ッガ…!殺戮のために創った!!!目的のための物体!!!何一つ!我が使命は薄れていない!!!」
クラマドの体が、薄く消えていく。それは終わりではなく、次なる鍵。
(クラマド)「覚えておけ…。血など、飾りに過ぎない…。お前を、呪い続けるぞ…。」
いつの日か。カブナラが与えた、死の加護。
クラマドは呪いの予言を残し、消えた。
(ガラハハ)「ッ…。まずい、意識が…。」
斬撃はズレた。けれどその刃は、ガラハハに当たっている。
直撃ではなかっただけで、意識を奪うには十分な威力だった。
(ガラハハ)「俺も…。」
身に刻まれた跡と共に、ガラハハは意識を失った。
ーピッ。ピッ。ピッ。ー
服に入れていた、座標装置が光っている。
(管理局局員)「無事ですか!?ガラハハさん!!!返答を!!!...ッ!!!付近の局員を向かわせろ!!!今すぐにだ!!!」
彼の帰りを待つ者は、多くいる。
ーーーーー
(管理局局員)「...!発見!!!対象者だ!!!」
要請を聞き、周辺の局員が駆け付けた。
(管理局局員)「待て!!!」
飛んで行った、局員を静止する。
不幸にも、止まっていた悪の兵達が動き出した。
(管理局局員)「去れ!!!悪の兵よ!!!主は死んだ!!!」
クラマドは死んだ。悪は沈没した。
けれどそれらは、悲観しない。
(アルザサ)「しばしの別れだ。我らが王よ。あなたが立ち上がる限り、私達も立ち上がる。悪は王を待ち、沈黙する。偉大なる、魔王の復活を…。」
クラマドは死に、悪の軍はどこかに去った。
(管理局局員)「行ったのか...。」
(管理局局員)「だが、不気味だな...。ひとまず管理局へ向かおう。時間がない。」
ーーガラハハの家ーー
あの後神の星へと連れられ、ガラハハは治療を受けた。
立ち去る前の、約束を果たそう。
(アリオネ)「無事のようだな。」
(ガラハハ)「傷は消えなかったけどな。」
傷は治った。けれど痛みは、消えないまま。
(ガラハハ)「アリオネ。ベロニカ。メイ。ユメ。約束を果たしに、戻ってきた。俺と一緒に、世界を創ろう。」
"善の星、創星の時"。
ーーー《成績表:ガラハハ》ーーー
ーー「評価観点」ーー
【創造性】創造性は、新たな存在や概念を生み出す力そのものではなく、創造に向き合う姿勢と、その結果に対する責任を含めて評価する。
・創造への関心・意欲:5
・創造の独自性・発想力・構築力:4
・創造物への責任意識:5
【神威性】神威性は、権能の強さだけでなく、その力を自覚し、制御できているかを含めて評価する。
・権能への自覚・態度:5
・権能の強さ:5
【精神性】精神性は、内面の成熟度を評価する。
・精神の安定:5
・欲望・感情の制御:4
・他者への尊重:5
【知性】知性は、知識量だけでなく、過去を知り、現在を理解し、未来を思考できるかで評価する。
・知識獲得への意欲:5
・歴史や勉学の理解力:4
・未来の想像力:4
【信頼性】信頼性は、教師だけでなく、学生間による相互評価で評価する。
・他者との協調性:4
・信用の貯蓄度:5
なお、本評価は絶対的な優劣を示すものではなく、時代・世界状況・観測者によって変動する場合がある。それを踏まえ、 評価段階を以下に記載する。
ーー「評価段階」ーー
5:[原初の神]原初の神々と並ぶと判断した場合にのみ記される特別な値。
4:[四大神]狭間の壁は厚く、超えられた者は四大神へと近付く。
3:[狭間]狭間を超えるには、他との差が必要。
2:[眷属級]眷属級を超えられなければ、創造物を生み出すことは困難。
1:[神獣級]神獣と遭遇しないよう注力するか、自身を鍛えよ。
ーー「総評」ーー
あらゆる分野において高水準を示す、極めて稀有な存在である。
創造・神威・精神・知性・信頼。そのいずれもが均衡を保ち、突出している。
特筆すべきは、その責任感である。
力を得ることを目的とし、覚悟を背負い前進する姿勢は、既に四大神の域を超えつつある。
総合点は五。
類い稀なる、黄金よ。清き夢を、叶えてほしい。




