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騎士のソニア  作者: 深緑蒼水


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9 : 嵐の後の静けさ

『騎士のソニア 【9 : 嵐の後の静けさ】』


ーフォォォ…。ー


「…!」

瓦礫をどかす。


「無事か?」

(人)「あぁ…。嵐は去ったのか…?」

「一様な。」

「化身様は…。…!」

(風花)「…。」


混沌に見舞われた王式は、静かな余韻を残して終わりを迎えた…。


ー数日後ー

ーギィィィィ…!!!バタン!!!ー


「…。」

「風花様…。」

「大丈夫ですよ。」


王式の騒動にて、黒鎧の男に心臓を抜かれ、停止されたであろうエンク。

嵐咲城裏の大倉庫内にて、厳重に警備されることになった。


(ヤチェリー)「エンクは…」

「来ていたのですね。」

「気になったから。」

「時が止まっているとのことで、死んではないそうです。心臓がなくなっても、彼からは温度を感じました。」

(エンタ)「行くといい。私が見ている。」


エンクが格納された大倉庫に、エンタはとぐろを巻くように座している。

風花が聞くと、天空山へと戻る気はおきないとのことで。

彼女の意思で、対の帰りを待つのだ。


「ありがとうございます。戻りましょうか。まだまだやるべきことがありますから。」


王式は事件により騒動になったが、風花へと王の座は確かに移った。

座したその日から、大事件の処理をしなければならない。

街の整備、民の嘆き、外界からの声など…。

友人の安否が不安定な中。それら全てに応える力も器も…。

           今の風花には"ない"。


ーーーーー

ーチュン!チュン!ー

「父上。母上。国は元に近い形に戻りましたが…。話があります。」


ーーーーー

ースタッ…。スタッ…。ー


「来たな。」

「お待たせしました。」

「行くでいいんだな?」

「はい。国は元に近しい形に戻り、民の不安も落ち着きましたが…。

そのどれもに、私は関われていない。父と母の力です。私はまだ王ではありません。その力がない。ですので、エンクを取り戻す旅に出ます。」

「決まりだね。」

「…!」

「あいつを止めよう。いよいよ危なくなってきた。」

(嵐咲風花)「改めて、よろしくお願いしますね。(…風葉亭。私の故郷。いつの日か王の器になり、戻ってきます。)」


風葉亭で起きた事件はひとまず幕を閉じた。

目的の動機はそれぞれ異なるが、"強さ"を求めることは同じだ。

"黒鎧の男"を追う。その道に、それぞれが望む強さがあるだろう。


        <“雷の国:移動都市ネオ・ランド・シティ”>


ータイダル・オーシャンー

(タイダル・オーティス)「エンクとエンタが…。"黒鎧の男"。…。」

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