22:降り注ぐ死の凶星
『神々のファンファーレ【22:降り注ぐ死の凶星】』
休校だった前日。早くも今日から、授業を再開するそうだ。
ただガルツハーツの雰囲気は、日常から離れたものだった。
ーー神校:ガルツハーツーー
ーワヤワヤ…。ー
入口に並ぶ、大勢の学生。なぜこのような大列が、出来ているのか。
それは立て続けに起こった事件によるもの。
不審人物の出現。狂った神獣。管理局が、その危険性を認知しての判断。
ルモンドー校長や教師陣達も、管理局と協力し警備をしている。
今のガルツハーツに、死角はない。
(ガラハハ)「検査、長くないか?」
ガラハハ達は、後列に並んでいる。
(クラマド)「仕方のないことだ。全てを疑える状況。だからこそ、まずは学生の疑惑を晴らす。一人一人の信頼を、確定付ける時間だからな。」
権能を使って、検査を手っ取り早く終わらせる。そんなことはしない。
身体を調査し、所持品を見る。そして最後に、心を読む。
そのため検査は長く。授業をやると言っても、一限目からではないだろう。
(ガラハハ)「…。」
ガラハハ達は静かに、列が進むのを待つ。
何かを話せる雰囲気ではないし、話すことが思い浮かばない。
恐怖を感じている者もいるだろうし、恐怖心がなくとも緊張はしているだろう。
実際ガラハハは、緊張しているのだし。
(メイ)「考えてるの?」
メイが話しかけたきた。予見してではなく、表情を見て。
(ガラハハ)「まぁな。常に何かを考えてる。そうじゃないと、落ち着かないんだよ。」
また直ぐに沈黙がやってきた。
いつも通りなら、話したいことが沢山ある。
なのに今日は、話せないでいる。
(ガラハハ)「メイ。やっぱり、先を見る気はないか?」
普段だったら言わない。というか、もう言わないようにしていた。
やはり緊張している。
―ビクッ…!―
メイに権能の話をしたガラハハを、クラマドにユメ。ドッキーノは見るはずだった。けれどクラマド達は、メイを見ている。
ガラハハにそう言われ、メイの体が少し跳ねたのだ。
(メイ)「ないよ。どうするの?運命を見て、誰かが死ぬ姿を見たら。」
メイは平然そうに言った。
"けれど目と指は震え、感情が零れてしまわないよう、表情を抑えながら話した"。
そこから先。ガラハハもクラマド達も、誰一人としてメイに聞くことは出来なかった。
"運命を見たのか?"
ーーーーー
(死:カブナラ)「ガルツハーツ。久しぶりかな。」
少し離れた場所でカブナラは、ガルツハーツを見ている。
死の凶星がゆっくりと、確実に。ガルツハーツへと進んでいた。
今や目前にまで、カブナラは来ている。
(カブナラ)「いやぁー。"闇の力"は便利だね。"グレオール"に感謝しておこう。」
"闇:グレオール"。
カブナラと同じ、"終末の神々:グレート・オールド・ワン"の一人。
カブナラは、借りた闇の力を使い、死の星から一瞬にしてやってきたのだ。
管理局の作戦や立ち回りなど、意味をもたない。
(カブナラ)「さて、始めようか。」
カブナラの隣に、大きな二体の影。一人で来たわけではない。
最初から、戦闘目的でやって来たのだ。
ーーーーー
―ゴーン!ゴーン!―
授業開始の鐘が鳴る。
(人)「どういう状況だ?」
(人)「全員校舎。」
学生と教師は校内へと入っており、外には管理局による警備のみ。
(人)「なら始めるぞ。己が姿を悪魔とし、死を創り出す!」
―グググ!!!―
森に待機していた、カブナラの捨て駒。
彼らは悪魔を出し、警備している管理局を狙う。
(管理局局員)「お前達は…!ぁぐ…。」
悪魔の姿を見た瞬間。局員達の命は終わっていた。
通常の悪魔とは違う、沸き立つ禍々しい光。それは正しく、死の権能。
(カブナラ)「始まったね。行くといいよ。"アルザサ"。」
カブナラが連れている、二体の存在。一体は"死の使徒にして、悪魔の王"。
(悪魔の王:アルザサ)「先手でいいのか?楽しみにしていただろう。」
(カブナラ)「楽しむ気しかないよ。だからこそ、メインは僕が貰う。じゃなきゃ、何のために生きるんだい?神の命は無限大。やりたいことやって生きないと、とても生きている意味はないね。さっ、君らは戦うの好きだろ?早く行かないと、獲物が無くなっちゃうよ。」
既に管理局局員は、何人か倒れている。
(アルザサ)「無くならんよ。人間には無理だ。」
死の力を与えられた悪魔憑き達も、何人か倒れている。
(禁忌:ウルスペラ)「陦後¥縺槭?よヲょソオ縺溘k逾槭r驕ク蛻・縺吶k縲。」
もう一体の影。
それは大きなローブで身を包んでおり、中を覗いても暗い何かがあるだけ。
更に、"何を言ってるか分からない"。
(アルザサ)「"禁忌:ウルスペラ"。これもあなたと同じ、"終末"だと言うのだからな。分からないものだ。」
(カブナラ)「そうかい?僕は妥当だと思うけどね。"この子も何かを、求めてるんだから"。さぁ、行っておいで。」
カブナラの合図を聞き、ウルスペラは真っ先に飛んで行った。
アルザサも続いて行く。
(カブナラ)「校長。あなたの結界も、僕の前では無力だよ。」
―バリン!!!―
カブナラが、ガルツハーツの結界へと触れると、結界は粉々に砕けた。
それは結界の死。外との境界が、切れた瞬間。
ーー黒の獅ーー
長時間の検査を受け、授業が始まった。
いつも通り椅子に座り、先生の話を聞く。
けれど今日は異常なほど、集中出来ない。
水中にいるかのように、人の声が曇って聞こえるのだ。
―キィィィン!!!―
甲高い黒板を擦ったかのような音が、メイの頭で響いた。
その音は、予見の証拠。
―ガタン…!バラバラ…!―
椅子から勢いよく立ち、椅子が倒れる。
その衝撃で机に置いていた物が、落ちていく。
(メイ)「ハァ…!ハァ…!ハァ…!」
メイの中で、思考が巡る。
虹孔雀。クラマドが動かなければ、ユメは死んでいたかもしれない。
ガルツハーツに迫る影。予見すれば、皆を救えるかもしれない。そう思った。だから少しだけ、権能を解放した。やっぱり後悔した。
運命は楽園などではない。知っていたこと。
一瞬見た結果に恐怖し、その深海から逃げた。
逃げた報いだろうか?
人に話さなかった、報いだろう。
ガラハハ達に言わなかった、罰だろう。
そんな思考が、巡り巡る。
このままでは、呑まれてしまう。思考を整理し、やるべき事を考える。
今からでも、言わなくては。
けれど声が出ない。喋らなくては。教えなくては。
(ベロニカ)「…!…!…!」
ベロニカが肩を優しく掴み、何か言っている。
しかし声は聞こえず、意識が遠のいていく。まるで、溺れたかのように。
(ベロニカ)「先生!メイが!!!」
知恵を主として学ぶ、黒の獅。教室は常に理性的で、静音だ。
(神人)「メイちゃんの権能って…。」
一人の神人が、そう言った。
簡単に理解できることほど、恐怖の伝播は早いものだ。
―ガヤガヤ!!!ワヤワヤ!!!―
教室はいとも容易く、騒がしくなった。
それぞれが今やるべき事、これから起こることを、知性を捨て自分勝手に語る。
―ドン!―
教師は杖を、床に叩きつけた。
(知恵者:オルスト)「皆、静粛に。」
教室が静まる。
(ベロニカ)「先生…。」
ベロニカは心配そうに、"オルスト"を見た。
オルストはメイ達に近付き、腰を下ろす。
―スッ…。―
オルストがメイに触れると、不思議な力が発生した。
(オルスト)「メイ。聞こえるか?何を見た?」
"知恵者:オルスト"。"あらゆるものを分析し、自身のものとする"。
そのため、様々な力をもっている。
(メイ)「ハァ…。ハァ…。」
力により落ち着きを取り戻し、メイは呼吸を整える。
(メイ)「先生…。」
今すぐ逃げたい。誰もいない、暗闇に。
けれどガラハハ達といると、思う時がある。
いつか、覚悟が必要だと。それは今、この瞬間だ。
(メイ)「"カブナラ"が来ます…。"ガルツハーツが崩れて、大勢死ぬ…"。」
勇姿を出した。覚悟を見せた。
―シュイン…。―
オルストは丁寧に、結界で教室を包んでいく。
ガルツハーツ全体は、もう間に合わない。
(オルスト)「メイ。後悔は、何度出来ると思う?」
オルストは、残り少ない時間の中。今やるべきことをやろうと決めた。
それはたった一つの、明確な答え。
今目の前にいる、苦悩する学生に寄り添うこと。
(メイ)「分かりません…。後悔は、何度もしてるから…。」
(オルスト)「そうだな。私も、明確な数字を出すことはできない。けれど、メイ。こう置き換えることが出来る。"一回も後悔出来ない可能性が、あるのではと"。」
―ザワザワ…。―
教室は、議論の雰囲気になった。
それぞれが自分の結論を、相手に敬意をもって話す。いつもの空気。
(オルスト)「つまり何度も味わえる後悔というのは、幸福なのだ。それを噛み締めろ。そしていつか来てしまう、絶望を吹き飛ばせ。いいか?
"後悔とは、絶望を吹き飛ばす力だ"。」
―ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!―
そしてガルツハーツは、半棟を残し崩壊した。
ーーーーー
崩壊したガルツハーツ。
大半の神人は何が起きたかも分からず、瓦礫に埋もれた。
(ガラハハ)「ッ…。何が起こった…?」
瓦礫をどかし、這い上がる。起きたとき、ガラハハは驚愕した。
(ガラハハ)「何だよ…。これ…。」
弱い者は、既に死にかけている。
(クラマド)「ガラハハ。そいつらは放っておけ。」
ガラハハは瓦礫をどかし、死にかけている者達を助けようとしていた。
(ガラハハ)「"ドッキーノなら助けられる!"」
(クラマド)「違う。助ける暇が、あるのかという話だ…。」
ーブゴオオオ!!!ザバアアア!!!ファアアアン!!!ー
残った半棟の方から、火と水。光の音が聞こえる。
ーグオオオ!!!ー
彼らと戦っている者の声だ。
(ガラハハ)「何だ今の…。」
(ドッキーノ)「ガラハハ!」
(ユメ)「無事!?」
ユメとドッキーノだ。人の流れはあらず、すぐに駆けつけられた。
大半の神人が、息を潜めているのだろう。
(ドッキーノ)「…!ガラハハ!変わって!私が治す!!!」
ガラハハがすくい上げた者達を、ドッキーノは権能を使い、治療し始めた。
ー逵溘↑繧狗・槭?縺ゥ縺薙□縲ゅ♀蜑埼#縺ァ縺ッ縺ェ縺??ー
理解不能な声が聞こえた。誰かが、何かと戦っている。
(クラマド)「一体ではない…。二体か。」
(???)「いや、違うよ。」
(皆)「…!!!」
足音もなく、誰かが瓦礫の上にいる。
どこか魅惑を感じるような声に、異質な風格。
(クラマド)「ドッキーノ!治療をすぐにやめろ!!!」
クラマドがそう言う前に、もうドッキーノは構えている。
そうしてしまっていた。
(ユメ)「あれ誰…!」
(ガラハハ)「在校生ではないだろ!!!」
一瞬一瞬が、緊張の連続。
ースッ…。ー
その者が、瓦礫から降りた。
その者が少し動くだけで、心臓の鼓動が跳ね上がる。
(死:カブナラ)「初めまして。僕は"カブナラ"。暇つぶしを、しに来たよ。」
ーーーーー
少し時間が戻り、ガルツハーツが崩れたすぐのこと。
(グラン)「こいつは…。」
(アリオネ)「翼が生えているが、竜ではないのか?」
(ルマノ)「人型よりじゃないかな。」
蒼の竜に、白の狼。両クラスも、崩れ落ちていた。
萎縮する他の神人達に変わり、前線に立つグラン達。
教師達の姿が見えない以上、やれる者がやるしかない。
(悪魔の王:アルザサ)「まずは三人か?もっと、大乱闘を期待していたのだが。まぁ、終わってから好きに楽しませてもらうため、どちらでもいい。」
"悪魔の王:アルザサ"。
竜のような巨大な翼が生えており、同程度の巨体をもつ。
どちらかといえば人型だ。
(グラン)「我々で止めるぞ。教授達が見えない以上、我々がやらなくては。」
戦闘態勢へと入るグラン達。アルザサも、それに応えるよう構えた。
ーギュイン!ブゴオオオ!!!ー
アルザサの胸が禍々しく光り、口から黒い熱が溢れている。
(アルザサ)「我々は、力の質が似ているようだな。」
(グラン)「ッフ…。そんな黒ずんだ熱がか?私の夢は星を超えること。貴様が光りを消し去る存在ならば、爆炎たる業火を見せてやる。」
ーーーーー
アルザサと接敵したグラン達。カブナラと接敵するガラハハ達。
場面は計三つ。つまり、もう一つ存在する。
ガルツハーツが半壊した後、メイの視点だ。
(メイ)「っ…。」
メイは恐怖で目を閉じ、両手で自身を包んでいた。
(ベロニカ)「メイ!大丈夫だよ。目、開けて。」
ベロニカはメイの肩に手を置き、呼びかける。メイは恐る恐る、目を開いた。
(オルスト)「ガルツハーツが半壊…。結界は壊れているな…。一体何をされたのか…。いや、まずは学生達の安全だな…。」
瓦礫の上に立ち、状況分析するオルスト。
そしてひとまず安堵している、クラスの皆。誰一人、崩壊で死んでいない。
(メイ)「みんな生きてる…。」
メイも安堵し、気持ちがほどけた。その一瞬だった。
ーギギギギギギ!!!ー
酷くうるさい、電子音がした。
音が止み終わった後、周りを見ると、十人程度のクラスメイトが"破損した"。
"顔や体が、砂嵐のようにボヤケている"。
(オルスト)「皆、離れよ!!!」
瓦礫から瞬時に移動し、先頭に立つ。残った学生との間に、障壁を展開した。
(ベロニカ)「何あれ…。みんな、何をされたの…?」
誰一人として、何が起きたのか分からなかった。
ただ起きたことを、見ているしかない。
(禁忌:ウルスペラ)「縺薙l繧峨b驕輔≧縲よヲょソオ縺溘k逾槭?窶ヲ縲ゅ♀蜑阪′縺昴≧縺具シ。」
教師と自分達を隔てる障壁。その向こうにいる、ローブを羽織う黒い何か。
(メイ)「あれが、みんなをやったんだ…。」
(オルスト)「これは"禁忌"…?見たことのない力…。」
ウルスペラと禁忌の異名は、管理局に登録されている。
ただ情報は極端に少なく、分析を権能としてもつオルストでも、
ウルスペラの力を受けた学生達を、この場で治すことができそうにない。
(ウルスペラ)「荳サ縺ッ縲∵ヲょソオ縺溘k逾槭r豎ゅa縺ヲ縺?k縲ゅ%縺ョ蝣エ縺ォ縲∝渚蠢懊′縺ゅk縲ゅ◎繧後?縺ゥ縺薙↓?溘◎繧後?隱ー縺??」
ウルスペラはオルストの前に立ちながら、何かを発した。
(オルスト)「…は?」
オルストの思考が、一瞬止まった。
(オルスト)「こいつ、何を話している?全く、聞き取れ…。いや…。今ばかりは、探求者としての性を捨てる!!!私は教師だ!貴様が何を言おうとも、原石達に触れた!!!それは私に対しての禁忌だ!!!」
言語理解など不要。学生を傷付けた。それだけで結構。
(ウルスペラ)「縺ェ繧九⊇縺ゥ縲よヲょソオ縺溘k逾槭〒縺ッ縺ェ縺??縺九?。」
(オルスト)「黙れ!!!」
意味の分からない雑音を、聞く気はない。
(オルスト)「授業を受けたことがないのだな!ならば端的に、分かりやすく伝えてやろう!禁忌とは誰にでもある領域であり、貴様は私の禁忌に触れた!いいか!!!零点満点をくれてやる!!!」
ーーーーー
カブナラにアルザサとウルスペラ。全ての役者が揃った。
ーブゴオオオ!!!ザバアアア!!!ファアアアン!!!ー
アルザサを殺害する勢いで、攻撃する。
(ルマノ)「どうかな…?」
(アリオネ)「全部命中したぞ。手応えしかないが…。」
何か違和感がある。立ち込める爆風の後ろに、まだ気配がする。
―ギュイイイン!!!―
禍々しく光る、熱。
(グラン)「下がれ!!!」
グランが二人の前に立ち、火を放った。
―ブゴオオオオオオオ!!!―
黒い熱と爆炎たる火が、混ざりぶつかり合う。
その衝撃は凄まじく、周辺の瓦礫や草花は、燃え溶けている。
(ルマノ)「凄い熱…!!!隠れてるみんなは、大丈夫かな!?」
瓦礫に隠れている者。埋もれてしまった者。
神人にとって寒暖程度ならば、害をなさない。
だが温度が振り切ってしまえば、神人であろうと死に至る。
(アリオネ)「冷ます必要があるな!」
―ザバァァァァ!!!―
アリオネは周囲一帯に、大量の水を放った。
大雨などではなく、海水を取り出してくるような量。
(アリオネ)「ルマノ!!!」
グランとアルザサの、火と熱は消えなかったが、弱まった。
爆風が晴れ、熱が弱まったのなら、一本の通り道ができる。
(アルザサ)「ッグハ…!!!」
アリオネの呼び声より速く。何よりも速く。
ルマノは光となり、アルザサの腹部を貫いた。
そして、"ルマノ!!!"とアリオネが呼んだ時。
すでに、攻撃と帰還の全てを終えていた。
(ルマノ)「間違いなく貫いた。でも…。」
アルザサは腹部を抑えつつ、立っている。
(グラン)「不死身ではないな。だが…。」
アルザサの腹部は、次第に再生した。
よく見ると、最初につけた傷も、何一つとして残っていない。
(アルザサ)「まだ見ぬ力を求めていたが、やはり未発達か。宇宙に蔓延る神々と比べると、何たる弱さ。」
―フォォォォ…!―
アルザサから、薄暗い波紋が広がった。
(アリオネ)「何だ…?何をされた?」
アルザサは立ち、グラン達は警戒したまま、辺りを見回す。
(神人)「ッグアアア!!!」
(神人)「ウワァァァ!!!」
隠れている者。埋もれている者達が、奇声を発し始めた。
(ルマノ)「錯乱してる…?」
三人は冷静に、情報を整えた。あの波紋は、錯乱させるもの。
そして、自分達にはまだかかっていないということ。
(グラン)「何が目的だ。」
(アルザサ)「死因というものを知っているか?何によって、死ぬかという言葉だ。…恐怖。それは神人であろうとも、感じてしまうもの。そして恐怖は、死因になり得る。」
錯乱している神人達。死ぬまで、何分もつだろう。
仮に死なないとしても、再起は可能だろうか?
(アルザサ)「制限時間だ。私を殺してみろ。そうすれば、"感情の支配は途絶える"。私はここで、待っていよう。準備が出来たのなら、反撃する。」
アルザサは、禍々しい光を溜め始めた。何倍もの熱を、放つ気だ。
(グラン)「ッチ…。舐められている…。いいか?私は、最強の熱でなくてはいけない…!でなければ、"星"は超えられない!待つのなら、やる事は決まっている。アリオネ。大量の水を、奴に降らせろ。ルマノ。光全てが、お前のものだ。」
作戦は単純だ。再生力が高いのなら、一撃で仕留めるまで。
(アリオネ)「水を降らせたあとは、私が彼らを…」
(グラン)「いや、必要ない。明かりが誰かを、死に至らしめることはないからな。熱とは希望だ。それに、そんな余裕は無い…。」
―ゴゴゴゴゴ!!!―
ガルツハーツ上空に生成された、巨大な水。ルマノは構え、グランは上空に。
(アリオネ)「いくぞ!!!グラン!!!」
―ザバァァァァ!!!―
上空より降り注ぐ、大水の豪雨。
それは生成と放出を続け、止まることはない。
―ブゴオオオオオオオ!!!―
アルザサの熱が、大水に向かって放たれる。
先程とは、比べ物にならないほど高温。
上空にある源さえも、溶かしてしまいそうだ。
(グラン)「お前達を、信頼している…。アリオネ。ルマノ。私も、力を溜めるぞ!!!」
グランは火を溜め始めた。それは巨大な一本の、とある物として形を成す。
(アルザサ)「(溜めるのか?間に合わんだろ。光も驚異では…)」
アルザサの横目に、不可解な状況が広がっていた。
アルザサが認識している頃には、"それは過去である"。
―シュン!シュン!シュン!―
降り注ぐ大水。その反射から、無数のルマノが光となり向かってきている。
―ザシュ!ザシュ!ザシュ!―
決して高威力では無いが、無数のルマノは、アルザサの肉体に傷をつける。
(アルザサ)「(再生は追いつく…。ッグ…。だが、集中出来んぞ…。)」
攻撃の反動で、照準がブレる。
痛みも多少あり、集中できない。
黒い熱が、弱まってしまう。
(ルマノ)「グランは気付いていたよ!君、痛いは痛いんだろ!!!」
―ドス!!!―
無数のルマノが一つとなり、アルザサの腹部にまた穴を開けた。
(アルザサ)「ッガハ…!!!」
完全に、熱の放出が止まった。
―ザバァァァァ!!!―
大量の水が、降り注ぐ。
(アルザサ)「(全く、動けん…。)」
無理やり押さえつけられているような感覚で、全く動けない。
(アリオネ)「光だけでなく、水も舐めているな。身動き一つ、取れんだろう。これが水だ。変幻自在の、自然の力!!!」
(ルマノ)「グラン!見せてやれ!君の火は、何よりも熱いんだってこと!!!」
空に光る、火の大剣。それは、宇宙からでも観測できる光量。
(グラン)「さらばだ。熱の竜。貴様こそ、未発達。
蔓延る熱を、知らないだろ。」
―ジュアアアアアアア!!!!!―
アリオネの水を貫き、アルザサ目掛け、火の大剣は振り下ろされた。
(アルザサ)「グオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
大水は蒸発し、アルザサの断末魔は、火に呑まれる。
―シュウウウ…。―
火の剣は熱と光を失い、次第に消えていった。
勝利したものの、残るものがある。
(グラン)「…私は一人で、奴を倒さなくてはいけなかった。明かりというのは、そういったもの。まだ、憧れには程遠いな。」
ーーーーー
グラン達とアルザサの戦闘。その同時刻。
少し離れ、ウルスペラと死闘を繰り広げるオルスト。
―ギギギ!!!ギガギガ!!!―
ウルスペラの猛攻。
オルストは全てを交わしていくが、空間や土地の"破損"。
砂嵐化が止まらない。
(オルスト)「触れられては終わりか…!ならばこちらも!」
―ビキュン!ビキュン!―
杖から結晶を、ウルスペラに放つ。その結晶は、衝撃を与えれば活性化する。神人であろうと、"採掘しようとする者を呑み込み、養分とする鉱石生物"。
危険性が高いため昔のオルストが分析し、自身の力とした。
オルストのもつ、力の一種。
(神人)「え…?」
障壁に張り付き、教師の戦闘を見る数名。
結晶がウルスペラに命中した時、驚愕した。
―ギギギ…。―
"ウルスペラに当たった瞬間。結晶は破損し、砂嵐の何かとなり転がった"。
(オルスト)「馬鹿げている…。"攻撃が効かないのか…"。」
原因不明。"ウルスペラには、攻撃が効かない"。
(オルスト)「(なぜ効かない?形ある以上、死ぬ何かがあるはずだ!)」
―ギギギ!!!―
加速する、ウルスペラの攻撃。破損した空間などに、触れて大丈夫なのか。
分からないため、それを避けながら、避けていくしかない。
―スッ…!―
ウルスペラが、一気に距離を詰めてきた。
(神人)「蜈育函...縲。」
倒れている学生が、ウルスペラと同じ言語を発した。
(オルスト)「…!何を、言った…?」
考えが移った。判断が遅れた。ウルスペラの手が、目の前にある。
(ベロニカ)「先生!!!」
―ガコン!ドドドドドド!!!―
ウルスペラが光に包まれ、動きが急激に鈍くなっていった。
―ギュイン!グググ!!!―
締め付けと抑えは、より強くなった。
ウルスペラは地面に這いつくばり、完全に拘束された。
(ルモンドー)「無事か!オルスト教授!!!」
ルモンドーとエリゼ。二人が、ウルスペラを拘束したのだ。
(ウルスペラ)「…!!!」
ウルスペラは、拘束に抵抗している。
(オルスト)「拘束は効くのか?接触でなければ、いいということか?」
未だ条件は分からないが、このまま封じ込めてしまった方が安全だろう。
(エリゼ)「封印します!協力してください!!!」
ルモンドー。エリゼ。オルスト。満場一致の選択。
拘束に段階を創り、封印する。禁忌は危険で、あまりにも未知数だ。
―シュイイイン!!!ゴゴゴゴゴ!!!―
三人の教師陣が横一列に並び、ウルスペラに向かって力を送る。
(ウルスペラ)「隕九▽縺代◆...?∵ヲょソオ縺溘k逾橸シ?シ?シ∝ー∝魂縺輔l繧玖ィウ縺ォ縺ッ...?」
ウルスペラは抵抗しつつ、また意味の分からない言葉を発した。
(ルモンドー)「…!!!」
ルモンドーの放出が緩んだ。
―バッ!!!―
ウルスペラが拘束から抜け、ルモンドーに向かう。
(エリゼ)「校長!!!」
(ルモンドー)「…!?すまない!!!」
―ゴゴゴゴゴ!!!―
手が触れる間近、ウルスペラはまた這いつくばった。
―ガコン!ガコン!ガコン!シュイイイイン…。―
封印を何重にもかけ、光とともに、ウルスペラは封印された。
(オルスト)「校長。なぜ、手を止めたのですか?意味不明の言語に、驚いたとか?」
オルストは、自身も思ったことを話した。
だがルモンドーからの返答は、予想外のものだった。
(ルモンドー)「"不明の言語?君にはそう聞こえるのか?"」
(エリゼ)「…?いえ、私もそう聞こえたのですが…。」
おかしい。ルモンドーだけ、何か違う。
(ルモンドー)「"私には、ハッキリと聞こえたぞ"。」
(オルスト)「…?何と聞こえましたか?彼らを治す、手がかりになるかもしれません。」
封印をしても、破損した箇所や学生は治っていない。依然、砂嵐状態。
(ルモンドー)「"見つけた…。概念たる神。封印される訳には…。"」
それは"ルモンドーにだけ聞こえた"、禁忌の声だった。
ーーーーー
アルザサは燃え尽き、ウルスペラは封印された。残る場面は一つ。
(ジルベスト)「死の力…。強力だな。」
合流したジルべスト。ジルベストが纏った、巨大な木の装い。
それはカブナラに触れられ、一瞬で枯れた。
(ガラハハ)「俺の黄金も無意味だ!一瞬で曇って消える!」
黄金も、頑丈な力木も、死の前では意味をもてない。
(カブナラ)「死は全てを呑み込む。形無き、概念にも死がある限り、この力は最強だ!!!」
カブナラの手から、禍々しい光が発している。
あれに触れられたのなら。
想像は容易い。
―ゴオオオ…。―
カブナラが、光った手を見せてきた。
(カブナラ)「はい。もう、目の前だね。」
瞬きした瞬間。遠くにいたカブナラが、目の前にいる。
(ガラハハ)「ドッキーノ!!!」
ドッキーノは後ろに下がろうとした。間に合うだろうか?
そもそも、どうやって近付いてきた?
―ザン!!!―
鋭い音が、カブナラに聞こえた。
(カブナラ)「血…。」
頬から、血が出ている。片方の手を後ろに向け、元の位置に戻った。
(クラマド)「大丈夫か?」
(ドッキーノ)「あ、ありがとう…。」
ドッキーノが、ボーっとしている。死ぬ間近だったのだ。正常の反応だろう。
(ユメ)「どうやって、移動したんだろう…。」
カブナラはガラハハ達と距離を置き、警戒しながら歩き出した。
(ジルベスト)「クラマド。間違いなく、君を警戒したぞ。この中で唯一、奴を殺す可能性をもつ。君をだ。」
見えない斬撃。それは、カブナラに傷をつけた。
(カブナラ)「それが、君の力かい?」
ガラハハ達は黙る。一言たりとも、対話をする気はない。
(カブナラ)「無視かい?しょうがないな。じゃあ教えて…」
カブナラが、一瞬止まった。
ガラハハ達の後ろから来る、何者かを警戒したのだ。
―ゴオオオ…!―
焦るように、手を見せてきた。狙いは、クラマドだ。
(???)「今よ!!!」
―ドゴオン!!!―
矢。黄金と木が、カブナラを押し返した。
(カブナラ)「ッグ…!せっかく教えてあげようとしたのに!ねぇ!!!
先生!!!」
ガラハハ達の後ろから現れた、二人の教師。クラマドから、狙いが移った。
(クラマド)「おい。狙いが、コロコロと変わってしまうのか?」
―ズザン!!!―
カブナラの腹部に、強力な一撃が入った。
(カブナラ)「ッグ…!!!」
カブナラは反動で吹き飛んだ。
(ジルベスト)「良い指示でした。」
(心人:ポハル)「みんな、無事みたいね。」
ガラハハ達は途中から、"ポハル"の声を聞いていた。
"心に干渉できる彼女はカブナラの心を読み、ガラハハ達の心に干渉していたのだ"。
(カブナラ)「読まれるのは、好きじゃないな…。」
カブナラから、笑みが消えた。
(ドッキーノ)「先生…。加速の理由は、なんですか…?」
微かに震えているドッキーノ。
担任であるポハルに、助けを求めるように話した。
(ポハル)「大丈夫…?下がっていて。」
ポハルはドッキーノを後列に移動させ、移動の仕組みを語る。
(ポハル)「"空間を、殺しているのよ"。そもそも空間に、生きてるも何もないんだけれど。」
(ガラハハ)「つまり…?」
(クラマド)「"空間が意味を失う。距離が消え、位置がなくなる。だからこそ、一瞬ということだ"。」
カブナラは目を鋭くし、ポハルを見た。
(ポハル)「彼、自分で喋りたかったみたいね。」
(カブナラ)「ハハッ!そうだね!自分で喋りたかったよ!!!」
また笑顔になったカブナラ。その下は、燃えているだろう。
(カブナラ)「ねぇ、先生。学生からの人気は、今でも高いのかい?けれどね、僕はあなたが嫌いだよ。」
カブナラが止まった、絶対的理由。ポハルも脅威だが、一番苦手な者がいる。その者は、カブナラの娯楽を邪魔する者。
(支配神:ロリータ)「そうでしょうね。あなたは、身勝手だもの。」
"ロリータ"教授。小さく、人形のように綺麗な容姿をもつ。
(ガラハハ)「"俺、操られないよな…?"」
"支配の条件"。カブナラが嫌悪を向けるほど、強力だ。
(ロリータ)「安心していいわ。"好意"は制御できないでしょうけど、"支配"は制御できる。今あなた達を操る気はないけれど、彼を操ることは、やはり出来ないわね…。」
"支配の発動は、好意。恋愛的なものだけでなく、全ての好意に反応する"。
(ロリータ)「問題は、ここからどうするか。私は役に立てない…。でも、足を引っ張る気はないわ。」
三人の教師陣。権能が無意味でも、下がる気はない。
―スタッ…。スタッ…。―
更に、近付いてくる者。カブナラもいつの日か聞いた、威厳ある足音。
(ルモンドー)「カブナラ。投降したまえ。」
ルモンドーも加わった。
(カブナラ)「(逃げることはできるかな…。いや…。)」
カブナラは、一つの方法を思いついた。
(ポハル)「…!?気をつけて!!!彼、何かを考えたわ!!!」
ガラハハ達は、警戒を強める。だが一つ、疑問に思った。
(ガラハハ)「(…?"何を考えたのかは、分からないのか?")」
(カブナラ)「校長。僕はね、諦めないよ。昔から、それは絶対に変わらない。」
カブナラは、何かを取り出した。それは"光など通さない、完璧たる黒"。
―バオオオオオ!!!!!―
黒は広がりガルツハーツ一帯が、"闇"に呑まれた。
(ガラハハ)「…!?」
ガラハハは力を使った。黄金を出し、明かりにするため。
(ガラハハ)「…?力は出してるはず…。全く見えない…。そもそも、目を開けてるのか…?もしかして、触れられた?俺は、死んだのか…?」
情報が途絶えた。視覚も聴覚も、何一つ機能しない。"ここは、闇の中"。
(カブナラ)「…。」
カブナラは、"無心"で闇の中を走る。
カブナラも、ガラハハ達と同じ状態。
見えない以上、走った方が確実だ。
―ダン!!!―
闇を走ると、誰かとぶつかった。カブナラの思考が、元に戻る。
(カブナラ)「君にしよう…!!!誰か分からないけれど、それでもいい!!!」
カブナラはぶつかった相手に向かって、手を伸ばした。
―スッ…。―
指先が相手に触れた。確実に、目的を果たせる。
(カブナラ)「ハハッ!楽しいな!!!やっぱり、楽しんで生きていかないと!!!」
カブナラの求めるもの。それは生を刺激し、楽しさをくれるもの。
―ダン!!!―
指先の感覚が消えた。
(カブナラ)「…!?ふざけるな!!!」
けれどすぐに、"手は誰かに触れた"。
(カブナラ)「やった!!!ちゃんと満喫できた!!!」
―ズザン!!!―
触れたことに安堵していると、鋭い斬撃が闇を裂いた。
闇は剥がれ、元に戻っていく。視界が鮮明に。聴覚が敏感に。
(カブナラ)「おや…。君だったんだね。」
カブナラが、触れかけた相手。
(クラマド)「殺す!!!」
―ザン!ザン!ズザン!―
緊張や恐怖など消え失せ、怒りに身を任せる。触れられても、どうでもいい。
(カブナラ)「じゃあね!目的は果たせたから!!!」
カブナラは空間を殺し、すでに遠くにいる。
(クラマド)「逃がすか!!!」
―グググ!!!ズザザザザザザザン!!!!!―
ありったけの斬撃を放ったが、半棟残った校舎を削ってしまっただけだった。
(クラマド)「…!!!しまった…!私は、何をやっているんだ…。」
怒りが後ろに引き、喪失がやってきた。
(クラマド)「なぜ庇った…。いや…。救いを求め、走っていたのか…?」
力を失い、地面に倒れた友。
―フォォォォ…。―
冷たい冬の風。害など感じないはずが、やけに痛く身に染みる。
(クラマド)「何か喋ってくれ…。"ドッキーノ"…。」
(ドッキーノ)「 」
ドッキーノは、闇の中を走っていた。
何を思い走っていたのか。
彼女が死んでしまっては、答えは分からない。
ーーーーー
クラマドから逃げ、神の星を離れるカブナラ。
その前に、崩れたガルツハーツを移動する。
(カブナラ)「ウルスペラとアルザサが見当たらない…。」
巨体の二体が、全く見えない。
(カブナラ)「ウルスペラは死なないはず…。封印された?アルザサは頑張って創ったから、死んでほしくないな…。」
ドッキーノを死に至らせたすぐ。
カブナラは、大切な物の死を想像し、悲しんでいる。
―ズッ…。ザッ…。―
草花を掻き分ける、微かな音。
(カブナラ)「…?」
黒く焦げた、謎の固形液体。
一瞬迷ったが、創造主たるもの、すぐに分かった。
(カブナラ)「高い不死性の賜物かな。アルザサ。無事でよかったよ。いや、無事ではないかな?」
微かに残った、アルザサの一部を拾う。
(カブナラ)「帰ろうか。今日は本当に、楽しかったね。」
カブナラは放課後、遊び終えたような感覚で、神の星を後にする。
(ルモンドー)「動くな!!!カブナラ!!!」
背後でいくつもの力を、展開しているルモンドー。
気配も音も出すことなく、立っていたわけだ。
(カブナラ)「ルモンドー校長。あなたは変わらない。ずっと、優しいままだ。」
ルモンドーは紛れもない強者。カブナラが戦っても、相手にならないほどの。ただカブナラは、アルザサを抱えつつ、ルモンドーに近付いて行く。
(カブナラ)「"あなたは生徒を、傷付けられない。殺すなんて、もっと無理だ。そう、あなたが教師である以上、絶対にね"。」
"ルモンドーの、圧倒的弱点"。
カブナラはルモンドーに背を向けながら、歩いて去っていく。
ルモンドーは追うことも出来ず、声をかけることも出来ず。
遊び終えた教え子の背中を、ただ見ているしかなかった。
ーーーーー
上空を飛び、神の星を去るカブナラ。
(カブナラ)「…?あれは?」
上空に向かう、"小さな光"を見た。"本当に小さな、たった一つの粒"。
(カブナラ)「君も上に行くのかい?何かは分からないけれど、一緒に…」
"光は加速し、宇宙へと行ってしまった"。
(カブナラ)「まぁいいか。ただの粒だし。」
ガルツハーツを襲撃した、カブナラの一件。
これは大事件となり、後世でも伝えられる出来事となる。
この日神の星は、"終末の神々"。宇宙に蔓延る、彼らの神威に恐怖した。
ーーー《成績表:アリオネ・クオリ》ーーー
ーー「評価観点」ーー
【創造性】創造性は、新たな存在や概念を生み出す力そのものではなく、創造に向き合う姿勢と、その結果に対する責任を含めて評価する。
・創造への関心・意欲:2
・創造の独自性・発想力・構築力:2
・創造物への責任意識:2
【神威性】神威性は、権能の強さだけでなく、その力を自覚し、制御できているかを含めて評価する。
・権能への自覚・態度:3
・権能の強さ:4
【精神性】精神性は、内面の成熟度を評価する。
・精神の安定:5
・欲望・感情の制御:5
・他者への尊重:3
【知性】知性は、知識量だけでなく、過去を知り、現在を理解し、未来を思考できるかで評価する。
・知識獲得への意欲:5
・歴史や勉学の理解力:5
・未来の想像力:3
【信頼性】信頼性は、教師だけでなく、学生間による相互評価で評価する。
・他者との協調性:3
・信用の貯蓄度:4
なお、本評価は絶対的な優劣を示すものではなく、時代・世界状況・観測者によって変動する場合がある。それを踏まえ、 評価段階を以下に記載する。
ーー「評価段階」ーー
5:[原初の神]原初の神々と並ぶと判断した場合にのみ記される特別な値。
4:[四大神]狭間の壁は厚く、超えられた者は四大神へと近付く。
3:[狭間]狭間を超えるには、他との差が必要。
2:[眷属級]眷属級を超えられなければ、創造物を生み出すことは困難。
1:[神獣級]神獣と遭遇しないよう注力するか、自身を鍛えよ。
ーー「総評」ーー
精神性。神獣観察や、自然研究を活かした知性が極めて高い反面、興味のあるものと、そうでないものとの差が見受けられる。
今後を踏まえると、評価の低い部分を、伸ばすとよい。
例に出すならば、自身で創造することに、多少なりとも注力するとよいだろう。




