21:エデンの虹孔雀
こんばんは、深緑です。
今回はユメになります。
『神々のファンファーレ【21:エデンの虹孔雀】』
次の日。いつもより早く学校に来たガラハハとドッキーノ。
二人は校長室にて、ルモンドーへと昨日起きた事を詳細に話した。
そしてその日、安全確保のため、ガルツハーツは休校となった。
ーー神校:ガルツハーツーー
(ユメ)「え、学校休みなの?」
突然貼られた、張り紙を見ているユメ。既に何人かの神人は、登校している。
(メイ)「そうらしいね。何かあったのかな?」
(クラマド)「おい。あれを見てみろ。」
クラマドはユメ達に知らせ、対象を指した。
(ガラハハ)「よっ。」
ガラハハとドッキーノだ。
ドッキーノはいつも通りだが、ガラハハの登校が異様に早い。
(クラマド)「何があった?」
クラマドは見抜いている。
ドッキーノが一人で歩いていたら、聞かれもしないし、疑われることもないだろう。
(ガラハハ)「知りたいのか?ここだとあれだから、場所変えようぜ。」
ーーエデン花草原ーー
そうして学校から少し離れた場所へと向かい、昨日起きた事を語った。
(ユメ)「へぇ、そんなことが…。」
"大樹のように生る大花"に寄りかかり、五人揃って草原に寝転ぶ。
(クラマド)「同じにはなってしまうが、やはり人間だけで来たとは思えない。二人が見たという力。それを与えた者がいるだろうな。」
学生達に、カブナラの情報は伝えられていない。
その名は優秀な卒業生などではなく、狂人として知られているからだ。
ーギャオオオン!!!ー
静かな草原、穏やかな日中に、凶暴な声が響いた。
(ドッキーノ)「今の何?」
それは花草原の奥地、大花が生い茂る場所の方角から聞こえた。
(メイ)「"神獣"の声だよ。でも無理に刺激しなければ、神獣はそんな凶暴じゃない。」
ーザッ!ザッ!ザッ!ー
急ぎ、強く。草原を踏みしめる音。
(神人)「っうわぁぁぁぁ!!!」
一人の神人が、神獣の声がした方向から逃げてきた。
(ユメ)「あれ、神人!」
(クラマド)「どうやら、無視できるものでもないようだな。起きている何かに、関係があるかもしれん。」
ガラハハ達は、人助けのため。そして好奇心のため、神獣のいる方へと進む。
ーーーーー
(神獣:虹孔雀)「ギャオオオン!!!」
ードン!ドン!ドン!ー
縦横無尽。見境無く、辺りを走り回っている。
草花は踏まれ薄く、大花はぶつかり折れて。
(ガラハハ)「大丈夫か!」
ガラハハ達は、腰が引けている神人の隣で構えた。一人逃げ遅れたのだ。
(ドッキーノ)「立てる?」
(神人)「あぁ…。君達は…?」
(ユメ)「安全なところまで逃げて!」
そう背中を押し、一人逃げ遅れた神人を逃がした。
今の虹孔雀が、狙いを定めることはないだろう。
ードス!ドス!ドス!ー
しかし虹孔雀はガラハハ達を無視し、逃げた神人を追いかけている。
(ガラハハ)「なっ!ユメ!!!」
ーバサァァァ!!!ギュイイイン!!!ー
ユメは巨大な翼を生やし、輝く大弓を生成した。
翼を羽ばたかせ、虹孔雀を追う。
(ユメ)「止まってね!!!」
ービュオン!!!ー
光る矢を、虹孔雀めがけて放った。
(虹孔雀)「ギャオン!」
虹孔雀の脚部に、矢が刺さる。虹孔雀は滑るように倒れた。
(ドッキーノ)「どうだろう?止まったのかな?」
倒れた虹孔雀を見ると、足をバタつかせている。立てないのだろう。
(神人)「た、倒れた…?」
また腰が引けた神人。彼の隣に降り、手を差し伸べる。
見上げるユメの姿は、まるで女神のようだろう。
(ユメ)「はい。大丈夫?」
(神人)「あぁ…。本当にありがとう…。」
虹孔雀は倒れ、人を助けた。これで落ち着いたはずだ。
ービインンン!!!ー
その時。メイの頭に、衝撃が走った。それは、運命を予見した証拠。
(メイ)「ユメ!虹孔雀が来るわ!!!」
メイの呼びかけを聞き、振り向いた。
すると、虹孔雀が確かに向かってきている。
(ユメ)「何あれ…。」
神人を抱え、空に飛ぶ。そうするはずだった。だが、ユメの行動は遅れた。
(虹孔雀)「ギュガガアガグガ!!!!!」
目が異常なほど見開き、歯が歪に尖っている。
そして矢が刺さったまま、高速で這って来ている。
それは観測されたことのない、虹孔雀の行動。
まるで狂った化け物かのように、虹孔雀は行動している。
ーゴルゴル!!!ー
ガラハハは黄金を走らせ、虹孔雀を止めようとする。
(ガラハハ)「ダメだ!間に合わない!!!」
普通の神獣相手だったら、ここまで焦っていない。
ぶつかられたところで、少し痛いだけ。
ただ今の虹孔雀が、どれほどの殺傷能力があるのか。あまりにも未知数だ。
(クラマド)「殺す!それしかない!!!」
(ドッキーノ)「待って!私なら治せるかも!!!」
死の神器を無効化したドッキーノ。
もし虹孔雀が同じ力により変化したのなら、治せるかもしれない。
だがクラマドの反応は速く。
既にガラハハ達から離れ、ユメの前。虹孔雀の前に立っている。
ーズザン!!!!!ー
鋭い音が鳴り、虹孔雀が真っ二つに割れた。
綺麗な花草原は、神獣の赤で染まる。
(クラマド)「大丈夫か?」
(ユメ)「うん。」
クラマドも赤く染まっている。
ユメと神人には少しだけかかっているのを見るに、クラマドが庇ったのだ。
(ガラハハ)「神獣って、倒したら管理局だっけ?」
神獣を倒したりするのは、何ら違法ではない。
ただし生態系管理のため、報告義務が存在する。
(クラマド)「私が行く。やったのは、私だ。」
(ユメ)「でも、結局何だったんだろうね。虹孔雀が、ああなった原因。」
流石に今の虹孔雀から、状態の推測はできない。
(クラマド)「悪いな。起きている何かに、関係があるかもと言ったのは私だ。」
(ドッキーノ)「しょうがないよ。足切っても、近付いてきただろうし。」
結局答えが分からないまま、虹孔雀の一件は幕を閉じた。
二人の神人を見送り、皆で管理局へと向かう。
あの虹孔雀はなぜ、凶暴化していたのだろう。
ーーーーー
ガラハハ達は管理局へと報告をし、局員と共にエデン花草原へと戻ってくる。だがガラハハ達が過ぎ去り、戻って来るまでの間。
大花の上に乗って、虹孔雀を眺める者がいた。
ーゴオオオ…。ー
その者が乗っている花に手を触れると、花は色を失い枯れていく。
ースタッ…。ー
あんなに高く生えていたはずの花が、ポッカリと無くなった。
(死:カブナラ)「無能な管理局には、"宇宙に蔓延る凶星達"を、相手にする力はないね。」
その者は降り立ち、虹孔雀へと近付く。
(カブナラ)「だけど彼らは違う。時に残虐で、でも合理的な判断を下せる。ッフフ…。楽しみだよ。君達と会うのが。是非とも僕を、楽しませてくれ。」
ーーー《成績表:アマノ・ユメ》ーーー
ーー「評価観点」ーー
【創造性】創造性は、新たな存在や概念を生み出す力そのものではなく、創造に向き合う姿勢と、その結果に対する責任を含めて評価する。
・創造への関心・意欲:4
・創造の独自性・発想力・構築力:4
・創造物への責任意識:3
【神威性】神威性は、権能の強さだけでなく、その力を自覚し、制御できているかを含めて評価する。
・権能への自覚・態度:4
・権能の強さ:3
【精神性】精神性は、内面の成熟度を評価する。
・精神の安定:3
・欲望・感情の制御:3
・他者への尊重:5
【知性】知性は、知識量だけでなく、過去を知り、現在を理解し、未来を思考できるかで評価する。
・知識獲得への意欲:4
・歴史や勉学の理解力:3
・未来の想像力:4
【信頼性】信頼性は、教師だけでなく、学生間による相互評価で評価する。
・他者との協調性:4
・信用の貯蓄度:4
なお、本評価は絶対的な優劣を示すものではなく、時代・世界状況・観測者によって変動する場合がある。それを踏まえ、 評価段階を以下に記載する。
ーー「評価段階」ーー
5:[原初の神]原初の神々と並ぶと判断した場合にのみ記される特別な値。
4:[四大神]狭間の壁は厚く、超えられた者は四大神へと近付く。
3:[狭間]狭間を超えるには、他との差が必要。
2:[眷属級]眷属級を超えられなければ、創造物を生み出すことは困難。
1:[神獣級]神獣と遭遇しないよう注力するか、自身を鍛えよ。
ーー「総評」ーー
平均評価より高く、安定した能力をもつ。
他者を救う意志は本物であり、自身の夢は、卓越している人間性からなるものだろう。
しかし重要な場面では、萎縮し、判断の遅れが見受けられる。
誰かを頼ることは無責任なことではなく、優しさであるということを学んでいってほしい。
期待と将来性を込め、総合点は四。四大神候補とする。




