10:大地顕現
『神々のファンファーレ【10:大地顕現】』
朝を迎えた一同。準備を整え、次の扉に立つ。
神々しく象られた残り三つの扉。その一つの前に。
(ソニア)「開けるぞ。」
ーカチャ…。ー
ドアノブに手を乗せる。
(タイダル)「待て。近付いてくる奴がいる。」
コールより早く、タイダルが反応した。
ードスン!ドスン!ー
地に響く足音がする。
(コール)「扉の上…。向こうからか?」
扉の先には空間が広がっている。
扉の上、その向こうには土地が広がっている。
ーフオオオ…。ー
頭上。大きな影が、こちらを見ていた。
ードスン!!!ー
大きな影は広場に降り立った。
(???)「勝手ながら地を走り、来させてもらった。」
(ソニア)「何のために?」
(???)「見物だ。まぁ、見るだけで帰る気はないが。」
ーゴゴゴゴゴ!!!ー
地が動き、広場の形状が書き換わっていった。
扉が遠ざかり、決闘場のような場所に。
(大地の化身:D・D・Dレックス)「"大地の化身"、君達の力量を見せてもらう。ここから先に、進む力があるかどうか。」
ーーーーー
ーゴゴゴ!!!ドオン!ドオン!ー
レックスの咆哮に呼応し、地が盛り上がった。
それは剣のように。
(コール)「危な!」
スレスレの位置に盛り上がってくる。
ードン!ドン!ー
動ける範囲を狭めるように盛り上がる。
(ラペット)「っ!小刻みにはまだ動けない…!」
蒼電を纏う、高速の移動を身に着けた二人。
蒼電の移動を、まだ完全には使えこなせない。
安定した方法で、地の剣を避けていく。
(ソニア)「精密な能力だな。行けるか?ラペット。」
レックスは正確に、地の剣を盛り上がらせる。
(ラペット)「大丈夫…!」
(タイダル)「お前達、頑張って避けろ。」
ーバシャアアア!!!ー
タイダルは水の波紋を、一瞬だけ放った。
盛り上がった地は斬れ、戦闘前の状態に戻った。
(タイダル)「最近活躍してないからな。俺でいいだろう。」
(D・D・Dレックス)「なら…。」
ーゴゴゴ!!!ドゴオン!!!ー
タイダルを埋めるように、地が押し込まれた。
(D・D・Dレックス)「どうだ?」
ーゴゴゴ…。ー
地の中から溢れんとする、水の音が聞こえる。
ーズザン!!!ー
水の斬撃が飛び、地が真っ二つに割れた。
斬撃の残りはレックスに擦り傷をも。
ーザァァァ!!!ー
出てきたタイダルは水を噴出し、浮いていた。
(D・D・Dレックス)「生命は、空に浮く者を神として崇める。ならば…。」
ーガガガ!!!ー
剣のように盛り上げていた地を、大剣として生やした。
ーバキ!!!ー
それを折り、構える。
レックスは名のような見た目なのだが、腕は人のような形状として出来ている。
(D・D・Dレックス)「大地の剣よ。」
ーギュイーン…!!!ー
タイダルは水を溜めている。放てば高速で移動できるだろう。
ードヒュン!!!ー
ソニア達は、その光景を見ていることにした。そうするしかなかった。
化身と王。その戦いを。
ーザン!ザン!ザン!ー
噴出を巧みに使い、空中を自由に動き回る。
レックスの剣は斬っても、自在に生えてくる。
(D・D・Dレックス)「互いに、大技を当てたいところだな。」
(タイダル)「やってみるか?」
ーゴゴゴゴゴ!!!!!ザアアアア!!!!!ー
宇宙まで届くほどの大剣。海の水を全て集めたかのような、水の剣。
(ソニア)「まだまだ上がいるな…。」
(ラペット)「タイダル王は、どうやって水を操ってるのかな?魔法みたいな力?」
(コール)「ソニアは何か知らないのかよ。」
タイダルは昔から、水を操れていた。その原点を聞いたことはない。
(ソニア)「分からないな。そういうものだと、思ってたから。」
(D・D・Dレックス)「さぁ、来い!!!」
ーバシャ!!!!!ー
刀身に、水が集まっていく。
(タイダル)「大岩だろうが水は貫ける。」
ーザオン!!!!!バゴン!!!ー
タイダルの放った水の斬撃は、レックスの剣を砕いた。
ードゴオン!!!!!!!ー
その後大量の水がレックスへとぶつかり、爆発した。
(コール)「ちょ!マジか!!!」
降り注ぐ大量の水。岩石の雨。
ーバシャン!!!ー
いつの間にか、タイダルが目の前にいた。
手を宙へと向けると大量の水は鋭い刃となり、岩石を砕いていった。
(コール)「よくあんな量の水を集めたな。」
(タイダル)「海が近い。下から引き上げた。」
ほぼ地上は見えないのだが。
(ソニア)「化身は?」
濃い霧となり、よく見えない。
ーゴゴゴゴゴ!!!ー
霧の向こう。岩が動いた。
(D・D・Dレックス)「完全には防げなかった。」
ーボタ…。ボタ…。ー
多少の流血。
レックスは卵のように自身を岩で囲っていた。
ただ重ねることは間に合わなかった。
(タイダル)「思ったより軽傷だな。俺も老いたか。」
(D・D・Dレックス)「そうか?それにしては、若く見えるがな。」
ーゴゴゴ…。ー
囲われていた外壁が消えていき、遠ざかっていた扉も戻ってきた。
(コール)「広場は大丈夫のかよ。」
(D・D・Dレックス)「私は器用だ。」
土煙がやけに舞ってしまったが、広場の環境は何も変わっていない。
(D・D・Dレックス)「見物で来たが、大丈夫だ。思ったより成長が早い。君達三人はあれで殺せると思っていた。単純な波動の精度も上がっているのでは?」
センチやミリ単位での回避が出来ていたそう。
(ソニア)「そうか?あまり実感はないんだが。」
(D・D・Dレックス)「微量な上昇には気付きにくいものだ。着実に強くなっている。きっとこの先でも、君達は超えていけるだろう。さぁ、扉の先に行くといい。」
ーグッ!ドン!!!ー
レックスは飛び上がり、去っていく。
(コール)「そうだ!ひとつ聞いてもいいか?」
去ろうとするレックスを呼び止めた。
(コール)「残りは三つでいいのか?あれはチャリオットのだろ?もう一つは?」
レックスはしばらくの間、コールが指した"一つの扉"を見ていた。
(D・D・Dレックス)「そうだな、あれは…。行かなくていい場所だ。"長いこと鎖で巻かれている"。ではな。」
ードスン!ドスン!ー
レックスは去っていった。
(コール)「そうか。じゃあ次行くか。」
ソニア達は扉の前に歩き、互いの姿を確認した。
(ソニア)「タイダル?」
少し離れた位置でタイダルは、"あの扉"を見ていた。
(ソニア)「疲れてるんなら…」
(タイダル)「いやいい。行こう。…。」
レックスとタイダルは少し、考え詰めた表情でいた気がした。
(コール)「(…話さないほうがよかったか?)」
思うことはあったが、残り三つの試練。扉を開け、その先へ。
ーーー「謎の扉」ーーー
長いこと鎖で巻かれている扉。
同じ神子の部屋だと思うのだが、何故閉鎖されているのだろう。




