9:それは「嫌悪」の呪い
こんばんは、深緑です。
あとがきにて、少々設定を多く書きました。
『神々のファンファーレ【9:それは「嫌悪」の呪い】』
第四の試練を乗り換えたソニア達。
広場に戻りそれぞれ休憩に入った。
(コール)「…。」
コールは食べながら広場を回っていた。
(ソニア)「何やってるんだ?」
(コール)「扉の数を数えてるんだ。あと"五個か"…。」
(ラペット)「一つはチャリオットのじゃない?"三つは明らかに見た目が違う"けど、あと一つは…。」
扉は残り五つ。
一つはチャリオットと仮定し、明らかに見た目が違うのが三つ。
では残り一つは?
(コール)「でも、"三つの方は一つ開いてるんだぜ"。あれは行く必要ないんじゃないか?」
その場で結論は出なかった。
考えてもあまり意味がないと思い、眠りについた。
朝を迎えたら、神々しく象られた残り三つの扉。
その一つを開けよう。
ー下大陸(古代)ー
この日見た記憶は、今までとは少し違っていた。
起きたら忘れてしまっているが。
ーザッ!ザッ!ー
薄暗い森を、歩いていく。
(???)「…。」
(???)「…。」
ーあっ…。うぁ…。ー
森は静かだ。
自分達以外の音は、すぐに分かる。
(最上級悪魔:ネザー)「"B・9"」
(B・9)「どうした?"ネザー"。」
(ネザー)「子供でしょうか?声が…。」
森を歩く研究者と、礼儀正しい悪魔。
(B・9)「声の方に行ってみよう。」
ースタッ…。スタッ…。ー
目的地からずれ、声の方に進む。
(B・9)「…!これは…。」
(人)「 」
声の方に進んだ。そこには滅びたであろう村があった。
(ネザー)「皆、武器を持って死んでいますね。」
(B・9)「悪魔か?いや、悪魔の痕跡が見当たらない。」
この時期から下大陸では、正体不明の存在が確認された。
それらは"悪魔"と名乗り、下大陸に死をもたらし始めた。
次第に下大陸は悪魔によって争いが生まれ、この日を迎えている。
だからこそ、悪魔に滅ぼされた村は珍しくない。
ーあっ…!うぁ…!ー
先程より大きい声が聞こえた。声はB・9にも。
(B・9)「急ぐぞ!」
ーダッ!ダッ!ー
声のする方に急いで向かう。
声の正体は近付くと、明らかになっていった。
そのたび歩みは速くなる。
(ネザー)「赤子。二人ですね。」
(B・9)「研究所へ連れて行こう。このままでは死んでしまう。」
二人の赤子を連れ、本来の目的地。
研究所へと向かう。
ーザッ!!!ザッ!!!ー
B・9達が来た村の方。大きい足音が聞こえる。
B・9達は木々の裏から、村の様子を見た。
(悪魔狩り:ハルト)「探せ…。悪魔かもしれん…!!!」
村に来た騎士達。
(B・9)「"悪魔狩り"か。静かに離れよう。私もお前も、処刑対象だからな。」
"悪魔狩り"。突如現れた悪魔達を、狩り尽くす者。
悪魔狩りと下大陸の人々は悪魔の被害により感情が暗く、
憎しみが蓄えられている。
ー研究所ー
森の奥深く。草木で巧妙に隠された研究所。
(子供)「博士。その子は?」
連れてきた子供が気になるようだ。
(B・9)「君達と同じだ。悪い子ではないからね。…ネザー。子供達を頼むぞ。」
連れてきた赤子を連れ、研究所の地下に向かう。
(ネザー)「はい。…さぁ、みんなの元に行こうか。」
子供のため身を丸めながら、手を繋いで歩いていく。
この研究所には子供達が多くいる。B・9とネザー以外は、全員子供だ。
ーーーーー
あれから数時間後。子供達は遊び疲れ、赤子の検査も終わった。
(ネザー)「どうでしたか?」
(B・9)「"健康的だ"。」
(ネザー)「では、"悪魔の細胞"は必要ありませんね。」
(B・9)「ただ居場所は必要だ。」
(ネザー)「そうですね。それとB・9。今日見た悪魔狩りですが…。」
研究所にて実験を続けているB・9。
(B・9)「分かっている。悪魔ではないといえど、村が滅んだ。巡回が行われるだろう。そろそろ、下大陸を出たいものだな。」
ーーーーー
不安が混じりつつ、その日は眠りについた。
ーダン!!!ー
思いっきり、扉を開けられた。
(B・9)「…!誰だ!!!」
(子供)「博士…!あいつらだ!!!」
子供達の中でも最年長の子だ。震え、汗が出ている。
(ネザー)「私が行きます!行ってください!!!」
眠る赤子を見た。
(赤子)「うー。あー。」
(B・9)「君が行け。確定ではないが成功していない子達を救える、細胞をつくっておいた。持っていけ。それでもう、私は必要ない。」
ベットから立ち、外に向かう。
(子達)「あなたは必要だ!!!僕達の"病気を治した"でしょう!!!絶対に治らないって言われてたんだ!僕の親が死んでも、あなたが助けてくれた!苦しまずに過ごせる日々を、みんなと過ごせる場所をくれた…。これからもあなたは…!」
B・9は冷静だった。
(B・9)「私も死にたいわけではない。まだ人々を救えるというならそうしたい。だがね…。」
ードゴン!!!ー
研究所が襲撃された。
(B・9)「それは望まれていないんだ。悪魔は憎むべき敵。滅ぼす敵。君の親を殺したのは、悪魔だよ。」
(子供)「でもネザーは優しい!!!」
(B・9)「そうだね。でも他は違う。私達が躊躇なく殺せてしまうほどなんだ。そんな者でも、善き命の糧にはなれる。」
(ネザー)「B・9。子供達は、既に裏口から逃げています。あとはここだけ。細胞も私ならば、すぐ取りに行けます。」
(B・9)「君に、お願いをしてもいいかな。」
子供は喋らなかった。ただ現実を吞み込むしかなかった。
(B・9)「あの赤子を、連れて行ってくれ。」
ーバッ!!!ー
子供は赤子が入ったカゴを握りしめ、部屋を飛び出した。
ードヒュン!!!ー
瞬きしたあとには、ネザーは消えていた。
(B・9)「さて…。私の罪というのなら、私一人でいい。それに私が一番、時間を稼げる。」
火が広がる研究所。外から声が聞こえる。
ーーーーー
ーブオオオオオオ!!!ー
研究所は火に包まれつつある。
(騎士)「ハルト様…!お助けを!!!」
突入した騎士。火が広まる前に出てきたようだが、異様に怯えている。
ーガシ!!!バキ!!!バキ!!!ー
騎士は足を掴まれ、粉々に食われた。
(歪な悪魔:B・9)「グアアア!!!」
悪魔憑きではない。無理やり何体も体に取り込んだ、強制融合だ。
(ハルト)「"久しぶりですね"。"先生"。今は随分と、変わっていますが。」
剣を構えるハルトが正面。
震える騎士達が多い。
数人、怖気づかない騎士がいる。
(歪な悪魔:B・9)「見逃してハ…。クレないようだナ…。」
意識が飛びそうなのを、何度も堪える。
(歪な悪魔)「ハルト…。怒りに呑まれてはいけない…。導き出したんだ…。"下大陸は何者かに支配された"…。私はそれが彼らの言う、"悪魔の王"ではないかと思う…。」
全てB・9自身が導き出した答えだ。かなり信憑性は高い。
(ハルト)「ッフ…。やはりあなたは変わった。国王があなたを追放した理由も分かる。」
嘘であると無視した。
ハルトの目は変わらない。
鋭く冷たい、狂気に満ちた復讐の目。
(歪な悪魔)「ならばハルト。どうか憎き、"悪魔の言葉を覚えてほしい"…。"悪魔の王を討つのだ"。それが全て。下大陸を覆った、"感情の死"を、討て…。」
ーグオオオオオオ!!!!!ー
深夜。
燃える研究所の前で、悪魔の咆哮が響いた。
幸せを願った、歪な悪魔。
ーーーーー
ーブオオオオオオ!!!バチバチ!!!ー
研究所が火に呑まれた。騎士達を十人ほど殺した。
(歪な悪魔)「ッグウ…。」
破壊力はあったが、再生が上手く機能しない。
歪に合わせてしまったからだろう。
ーザン!!!!!ブオオオ!!!ー
ハルトの一撃をくらった。
悪魔対策として悪魔狩りや騎士は、"火油"を使う。
体が燃えれば継続的に、再生が必須だからだ。
ーバタッ!!!ー
(ハルト)「…。ようやく倒れましたか。」
しばらく立っていたが、悪魔はもう動かなかった。
(ハルト)「私も追うか。結局、私以外は死んでしまった…。」
ーザッ!ザッ!ー
研究所の裏手から影が見えたと言い数名、裏の森へ向かった。
その隊を追う。森へ入る前、独り言をこぼしながら。
(ハルト)「今日もまた、人々が亡くなりました。ここではないですよ。下大陸は火が広がり、灰が多くなりました。自然と住む場所は少なくなって…。」
最期に悪魔を見たが、やはり動かない。
(歪な悪魔)「まだ…。覚えてほしいことがあった…。」
(ハルト)「…!」
背後を向き剣を構えたが、全く動いていない。
(ハルト)「何ですか…。最後の一言くらいなら、聞いてあげますよ…。」
(歪な悪魔)「覚えていたら言う必要はないんだが…。まぁ言うとしようか…。忘れていた場合に…。」
言葉を発すること。もうそれしか出来ていないようだ。
(歪な悪魔)「"この世で最も粗末にしてはいけないもの。それが何か分かるか…?"」
ージュアアアアア!!!ー
悪魔の体は完全に溶けた。
(ハルト)「…。"命"です。あなたにそれを、教わったんですから…。」
ハルトは燃えるだけの火を数秒見たのち、隊の元へ。
子供達が逃げた方へ向かった。
ーーーーー
ーサァァァ…。サァァァ…。ー
海岸。常に取り付けていた船だ。
子供達が全員乗り、移動することが出来る。
(ネザー)「グオオオオオオ!!!」
迫っていた悪魔狩りと騎士を全員殺した。
子供達には見るな。聞くな。嗅ぐな。と言ったが、守ってくれただろうか。
(子供)「ネザー。全員だよ。あとは、博士だけだけど…。」
あの最年長の子。
(ネザー)「そうだね。けれど…。」
ーザッ!ザッ!ー
森から出てきた一人。
残りは一人だけだろうが、一番強いだろう。
(ハルト)「博士をそそのかした悪魔か。」
強くなった、鋭く冷たい狂気に満ちた復讐の目。
(ネザー)「君がそう思うことで、楽になるのなら。」
ハルトとネザーが構え、戦いが起こる。
ーヒュウウウ!!!ゴルゴル!!!ドゴン!!!ー
黄金の光が突然、二人の前で落ちた。
(ハルト)「ッチ!なんだ!!!」
砂煙が消えた時、姿が増えた。
(ハルト)「それは悪魔だ!離れるんだ!!!」
(ネザー)「(彼が?王が言っていた…。ただ者ではないな…。一度行動できるだろうか…。)」
睨み合う二人。その間に…。
(ガラハハ)「やめろ。俺の前では何も出来ないぞ。」
ーザッ!ー
一歩前に出たハルト。
(ガラハハ)「死にたいのか?」
ハルトには渇望がある。
(ハルト)「いいや!あなたは殺せない!!!そんな気なんてないんだろう!噂は知っている。黄金の光。その正体は神であると!」
ーザッ!ザッ!ー
二歩三歩と、歩みを進めた。ガラハハ達の目の前まで。
(ハルト)「奴らを生かしたい。かといい、私を殺す気はない。」
(ガラハハ)「何が言いたい?」
ーザス…。ー
砂に剣が落ちた。
(ハルト)「"私を神にしてくれ"。全てを燃やす、"火ノ神"に…。」
ーーーーー
ーシュウウ!!!ー
黄金の光に乗り、上空を駆けあがる。
(ネザー)「やはりあなたは…。」
(ガラハハ)「まぁ、悪魔なら知ってるか。」
(ネザー)「あれでよかったのですか?」
(ガラハハ)「自分の星だ。そこに生きる生命を殺す気はない。それに知ってるだろ?」
(ネザー)「"アルザサ王"ですか?」
(ガラハハ)「そいつだ。まだ姿が見えないが必ず現れる。でもそいつに回す戦力がない。」
ーフアアアン!!!ー
ガラハハは突然、眠る赤子に手を当て黄金の光をかけた。
(ネザー)「何を?」
(ガラハハ)「払った。宇宙には闇がある。この星も同じように。だから力が必要だ。大きな力。強大な力が。」
ー善の星ー
"善の星"。"ガラハハの星"に潜む影。
(悪魔の王:アルザサ)「"嫌悪"が払われた。いい力だったが仕方ない。結局のところ、下大陸の呪いは止まらないのだから。」
ーーー「「嫌悪」の呪い」ーーー
クラマドが授けた呪い。
嫌悪の呪いを受けた者は、異常な嫌悪感に呑まれるのではというネザーとガラハハの答え。
呪いが赤子にかけかれていたため、悪意もなしにかけてしまったのだろう。
そのためあの村は滅んだようだ。
ーーー「悪魔の王:アルザサ」ーーー
悪魔の王にして、感情を支配できる。
ーーー「神化」ーーー
神は生まれながらにして神である。
だが人やその他種が、神に神化する現象が存在する。
神へと神化するには様々な方法がある。




