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カインドラ  作者: 深緑蒼水
神々のファンファーレ

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8:嫌悪の姉妹

『神々のファンファーレ【8:嫌悪の姉妹】』


気絶したように寝た三人。


(タイダル)「起きたか?何も食わず寝るなんてな。」

(ソニア)「悪い。寝てたな…。」

(ラペット)「ふぁ…。」

(コール)「んぐあああ…!!!」


凝り固まった体を引き伸ばし、朝を迎えた。


(コール)「少し経ったら行こうぜ…。」


準備を整え、三つ目の扉を開けた。


闇森(やみもり)のマゼンー

ーチュンチュン!ビカァァァ…!ー


(ソニア)「次は森か。」


闇森というが、とても自然に満ちていた。


(ラペット)「空気が美味しいねー。」


清く流れる空気を吸い込む。


(コール)「ん?誰かいるぞ。」


ーガサガサ!!!ー

何の音も気配もしなかったがコールが反応したあと、離れていく音がした。


(タイダル)「何かいたな。」


音が離れた方向を見た。


(ラペット)「うわ…。」


木々が重なり合うように生え、草が生い茂っている。

微量な木漏れ日だけが、闇森を進む明かりになる。

ーーーーー

ーザッ!ザッ!ー

森を進んでいくと、強い光が見えた。森を抜けた先。


(ソニア)「廃墟だな。研究所か?」

(ラペット)「誰もいないのかな?」


ドアはへこみ、片方は外れている。入り放題だ。

研究所と思われる内部はガラスと物が散らかり、所々草が生えている。


(タイダル)「入ってみよう。あの音は謎のままだ。結局、森では何もなかったからな。」

ーーーーー

研究所の裏口から出たソニア達。


ーファサァァァ…。ー

心地よい春風が吹く、広大な草原が広がっていた。


(ラペット)「研究所のあれ、"悪魔"だったのかな?」

(ソニア)「にしても随分小さかったな。」


研究所には悪魔のような存在がいた。


(コール)「小さい悪魔もいるのか?」

(アー)「いや、見たことないよ。」


悪魔のアーですら、研究所内部にいた小さい悪魔を知らなかった。


(タイダル)「そもそも神域自体が不思議な場所だ。扉を開けたらそれぞれの空間が広がっている。"創り者"といえば、それまでなのかもしれん。」


確かに神子達がいる扉の先は、自由気ままに空間が広がっている。


(コール)「ていうか、誰もいないのか?」


広い草原を見回すが、自分達以外の影は見えない。


(コール)「後ろか?」


ーガサガサ…!!!ー

研究所の脇にある森から、草を急ぎ掻きわける音が向かってきている。


ースッ…!!!ー

音のする方を向き、全員構える。


ーガサガサ!!!バッ!!!ー

勢いよく飛び出した二人。


(???)「うわ!」

(???)「ちょっと!!!」


速度を上げすぎたのか、一人はその場でこけた。

もう一人はこけた方を、不満げに見ている。


(ラノ)「予想より来るのが早かった…。これ間に合ってる?」

(ラノ)「どう考えても遅いでしょ!"かっこつけて待つ"っていう話は!?」


こちらを無視して、二人だけの世界に入っている。


(ラペット)「顔が似てるね。声もかな?」

(ソニア)「姉妹なのかもな。」


名前までも一緒だ。


(ラノ)「だから言ったのに!!!」

(ラノ)「別にいいでしょ!間に合ったんだから!さぁ構えて!やるよ!!!」


好奇心旺盛のラノが、短気のラノに言った。

二人は背中を合わせ、両手を繋いだ。


(アー)「来るよ!」

(ザス)「俺を出せ!!!」


こちらから話しかけなければ、あまり話さない悪魔二体。

特にザス自らの提案は初めてだ。


(コール)「は!?」


ーグググ!!!バサァァァ!!!ー

コールの主導権を貫通し、二体は戦闘態勢に入った。


(ザス)「ソニア!!!破壊力が高いならお前が倒せ!!!」

(ソニア)「(俺が…?警戒してるのか?)」

(コール)「どうした!俺からしたら、今までで一番弱そうに見えるけどな!!!」

(ザス)「じゃあお前はバカだ!まだまだ探知に向いてないな!」


こちらの準備を待っている。


(ラノ&ラノ)「ねぇ今私達、"最高にかっこつけられてるよね"!!!」


ーグググ!!!バサァァァ!!!ー

ラノ二人は、翼に呑まれていった。

卵のように包まった翼が開く。


ーフオオオ!!!!!ー

突風が吹き、草が舞っていく。


(最上級悪魔:ネザー)「グオオオオオオ!!!」


見るからに強そうな悪魔が顕現した。


(ラペット)「何あれ!?二人は!?」

(タイダル)「同じ悪魔が憑いているんだろう!だから消えて合体した!」


ーググ!バサァァァ!ー

ネザーは地面を這うように構え、手足に力を入れる。翼は広がり…。


(ザス)「目で追える戦いは終わりだ!!!お前を倒して理解する。俺は最上級相手にも戦えるってな。ぶっ倒してやるぜ!!!」

ーーーーー

ードヒュン!!!ー

ネザーは力を解き、吹っ飛んだ。

強風圧で目が開けられなかった。


(ソニア)「ック…!相手は!?」


目を開けた時、激しい音がぶつかり合っている。

相手の姿はハッキリと見えず、残像だけが捉えられる。


(ラペット)「コール達がいない!戦ってるってこと…!?」

(タイダル)「俺でも見えない。俺は予測するしかないな。」


ソニア達は空中でぶつかり合う、歪みを見ている。


ードゴン!!!ー


(ザス)「ッグウ…!!!」


ザス達が吹っ飛ばされた。痛みが強いのだろう。立つのに苦労している。


(コール)「俺の考えを読み解け!憑いてるならやれないか!?言葉じゃ間に合わん!」

(ソニア)「ラペット。俺達も動こう。身体を底上げする…!高速の速さに追いつく!!!」


ーヂュミミミ!!!バチ!バチ!ー

ソニアとラペットは、波動を全身に纏った。

雷のように音を発し、身を走る。

蒼電(そうでん)のように。


(ザス)「なら静かにしてろ!邪念を消して無になれ。」


ーグググ!!!サッ!ー

首を絞められ、アーより強靭な腕を掲げている。


(ラペット)「行こう!コール達の所に!」


コールとの距離は、一瞬ではいけない距離。全力で走っても、十秒はかかる。


(ザス)「思考が読めても、動けないんじゃあよ…。でもまぁ、お前みたいな奴は雑魚を見ないよな…。だから雑魚が強くなっても、気づかないよなぁ!!!」

(ラノ&ラノ)「(何を…。)」


ネザーは手を振り下ろそうとした。


ーバチバチ!!!ー

燃えたような線が草原に一本。こちらに向かって伸びている。


ーヂュミミミ!!!ー

盾を構えているラペット。


(ラペット)「このまま走る!!!」

(ネザー)「…!?」


ネザーが振り下ろそうとしたその手は、咄嗟の防御に変わった。


ードヒュン!!!ー

吹っ飛ばされた勢いで草原を転がる。


(ラノ&ラノ)「(立て直さないと…!)」


ラノ達は立ちなおそうと、全身の力を地面に向けた。


ーバチバチ!!!ー

その時一瞬、並走する蒼い稲妻が見えた。


(ラノ&ラノ)「(並走?なら脅威じゃない!!!)」


ーザン!!!ー

体制を立て直した瞬間、目の前に向かって思いっきり手を伸ばした。

胸を貫く手刀であったはずだ。


ーヂュミミミ!!!ー

腕の下、身を低くしたソニアがいる。


(ラノ&ラノ)「(並走なんかじゃない!"先行していた"…!!!)」


ソニアはネザーが飛ぶ速度より速く。攻撃の勢いが加算された速度より速く。草原を駆けていた。


ーヂュミミミ…。ズザン!!!!!ー

斬撃はネザーの腹部に命中した。


(ネザー)「ッグウ…!」


ードサッ!ー

膝を着き、止まったネザー。


ーファサァァァ…。ー

ネザーを引っ込め、ラノ達が出てきた。


(ソニア)「ハァ…。ハァ…。終わりで、いいのか…?まだまだ戦えただろうに…。」


息を整えつつ、言葉を組み立てた。


(ラノ&ラノ)「いいよ。速さでは、私達なんか余裕で超えてた。息がもっともてば強くなるし、要領もよくなれば、もっと強くなれるよね。」


速さに集中しすぎ、剣に波動をあまり纏わせていなかった。

それに力みすぎて息が切れていた。


(タイダル)「何はともあれ、着実に成長しているな。」

(ラノ&ラノ)「さて…。草原を整えないと。あひゃー。焦げまくってるし、草飛びすぎだね。」


広大な草原は草が舞いすぎ不格好に。更に焦げ道が出来ている。


(ソニア)「どうやって直すんだ?手伝おうか?」

(ラノ&ラノ)「いやいいよ。皆には次があるでしょ。それに、"扉の先は創られた場所"だから。簡単に直せるよ。」


ソニアとラペットの波動は蒼電を発し、高速を身に着けた。

第四の試練突破だ。

ーーー「扉の先」ーーー

扉の先は創られた空間。

彼ら彼女が、好きなように創った子供部屋。

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