3:それは「信仰」の呪い
『神々のファンファーレ【3:それは「信仰」の呪い】』
ーギィィィ…!ー
橋を渡り、再び大扉を開けた。
(ソニア)「これは…。」
(タイダル)「"広場"だな。」
大扉の先には広場があった。
「休んでいいのかな?」
広場には四つのベットに多種類の食料。
「向こうが用意しているようだ。食無しで、試練を超えてはいけないからな。」
食べ物を取り、ベットに座って食べ始める。
食べながら周りを見ると、生活に必要なものは全てあるようだ。
「なんか色々と扉があるな。」
コールが指をぐるりと指した。
(ソニア)「今いけそうなのは、一つだけだな。」
他の扉は黄金の鎖で厳重に施錠されていた。
(ソニア)「明日になったら行こうか。確実に、試練を越えていこう。」
ソニア達は次の日に向け準備をし、眠りについた。
その日の夜、夢を見た。
正確に言うと、毎日夢は見ているという。
ただ記憶として残らないことが多いのだ。
その日見た夢も、起きた時には忘れていた。
夢というより、"ある者の記憶だった"。
ー神域:ファンファーレ(古代)ー
ードックン!ドックン!ドックン!ー
暗い世界。鼓動だけが聞こえていた。
(神域:ファンファーレ)「どこへ行くのですか?」
かつては思考し、会話が出来た"ファンファーレ"。
(???)「夢を見た。ただ心臓の音だけが聞こえた、なんてことない夢だ。でも、そんな夢が気になってな。適当に飛んでくる。」
「そうですか。我らが創造神、"ガラハハ"よ。」
ーサァァァ…。ー
ファンファーレの縁に立ち、地上を見下ろす。
(善の神:ガラハハ)「あの脈動…。」
ーバッ…。ー
飛び降り、風を感じる。
ーゴルゴル!!!ー
黄金の光を纏い、目にも見えない速さで空を駆ける。
ーーーーー
ースタッ…。ー
ある街に降り立ち、意味もなく歩き回る。
ービイイイ!!!ー
その時ガラハハは、頭痛に見舞われた。
頭を押さえ、路地裏に急ぐ。
「ッグ…!!!なにか、聞こえる…!」
(●●●)「マド…。"クラマド"…。」
ーバッ!!!ー
言葉の意味を理解したとき、飛び起きたように体が動いた。
「クラマド…。」
ガラハハは疲弊した歩みで街中に戻った。
そしてその時、異変に気付く。
「この街…。」
ースタッ…。スタッ…。ー
歩みを進めていく。
段々と歩みは速くなり、焦りが混ざる。
「人はいないのか?あまりにも…」
この街で一番デカい建物だろう。
ただの教会なのだが、何故か不気味に感じた。
街が不気味になると、健全な建物もそう見えるのだろうか。
ーどうして…。ー
教会の中から擦れた声が聞こえる。
「っう…。なんだこの匂い…。開けてもないのに酷い匂いだ。」
ーギィィィ…。ー
慎重に、少し古臭い扉を開ける。
「…!!!」
ガラハハは驚愕した。
例え神だとしても、異質な光景。
「ああ!!!クラマド様!!!どうか我が子にあなたの力を!!!あなたの加護を!!!」
薄暗い教会。
夕日の光だけが薄っすらと、教会を照らす。
祭壇に膝をつき、歓喜の目で願っている女性。
「その名前を、知っているはずがない…。俺らしか、知らないはずなんだ…。」
教会に入っていく。
余計なところは見ず、血で滴った道を踏んで。
(子供)「ハァ…!ハァ…!」
祭壇の上に拘束された子供がいる。
体は血で染まり目は揺れ、体は震える。
ーフアアアン!!!ー
女性の後頭部に手を当て、黄金の光を放った。
「少し眠っていろ。…無事か?」
ガラハハは子供の元に近付き、抱き上げようと触れた。
ーバシッ!!!ー
子供はガラハハの手を払った。
「(…?子供の力って、こんなに強いか?)」
子供の震えは更に強まり、目の焦点が次々と移り変わる。
「わ、わたしが、やったんです…。」
「なんだって?」
ガラハハは教会を見回した。
今はしっかりと。教会には無残に転がる人々。
「逃げた人達がいる…。こんなことしたら、殺される…。お母さんも私も…。」
ガラハハはその子にまた近付き、無理やり抱えた。
子供は発狂しガラハハの体を強く叩き暴れている。
「疲れるまで暴れてるんだな。お前の母親も連れてくぞ。」
ーバヒュン!!!ー
教会の屋根を突き破り、ファンファーレへと戻る。
ーーーーー
「その者達は?血塗れ…。何を連れ帰ったのです?」
「話をしたいから連れてきた。あとで洗ってあげないとな。いや、自分でやれるのか。」
暴れ疲れ静かになった子供と、まだ眠らせている母親。
「冷静になったか?何があった?」
子供の震えはまだ続いているが、ある程度落ち着いていた。
「分からない…。気付いたらみんなを…。力なんて、全然強くないのに…。」
子供の暴走で、街の悲劇が起きたようだ。
ただ力が強くなっているというのが気になる。それともう一つ。
「母親もおかしくなってなかったか?どっちかっていうとお前の方が冷静だから、まだ眠らせてるんだが…。」
「お母さんが私に触れたの…。そうしたら…」
「そうか。」
話を切り上げ、最後の話を聞く。
「"クラマドって、知ってるか?"」
「誰なの、その人…?」
ガラハハはしばらくの間考え込んだ。
「母親を起こす。ファンファーレ。案内してやってくれ。」
ーガガガ!!!ー
大扉が開き出した。
「そうだ。帰りたいなら送るが、帰らないっていうなら名前教えてくれよ。付き合い長くなりそうだしな。」
「私は"チャリオット"…。」
「ここ、でっかく創りすぎたんだよな。"あいつら"地上で住むとか言い出すし。"神の星"では一緒に住んでたんだぜ?…とまぁ、気楽に住んでくれよ。」
かつての時代。
ガラハハとチャリオットの身に起きた、不可思議な話であった。
ガラハハにとっては、序章に過ぎないのだが…。
ーーーーー
その日の夜、ガラハハは空を見上げた。
「あの日、"俺はお前を殺した"。でも"チャリオットに力を与えたのは、クラマド自身"。あいつが纏う憎しみと、同じだった。」
近い空に手を伸ばす。
まばゆい星の輝きが指の間から。手を透けて顔に当たる。
「クラマド。お前がまだ生きているなら、俺はお前を見つける。」
ーーー「「信仰」の呪い」ーーー
クラマドが授けたとされる呪い。
信仰の呪いを受けた者は虐殺を繰り返し、クラマドの名を広めるのではという、
ガラハハの仮説。




