2:悪魔の腕
こんばんは、深緑です。
後書きにて、悪魔の設定を書いておきました。
『悪魔の呼び声【2:悪魔の腕】』
コールは館の前で意識を失った。
ー暗黒の館ー
目だけが薄く開けた。
話し声が微かに聞こえる。
(B・Q)「あの者に適性はなかった。だがこいつならば…。」
ーカラン…。ー
何かを置いた音がする。
何かは分からない。
「"左腕"の移植を終える。」
ーギギギ…。ー
扉が開いた音だ。
誰かが入ってきた。
(ダーマン)「"博士"。」
「どうした?」
「研究結果です。移植した数名、"悪魔"に乗っ取られ死にました。」
「そうか。いつも通り、部位を取っておけ。」
「了解です。ですが報告は、もう一つありまして。"上級悪魔"を移植した者に、"宿り"ました。」
ーダン…!!!ー
博士と呼ばれる男はすぐさま、この部屋を飛び出した。
「状態は!?」
「何とか抵抗している状態です。」
「急ぐぞ!殺される前に…!!!」
部屋には自分しかいなくなった。
動くなら今のうちだったが、体を動かしても動かない。
「固定、されてるのか…。くそ…。また意識が…。」
コールの意識は、再び消えかけた。
ーバキバキ!!!バキ!!!ー
強引に、何かをねじ切った。
自分の左腕が。
「…!!!」
コールは飛び起きた。
ここまでに起こった、異変めいた現実を整理する。
「ここは、あの館の中か?なんだこの鉄板みたいなの…。」
コールは鉄板の上に乗っている。と思っていた。
「いや、違う…。」
すぐ隣に台があった。
そこには色んな器具と、自分の義手が乗っている。
「安全な場所じゃない!」
ーバッ…!!!ー
台から降り、かかっていた剣と自分の服を左腕で取った。
「俺、今…。」
服から徐々に、左腕へと目線を下げていく。
「なんだこれ…!!!」
漆黒の腕。
細くも筋肉質で密度が高く、力を込められる。
魔物のような、鋭利で強靭な爪。
「人間の腕じゃない…。なんだこれ…。」
(???)「ねぇ。」
困惑する自分を、呼ぶ声が聞こえる。
「誰もいないよな…。」
「そりゃそうでしょ。だって、"ここ"だよ。」
聞こえる声に、誘導された感覚がした。
その感覚は左腕を指している。
(中級悪魔:アー)「私は"アー"。君に宿った"悪魔"だよ。話したいことが多いけど、ひとまずここから出ましょう。この館の人間、おかしいわ。」
ーーーーー
悪魔:アーと名乗る不思議な左腕と共に、ひとまず手術室から出た。
空き部屋に身を隠し、館から出るため話をする。
「お前、アーだっけ?悪魔ってなんだ?」
「…"悪魔は、クズの集団"だよ。だからこそ、"悪魔憑き"は珍しいね。」
「気に入られないと殺されるってか?」
「そうだよ。実際私も、気に入らないのは殺したから。コールは他人の力を、我が物顔で使うタイプじゃないでしょ?やっぱ力の貸し借りがあるんだから、対等じゃなきゃね。」
「まぁ善人じゃなきゃいいけどよ…。じゃあ、窓突き破って出るか。」
「いや、無駄だよ。まだ全身があった時にやったけど、無理だった。壊れもしないし、開きもしない。"館自身に何かある"かもね。だからここに隠れて話してるんだよ。」
「なら玄関か。そういえば、左腕だけで大丈夫なのか?」
「まぁ無くてもいいよ。ていうか、もういらないかな。利用された体に戻りたいとは思わないし。」
「玄関を目指すわけだが…。危険な奴らを見逃すわけにはいかないよな。あいつらの目的とか分かるか?」
「悪魔の"高い再生力"が欲しいらしいけど。その奥は見えないかな。」
「そうか。まぁこれ以上考えても意味ない。よし、行くか。」
ーダン!!!ー
コールは扉を蹴飛ばし、堂々と廊下の中央を歩き始めた。
「堂々と歩く!!!来るなら来い!玄関から出るときは、全員縄にかけてからだ!」
ーーーーー
「ダーマン。音の原因を見に行け。私は"娘"を治さなくては…。」
「相手が人間だった場合の生死は?」
「私の邪魔にならなければ、お前に任せる。」
ーギギギ…!!!ー
大剣に棘を刺しまくった、歪な剣を擦る。
「了解しました。"殺します"。」
ーーー「悪魔」ーーー
死をもたらすために生まれた存在。
悪魔には階級が存在し、"悪魔の王:アルザサ"を頂点とした階級である。
【悪魔の王:アルザサ】
【最上級悪魔】
【上級悪魔】
【中級悪魔】
【下級悪魔】
上位に行くほど強力であり、倫理観など通用しなくなる。




