表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カインドラ  作者: 深緑蒼水
狩人のディポラティア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/82

14:偉大なる狩り

『狩人のディポラティア 【14:偉大なる狩り】』


サン達はディポラティアから、夢で見た"竜大戦"の話を聞いた。


「かつてあった、血炎の物語だ。…バハムートと叔父の血に、流れる記憶だったんだろう。」

(サン)「記憶が流れるほどになった。つまり…。」

「バハムートの声は聞こえない。確証はないが、扱えるはずだ。…ミラーデインを交えて話そう。王殺し、獣を討つ戦いを。」


ミラーデインの到着を待った。

その間ディポラティアは、夢の中で見たもう一つの事を考えていた。

それは、誰にも言わずにいるか迷うものだった。


ー夢の中ー

真っ暗な闇の中、ディポラティアの意識は目覚めた。


「どこだ…?」

目を開いているのかも分からない。

そんな時…。


ーピカァ…!!!ー

微かな光が闇の中に光った。


(???)「ディポラティア…。」

「…。」


ディポラティアは、竜大戦の夢を見た後だった。

姿無きその光の声に、聞き覚えがある。


「ハラド。」

(竜殺しの英雄:ハラド)「そうだ。…孫に初めて会い、こんな事を言いたくはないが、すまない…。私が本来やるべき事を、君達に押し付けてしまった。」


かつてバハムートを狩った英雄。

そんな彼に獣の力はなく。

怪我を負い、バハムートを扱えなかった。

ましては、呪いや使命を与えることになってしまった。


「構わない。あなたの血は、"とても綺麗な人"を生んだ。」

「…ディポラティア。私には獣の力がない。バハムートは死しても抵抗を続け、制御する余地などなかった。だが君は、自身の結論で奴の呪いを打ち砕いた。」


少し息を吞み、ハラドは語りだす。

光がおぼろげに形をなし…。


「今から君に、思いを託す。個人などではなく、全ての願いを。呪いが消えた今、私も消える。ただ掴まっていただけの、微かな意思でしかないからな。栄光を滅ぼした者は、今もあの地にいる。私利私欲のため自然を傷付け、生命を狩りつくした者。」


形を保ってなくなった光は粒になり散っていく。

微かな声で、膨大な願いを残して。


(生命の願い)「"無念を晴らしてほしい。狩人よ、悪しき獣を討ってほしいのだ"。」


そうして夢は終わり、現実へと帰還した。

ーーーーー

「(思いは受け取った…。)」

呪いが流れていた狩人。

今や呪いは消え、生命の願いが流れている。


ーシュイーン!!!ー

扉の前に立った、ミラーデインが現れた。


「無事であるようだな。…グリセスは回収した。狩人狩りだが、警備を倒され、スレインを逃がされてしまった。申し訳ない。」

「大丈夫だ。俺も怪我をしたが、奴らは重症だ。今…。」


ディポラティアは無理をして、ベットから身を起こす。


ーダン!ー

下を向いているミラーデインの肩に、拳をぶつける。


「共に獣を討つぞ。偉大なる王殺しだ。」


ミラーデインの白い目が、輝きを取り戻した。


「ありがとう…。恐怖だったのだ。もし失敗した時のこと。」


右大陸管理組織:ミランシェ。

絶対的であるべきの組織は、いつしかムデナに踏みにじられ、

偽りの地位になってしまった。


「ミランシェにかつての絶対権力はない。ムデナが連れて行った人々も、未だに取り戻せないでいる。」

「偽りの王。彼の力が強大である限り…。」

(ハザキ)「"奴隷制度"…。今もある場所にはあるのか…。」

「君には…。いや、やめておこう。過去など、容易く踏み越えるものではない。今は…。」

「早朝。あの地へと行く。」


ディポラティアは言った。

皆が、無理をしないでと言おうとした。

だが、体の血が熱く滾る。


「承知した。方舟に狩人を乗せて、我々も向う。」

「俺がバハムートになった時、攻めてこい。人々の救出は任せる。」

「最強の狩人である君の判断に従う。」

「そうだ…。武器はできるだろうか?」

「ッフ…。任せたまえ。必ず届ける。」


作戦は整った。

目的を見失うことはない。


ーバッ…!!!ー

全員の手を重ね、狩りに出発しよう。


ー次の日ー

(ミア)「生きて帰って来てね…。」

「当たり前だ。だがいいのか?」

「うん。私は応援することしかできないから…。それに今度こそ、私を構いながら戦う暇なんてないでしょ…?」


ミアは気付いていた。

自分が足手まといになっていること。

だがどんどん進んでいく旅であるから、中々言うことが出来なかった。


(ミラーデイン)「何か探そうか?君にできること。」

「迷惑でなければ…」


ーブボボ!!!ー


(組員)「方舟の準備出来ました!」

「では、俺達は行く。また会おう。」


ーバン!ー

ミラーデインとディポラティアは、強い握手をした。

空に浮く小型方舟に乗り、下へ降りる。

体力は温存するべきだろう。


ーブオオオオオオ!!!ー

方舟は、火を吹き出発した。


ー大戦の跡地:ドラゴンズフェスー

かつての大国は、巨大なクレーターと化したあと復興作業が行われた。

だがその作業は、突如襲来したムデナへと支配された。

今やムデナが君臨する、ただ一人のための国。


ージュアアア!!!ー

バハムートの影響により周辺は、火山地帯と化している。

中央にフェス、それを囲う火山地帯と生息する竜達。

この環境こそ、ムデナ討伐の難易度を高めていると言えるだろう。

ただそれは、入国していない者が言ったこと。

本当の恐ろしさこそ内部にある。


ーグサッ!!!ー

ディポラティアは、数体の竜を容易く狩る。

「…。準備運動だ。」

(ルナ)「見て。出口じゃない?」


強烈な暑さが体力を奪っていく。

枯れてしまう前に移動しなくては。


ーフオオオオ!!!ー

涼しい風が吹いている。

心地いいものだと思ったが、それは気味悪く感じる風であった。


ーカチャ…!カチャ…!ー

鉄の音が至る所から聞こえる。


「何の音でしょう…。」

「あれを見てくれ…。」


サンが指した場所。

そこには、ボロボロで焼き焦げた衣類を着て、手足に鉄をつけた人々がいる。


「奴の城をつくっているわけか。」

(ルナ)「何のためにあそこまで…。」

(ブラックソード)「ムデナは城を作ることより、他者を操る方がいいのだろう。…ミアは来なくて正解だった。"故郷"と同等。もしくはそれ以上か…。」


辺りには人々の死体が転がっている。

見た目の説明をしたくないほどの状態で。


(ハザキ)「人の死体を燃やしているのか…。ッ…!その匂いかこれは…。」

「進もう。こんな光景、続けて見られはしない。今に城ごと破壊する。」


ースタッ…!スタッ…!ー

ディポラティアの歩みはいつもより早く、力強いものであった。

人々とすれ違うが誰一人言葉を発さず、ディポラティア達を見もしない。


(皆)「…。」

城の入り口。

巨大な石扉の前に立つ。


(サン)「どう行く?普通に開けるか?」

「私が吹き飛ばしましょうか?」

「いや。それでは生温い。来客が来たと、主人に知らせなくては。」


ディポラティアは一度後ろを振り向く。

そこには先ほど見た人々が。


ーグググ!!!ー

トランズにへと変化し、扉を破壊する。


ードン!!!!!グオオオオオオオオ!!!ー

そして咆哮を轟かせる。

その声は人々に恐怖を与え、感情を引き出した。

もう一度振り向き人々を見る。

錯乱する者。泣き崩れる者。動かない者。懇願する者。作業を続ける者。


ーシュウウウ…。ー

人の姿へと戻り、言葉を話す。

"言葉は人に思いを届ける、人がもつもの"。


ーザン…!!!ー

幾千の獣を狩った槍を掲げる。


(狩人:ディポラティア)「聞け!!!名を、狩人:ディポラティア!!!!!悪しき獣を狩りに来た!!!…見ていろ。王殺し、偉大なる狩りを。」


ーバッ…!!!ー

石扉が崩れた先。レッドカーペットの上を走っていく。


「ッ…!!!お前には似合わんカーペットだ…!待っていろ!!!」

(ディポラティア&サン)「ムデナ・パンドラ!!!」


ー王の玉座ー

(ムデナ・パンドラ)「…。」

金色、七色の宝石で彩られた王室。

そこにムデナはいる。


ースッ…。ー

天井にかかっている、ジャンデリアに人差し指を向ける。


ーバキン!!!ー

シャンデリアは床に落ち、粉々に割れた。


ーキラキラ!!!ー

ムデナの手は"黄金に輝き、力強く変化した"ように見える。


「宝石の狙いは正確だ。確実に、お前の心臓を狙い撃てるぞ。ディポラティア…!」


ーファサアアア…。ー

玉座の後ろ。少し透けて見えるカーテンから、影が見える…。

(???)「グオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ