4 : 時の杖
『騎士のソニア 【4 : 時の杖】』
ーギギギ…。ー
中々寝付けない。外に出ると、ヤチェリーがいた。
(ソニア)「時間はずっと、朝のままか?」
(ヤチェリー)「そうだよ、変な感じ。今はもう慣れたけど。いるのは国の中央、砂の城だよ。ディアノスは動かないから、必ずいる。」
ー砂の城ー
高台から見えた砂の城が、より高く不気味に感じる。
ーギギギ!!!ー
城の門は開いた。止まっているもの全て動かないという、法則はないようだ。
ディアノスがいる場所を探したが、人と会うことはなく。
いかにもという扉を残し、城を回りきった。
(ソニア)「ここだな。」
ーグッ!!!ギギギ!!!ー
デカい砂の扉は、少し動きが鈍く。
開けると、赤いカーペットが続く道へと繋いた。
(皆)「…。」
カーペットが続く道の上、玉座に座す、男がいる。
(土砂の王:ディアノス)「…。」
(ソニア)「あなたがディアノスか?」
(ディアノス)「…。人間か。」
(ヤチェリー)「まるで、自分はそうじゃないみたいに言うんだね。」
ースッ…。ー
玉座から立ち、杖を持った。あれが根源。
(ディアノス)「玉座に牙を剥く者よ。」
ーギュイイ!!!ー
玉座から立ったディアノス。
ディアノスが持つ、杖の先端にある水晶が、強く光を溜めている。
(ソニア)「駄目だ、構えろ。話せる相手じゃないらしい。」
(ディアノス)「知るがいい。神たる力。時の流れを。」
ービィィィ!!!ー
杖の光が放たれた。
(皆)「…!」
(ソニア)「全身が重い…!ッ!もう退けはしない!」
ーーーーー
ーチチチ!!!ー
杖の力で、空間が止まった。
(ディアノス)「止まった時の中では、人は何も出来ない。」
ードオオオオン!!!ー
(ソニア)「ヅ!!!」
貯蓄されたであろう微かな力の固まりが、時が動いた瞬間、ソニアを襲った。
(ヤチェリー)「ソニア…!」
(ソニア)「油断するな!一瞬で詰められるぞ!!!」
ソニア達が何が起きたか判断するには、あまりにも一瞬すぎた。
時を止めているのだろうが、どう対処するべきか。
ーギュイーン!!!ー
ポゼがブレスを溜める。
(ポゼ)「その程度、時を止めるまでもない。」
ポゼのブレスは、いとも容易く避けられた。
小竜の火力は弱く、遅く。軽い火傷までが限界だ。
(ディアノス)「遅い。止まって見えるぞ。私に当たる攻撃など…。」
ソニア達は続けてディアノスへと攻撃するが、追いつけない。
時を止めなくても、ディアノス自身の速度が速いのだ。
ーブオン!!!グサッ!!!ー
後方から突如、黒い槍がディアノスの肩へと命中した。
(ディアノス)「ヅグッ!」
(皆)「…!」
その場にいた者達は止まった。
杖の効果ではなく、突然の状況を読み取るため。
(ソニア)「槍…?」
ーバッ!!!ー
ソニアの横を何かが通った。
ーカラン…。ー
ディアノスは杖を落としていた。
(???)「…。」
(ディアノス)「私の杖だ!!!」
(???)「お前の?」
ーグッ!!!ー
黒い槍を投げ、黒鎧に身を包むその男は、ディアノスの首を力強く締めている。
(ディアノス)「グアアア…」
ースッ…。バタ!ー
男はディアノスを殺さず、手を離した。
(黒鎧の男)「お前では無理だ。"魂が乗っ取られている"。人を思う心があれど、自身にその強さがなれけば、ただの迷惑だ。」
ースッ…。ー
時の杖と言われたそれは、黒鎧の男が持っている。
(黒鎧の男)「"時の杖"。…"神器"。」
ースタッ…。スタッ…。ー
男は玉座の裏へと歩いていく。誰も動く気はなかった。
だが、全員が感じた。"止めなくてはならない"。
何か間違った方向に、その男が進んでしまう気がした。
(ソニア)「待て!!!」
ソニアが出る。
(黒鎧の男)「…。」
(ソニア)「杖をどうする!お前は誰だ!」
(黒鎧の男)「追って来るな。俺も追わない。それが俺達のとれる、最善の選択だ。」
ーバッ!ー
黒鎧の男は去っていった。
(ポゼ)「飛び降りた!!!」
ーサアアアア!!!ー
砂の城が、音を発し始めた。
(皆)「…!!!」
(ヤチェリー)「これは…!」
(ソニア)「城が崩れる!!!」
ーザアアアアアアアア!!!!!ー
大量の砂が崩れる轟音とともに、ソニア達は埋もれていった…。
2026/01/23"読みやすくなるよう変更を加えました。流れの改変は行っていません。




