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カインドラ  作者: 深緑蒼水
狩人のディポラティア

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6:雪山:アインサント

『狩人のディポラティア 【6:雪山:アインサント】』


洞窟での時間を過ごしたディポラティア達。

カメザメを乗せ、一度ムゲンカイへと戻った。


(右大陸管理組織(うたいりくかんりそしき):???:組員)「お久しぶりです。ディポラティアさん。」

「カメザメだ。…出来そうか?」

「はい。やってみせます。ただ、最上ものを作るというのなら…」

「まだ数体、特異個体が必要か。」

ディポラティアと組員の会話。

特異個体の素材を使い、何かを作る気でいるようだ。

「そうなりますね。…そうです。情報があるのですが。」


ーーーーー


待機していたサン達のもとに、ディポラティアが戻ってきた。


(サン)「次はどこへ?」

「お前達の体力次第だな。…雪山を見たか?」


右大陸へ来た時、確かに雪山を見た。


(ミア)「うん。」

「あそこに行きたい。できれば今日中に。」

(ブラックソード)「標的がいるんだな?」

「情報を貰った。特異個体を見つけたそうだ。俺達から近い場所だと、山になるな。」

「兄さん。なら行こう。この旅での時間は貴重だ。」

「そうだな。じゃあ行こう。防寒装備も貰った。…環境の変化には気を付けろ。」


再びカプセル状の乗り物に乗り、地上へと出た。


ー雪山:アインサント(麓)ー


(ルナ)「これで着れた?」

(ミア)「うん。ありがとう。…髪結んであげるね。」


ーフオオオオ…!ー

山の麓。木々の下にて防寒装備へと着替える。


(オメガ)「…かなり強い吹雪のようです。」

「故障しないのか?」

「強化されています。簡単なことでは壊れませんよ。」

(ハザキ)「にしても、凄まじい環境だ。自然のエネルギーが、豊かなのだろうな。」


温暖な海。湿地雨林。雪山。火山。涼しい森。

あらゆる環境が、濃密に密集した大陸だ。


「はい。結べたよ。」

「ありがとう。知ってるんだね。」

「お母さんに教えてもらったの。」


ミアはまだ、親と数年の関係しかないが、確かに血の繋がりを体験していた。


「準備は出来たな。…俺が先導する。一定間隔で後ろを見るが、頑張ってついてきてくれ。」


ーザッ…。ザッ…。ー

草と雪の境界を踏み越え、吹雪の中に入っていく。


ーーーーー


ーフオオオオ!!!ー

身を凍らせる風が、斜め右から強烈に吹く。


(ミア)「寒い…。」

「大丈夫ですか?」

「うん…。」


ーブオオオオオオ!!!!!ー

更に強い風が吹いた。白い雪が視野を奪う。


ーザッ…。ザッ…。ー

全員の視野が戻ったとき、前から人影が見えた。


「(…。人…?さっきからいたか?)」

先頭にいたディポラティアは疑問に思ったが、少し止まった足を進めなおす。


ーザッ…。ザッ…。ー

お互いが歩みを進める。段々と距離が近付く。

…すれ違う寸前。


ーフオオオ…。ー

今度は、柔らかい風が吹いた。別になんてことのない風だ。

ただ一瞬。

視野を逸らすのには十分だった。


(???)「…。」


ースッ…。ー

その柔らかい風が流れた時、前から来た人影は服の裏に手を伸ばし…。




ーバッ…!!!ー

巨大な拳銃を、ディポラティアに向けた。


(???)「…!!!」

(ディポラティア)「…!?」


ーカチャ…。ー

引き金が引かれる…。場面の異常には全員が気付いていた。

ただ、銃を撃つ時間など一瞬なのだ。間に合わない…。




ーダン…!!!!!ー

雪降る山に、轟音が鳴り響く。白い地面に赤い血が流れて…


(???)「…外された?」


ージュウウウ!!!ー

ディポラティアとその男の間、熱を纏うサンがいる。

槍で弾道をずらしていた。白い地面に、血は流れていない。


(???)「ッ…。」


ーグググ…!!!ー

その男は獣へと変化し、爆速で吹雪の中へと消えていった。


(サン)「ハァ…。ハァ…。」


サンは、かつて"ソニア"がやっていたように、力を纏い瞬時に移動した。

熱は身体を温め、速度を生んだ。

だが何故、"まだ熱があるのだろう?"


(ディポラティア)「サン…!」

「大丈夫…。急な力で、体が驚いたんだ…。」

「今のは一体…。」


ージュウ…。ー

雪を溶かす弾が、地面にめり込んでいる。


(ブラックソード)「…獣を殺せるデカさだな。」

(ハザキ)「あれも狩人なのか?」

「…。もう少しで着く。そこで話そう。他の奴が、狙って来るかもしれない。」


ーーーーー

警戒しつつ、宿の中へと入った。


ーバチバチ…!!!ー

暖かい暖炉の火とランタンの明かりが、薄暗い部屋を照らし温める。


「あれは"狩人狩り(かりゅうどがり)"だ。」

(ルナ)「殺す。ってこと?」

「ああいった存在は昔からいる。狩人が生きていくには、獲物が必要だ。だから自分が知らない間に、恨みを買ってしまっていることがある。」

(ブラックソード)「獣を喰らい、力とするのなら…。そういった"汚れ"が、生まれてしまうものなのかもな。」

「厄介なことになった。次に狙う特異個体戦に、現れるだろう。もしくは先に越されるかもしれない。」

「どうしますか?裏を取られては危険になります。先に取られても…。」

(サン)「…止まっている暇はない。命懸けの旅であることは、覚悟していた。障害があるのなら破っていく。獣は取りに行く。」

獣と人。ディポラティア達を脅かす危険は、至る所にある。この旅は常に、自然の傍を行く。

「晴天の夜、頂きに現れる。"氷大狼(ひょうたいろう):ジフレッド"。次はそれを狩る。…狩人狩りも、獲物としよう。

(皆)「…!!!」


獣以外の対象が加わった狩猟。

それでもなお、全員の心は揺れなかった。より一層、心を強くした。

これは進化の旅でもある。

友人のため。恩人のため。家族のため。

道を譲ることはない。

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