表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カインドラ  作者: 深緑蒼水
騎士のソニア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/82

24:魂の解放

『騎士のソニア 【24:魂の解放】』


(アメガミ)「…!」

(スズナリ)「…!」


―ズサン…!ドン…!―

霊体のような二体は、ルナの感情に呼応するように激しく暴れている。


(ソニア)「終わったぞ…!」

(リットリオ)「手をかせ。奴ら、何やっても効かないようだ。」

(風花)「実体がないのだと思います。」

(ソニア)「魂ってことか…。俺の力なら、やれるかもしれない。」


サンを倒したソニア。状態が不安定なルナを止めるため戦闘に入る。

力が抜け座り込んだルナもまた…。


―スッ…。―

ルナは大鎌を手に持った。


(ルナ)「あなた達も、みんなを殺すの…?」

―――――

(アメガミ)「…!」

(リットリオ)「…!」


―ドォォォ…!!!―

闇で巨大な斧を抑えるリットリオ。

抑えが外れてしまえば、巨大な斧が振りかざされる。


(リットリオ)「ソニア…!ルナを狙うしかない!」

(ソニア)「あぁ!」

(スズナリ)「…!」


先行するソニアからルナを守るため、近付くスズナリ。


―ギギギギ…!!!―

二人によって止められた。


(風花&ヤチェリー)「…!」

(風花)「どうかお願いします!」

(ソニア)「任せろ!」


サンとの戦いで、波動は更に進化していた。

ソニアはその力の効果を、直感的に感じ取りサンへと放った。


(ソニア)「(波動。相手の肉体、命に影響を出せるはずだ…。)」


―ヂュミミミ…!!!―

剣に波動を纏わせ、ルナを狙う。


(ルナ)「…!」


ルナの過去は刺激されていた。今もまだされ続けている。

その刺激が限界を超えたのなら…。


―ギュアァァァァァァァァン…!!!―

ルナは白紫の光を浴びはじめた。


(ソニア)「…!吸収か!?」


(ポゼ)「…。」


ポゼは戦いの全体を見通しており…。


(ポゼ)「…これは!」


―バサッ!―

ソニアの元へ急ぐ。

ルナは魂からくるであろう力を、大鎌へと集中させている。

ロワの人々。その魂による力の集中。


(ソニア)「いや違う…!」

(ポゼ)「ソニア…!」


―ドスッ!―

ポゼはソニアに激突し、攻撃範囲から出るようにそのまま二人は倒れ込んだ。


―ギュミミ…!ザォォォォォォォォ…!!!ゴゴゴ…!!!バキバキ…!!!―


その斬撃から、全員生き残っている。だが館の半分は崩壊し、切れている。

ルナが放った光波によって。


(ルナ)「ハァ…。ハァ…。」


ルナの精神は極限に達している。が、あの威力。疲労している。


(ソニア)「…。」


―カラン…。スタッ…。スタッ…。―

ソニアは剣を置き、慎重にルナへと近付いていく。


―ヂュミミミ…。―

波動を手に纏わせ…。


―スッ…。ピタ…。―

膝をついているルナの手に重ねた。波動は優しく、ルナの体へと流れていく。


―ポワポワ…。―


(ルナ)「ごめんなさい…。みんなが死んで、怖かった…。 生き残るため、対抗する力を得るために、ロワへ行ったの…。」


懺悔するかのように語るルナ。魂吸族は魂を吸い食料とする。

また、力にもするのだ。


―スッ…。スタッ…。―

サンは力を振り絞りルナ達の元へ少しだけ近付いた。


(リットリオ)「お前…。限界だろうに…。」

(サン)「…ッグ!ダメだな…。進めそうにない…。せめて、言わなくては…。お前が、何かから恐怖を感じるというのなら、ロワは守るだろう。あそこは、そういう場所だった…。偏見も差別もない…。だから頼む…。“普通に生きていた”だけなんだ…。俺達は望む。魂の解放を…。」

(ルナ)「…。…!」


―バタ…!!!ビチャア…。―

サンは倒れた。血を吐きながら…。


(皆)「…!!!」

―――――

館の外へと出たソニア達。

館の火はヘリヌスの風起こしで消し、森林火災とはならずに済んだ。


(風花)「…。大丈夫でしょうか。」

(ソニア)「ポゼ達を待つしかない。リットリオが言ってたろ?ネオは表大陸において技術が一番高いって。医者を信じよう。サンも、エンクも救うってな。」


―バサバサ…!!!―

あの後冥火竜へと変化し、サンとリットリオを乗せ、ネオへと飛んだポゼ。


(ヤチェリー)「…!どうだったの?」

(リットリオ)「サンは生きている。エンクの心臓も、鼓動があるようだ。 厳重に保管し、早急に向かうと言っていた。」

(風花)「フッ…。」


風花の迷いもまた、この場で晴れたことだろう。


(ヘリヌス)「フム。まずはありがとう。この言葉は、先に伝えなければならない。…ルナよ。君はどうだ?」

(ルナ)「解放、するよ。」

(リットリオ)「この二体はどうなるんだ?ずっと気になっていたんだが。」

(ルナ)「別に大丈夫。その子達は、私の故郷で作ったものだから。魂も、人のものではないよ。」


アメガミとスズナリ。

今はもう言葉を発しないが、ルナに従っているということは、

生前の魂と仲が良かったのだろう。


(ポゼ)「本当にいいの?生きていくために必要なことでしょ?死んじゃう、よね…?」

(ルナ)「それもそうだけど…。やっぱり、人が傷付くのは嫌だから。この考えが、もっと早く出せたらよかったね…。」

(ソニア)「…。その考え、俺もあるよ。」


自身の考えが膨大になり、処理できず、周りが見えなくなってしまうこと。


(ルナ)「ほんと?」

(ソニア)「俺と…。」

(ヤチェリー)「私。」

(ソニア)「…なんだけど、タイダルって奴に救われたんだ。友達だけど、実質親みたいなものだな。あいつには本当に感謝してる。村がなくなった俺達は、あの後荒んでた。それを正してくれたのは、タイダルなんだ。」

(ルナ)「それが、あなた達の…。」

(ヘリヌス)「オーティスか。」


ソニアとヤチェリーは、ヘリヌスに聞こうとした。"タイダルの正体"とは。

出会った時から見た目が変わらず、様々な事を知り尽くしているタイダル。

だけれどもやめた。

タイダルが何者であっても、二人にとっては友であり親だから。


(ソニア)「解放、もうするか?」

(ルナ)「うん。もったいぶらずに、もうやろう。」

(ポゼ)「…。魂を吸うの、人じゃなきゃダメなの?」


ルナが吸った魂を解放する。それは空腹状態になり飢餓になるということ。

死が近くに訪れる。


(ルナ)「…でも、人以外にいないよ。動物は魔物に殺されていったらしいから、もうほとんどいないし。魔物の魂は好きじゃない…。あれは吸っちゃダメ…。悪意で満ちてるから。」


悪へと堕ち、力を得たいのなら吸ってもよい。

が、ルナにとってそれは死そのもの。

わざわざ恐怖へ向かう方が、ルナにとっては死よりも怖いことなのだ。


(へリヌス)「ルナよ。サン。あるいは私の友人に聞いてみよう。彼は言ったのだろう。彼のような人物は覚悟がある。守ると言ったのなら、助けてくれるはずだ。」

(ルナ)「ありがとう、ヘリヌス。…じゃあ、みんな。やるよ。」


―シュワァァァァァァァァァァ…!!!―

入る時は朝だった森。今や晴天の夜。

光り輝くロワの魂達は、ルナの胸元より元の場所へと羽ばたいていく。


―ポワポワ…。―

戻っていった魂達。だがひとつ、動かないものがある。


(皆)「…?」

(ルナ)「戻らないの…?」


ルナは不思議そうに語りかける。


―ポワポワ…。シュウウ…。―

その魂は、ロワへと戻ろうとせず、ルナの胸元に入っていった。


(ヘリヌス)「戻らない魂…。」

(ソニア)「どうしてだ?」

(ルナ)「…?」


ルナは分からなかった。

その声はいつも、数多くある魂達の声と、重なって聞こえていたから。

だが今、一つの魂は語りかける。


(???)「ここで、私はいいよ。もう、戻る場所はないから。ここで、あの子の姿を見させて。」

(ルナ)「…。あなたがいいのなら…。みんな。しばらくの間は大丈夫。」


その魂はルナの元へと入った。

その者の寿命が、どれほどあるのかは分からないが、

それが切れるまでは生きていける。


(ソニア)「そうか。…よかったな。」


魂の質が分かるルナ。ミアから話を聞いていたソニア達。

何となくだが、残った魂が誰かは分かる気がした。

晴天の夜を背に歩いていく魂たちを見送る…。


―グオオオオオオオオオ!!!!!―

空気を破壊する咆哮が、森に響いた。

その場にいた何人かは、記憶に染み込んでいる声。


(ソニア)「今の…。」

(へリヌス)「…"魔人"だ。最近、よく声が聞こえるようになった。きっと、次世代が産まれてきていたのだろう。」

(ソニア)「…ヘリヌス。俺は行きたいよ。」


魔人。その危険性は知っている。魔人の声は、かなり近くから聞こえた。

力を失った今のルナが、相手を出来るとは思えない。


(へリヌス)「…前提として、戦闘は避けるんだ。私から落ちた機械の一部を持っていきなさい。何かあれば破壊するんだ。その合図で、森を破壊する。」

(ソニア)「望んではないだろ?そうならないよう頑張るさ。」

(ルナ)「…気をつけて。」

(ソニア)「行くか?」

(皆)「…。」


全員は静かに同意した。すでにここは魔の森。

何処から見られていてもおかしくない。


(ソニア)「無事戻る。」

(へリヌス)「待っている。」


―スタッ…。スタッ…。―

ヘリヌスとルナは、消えていく姿に、思いを宿しながら見送る。


(へリヌス)「魔人…。人と魔物を歪に合わせた、戦いのための特攻種。気をつけよ。それは、“悪の意志”の塊だ。」


霧がかりの森。その奥に進んでいく…。

              <“魔境”>

こんばんは、深緑です。

評価などもらえて、とても嬉しく思います。

今後伸びていくかは分かりませんが、あのような感覚は、忘れずに生きていきたいですね。

いい経験を、すでにさせてもらいました。

さて、騎士のソニア。完結までもう少しになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ