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カインドラ  作者: 深緑蒼水
騎士のソニア

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23/84

23:灼熱の竜騎士:サン

『騎士のソニア【23:灼熱の竜騎士:サン】』


ヘリヌスから願いを託されたソニア達。館の中に入り、目的の部屋へと急ぐ。


―ドン…!!!バキ…!!!―


(ポゼ)「でかい音…!絶対戦ってるよ!」

(ソニア)「ここを右だ!」


―バッ!―

大きな館の中、波動とヘリヌスの言葉を頼りに進んでいく。


(リットリオ)「寝室、あそこか。サンとルナ。両方見えるぞ…。」

(ヤチェリー)「あれが寝室?ドアデカすぎでしょ。」


―ブォォォォ!!!―

サンが放った火。それは館へと火をつけた。


(風花)「サンの火です…!」

(ソニア)「行くぞみんな!もう時間はない!!」


サンとルナが戦っている姿が見える。更に足を急がせる。

館に火がついた。もう時間はない。

ーーーーー

―スタッ…!バキ…!ミシ…!―

ルナの寝室へとついたソニア達。

サンが吹き飛ばしたであろう巨大な扉の上に立ち、木の軋む音を鳴らす。


(魂吸族:ルナ)「来ないで…。」

(アメガミ)「ー…バキバリ!!!ー」

(スズナリ)「ーチリチ…!!!ー」

(サン)「お前がそれを言うのか…。」

(ソニア)「二人とも止まれ…!そこまでだ…!」


ソニア達は二人の間に入り、ソニアは強く声をかけた。

サンとルナ。ルナにつく幽霊のような二体も止まる。


(サン)「お前か…。」


―ブォォォォ…!!!―

サンは火を纏わせた。


(ルナ)「ハァ…!ハァ…。」


ルナは過剰に呼吸をしており、手足が震えている。


(ソニア)「後ろ、やばそうか?」

(リットリオ)「ルナはパニック状態だ。トラウマを刺激された結果だろう。」

(ソニア)「…じゃあ、後ろは任せた。俺はサンを止める。」

(ヤチェリー)「任せたよ。」

(サン)「信頼か。互いが後ろを任せ合う関係性。」

(ソニア)「お前にだって、あるだろ。」


サンは不思議に思った。ソニアの変化に。


(サン)「…聞いたのか。ッフ…。同情か?必要ない。そんなもの。」

(ソニア)「お前には帰る場所があるはずだ!」

(サン)「帰る場所など…。全員の命を吹き返し、俺が死ぬ…!それでいい!!!」

(ソニア)「“家族はまだ生きてるんだろ“!!!」

(サン)「…!」


兄ディポラティア。妹ケイジーノ。生死不明。

右大陸にいるであろうという推測のみ。

だが、サンに残った最後の家族。


(ソニア)「希望を捨てたのか?絶望が連続に起こって。」


ロワでの戦いの時、サンに迷いなどなかった。

だが今、自身の死を迷いはじめた。


(サン)「…だがな、同じくらい大事なのだ。自身の命をかけてでも、ロワの人々は助けたい…!!!」


純粋たるサンの真っ直ぐな思い。


―ジュアアアア!!!―

サンの火はより強く燃え上がり…。

迷いは消えた。生きる。そして人々を助ける。サンの確信的目標だ。


(ソニア)「なら止める…。ルナを殺さないで解放させる方法がある!」


“ソニアはひっそりと見ていた“。

魂吸族が吸った魂の性質についてのページを。真夜中に読んだ物語の次に。

サンとルナ。交わってしまった二人の過去。

自身とそれを照らし合わせ解放させる。ソニアの確信的目標だ。


(ソニア&サン)「…行くぞ!!!」

ーーーーー

(サン)「…!!!」


―ズザズザ…!―

烈火烈風の斬撃を飛ばすサン。だが、その肉体はもう限界に近いが故…。


(ソニア)「(動きが遅い…。サンの身がもたないのか…!)」


―バッ…!ヂュミミミ…!!!―

波動を纏い、瞬時に近付く。


―ザン…!―

(サン)「ッグ…!」


サンは反撃が遅れた。だが耐えていたはずだった…。


―フラッ…。―

(サン)「体が動かない…。ここまでなのか…。」


―バタッ…。―

ロワで戦ったサン。その時の強さは感じなかった。

だがソニアは可能性を警戒し、しばらくサンを見つめた。


(ソニア)「…動かないか。ルナの方が終わってない。…行くか。」


サンを倒したソニア。ルナと戦う仲間の元に急ぐ。

ーーー\ー

ーズザン…!ー

膝をつき、槍を地面に刺す…。


(サン)「待て…。」

(ソニア)「…!」

(サン)「ハァ…!ハァ…!」


―ドクン…!ドクン…!―

サンに流れる竜の血は、温度を上げ駆け巡る。心臓はより大きく鼓動し…。


(ソニア)「その体もう…!」


サンの付近が揺らめいている。


(サン)「限界、か…。だがロワのため、俺の鼓動が止まる事は無い…!」


―サァァァ…。―

サンが放つ風が消えた…。


―ジュアアアアアアア…!!!!!―

ソニアが波動を纏うように、サンは赫く光る熱を帯びた。


(灼熱の竜騎士:サン)「…ハァ!!!…俺が主人公だ!!!」

ーーーーー

―ブォォォォ…!!!―

強烈な灼熱がソニアを襲う。


(ソニア)「ッグ…!熱すぎだろ…!」


―サッ!―

先程までの動きではなく、俊敏にサンは動く。


―ギギギギ…!!!―

剣と槍。互いを押し合う鍔迫り合い。


(ソニア)「もう、俺は倒れないぞ!!!」


ロワでは膝をつき、サンへと逃げられたソニア。

絶対に倒れない意識を元に、強く力む。


―ダン…!―

サンを押し返した。死なない程度、気絶する寸前を狙う。


(サン)「ッグ…!」


―グググ…!!!―

サンは倒れる前に力を入れ、前かがみへ。


―ギギギギ…!!!―

ソニアに体重をかけ槍を当てた。


(ソニア)「ッグ…!!!ほんとに死ぬぞ…!」


サンが纏う灼熱と、手から槍。剣へと伝わる熱が、更にソニアを襲う。

ロワの時より酷い状況だ。


―ジュウウウウウウ…!!!―


(サン)「…!」


その言葉を聞いてもなお、サンの力は収まらない。


(ソニア)「いや…。聞こえてないのか…!」


サンは灼熱を纏っているが、その力はもはや制御できていない。

高温はサンの肉体すら襲っている。耐えればソニアは生き残る。

だが、サンを生かすにはそれを突破し止めなくてはならない。


(ソニア)「ッ…。くそ…。俺も意識が…。」


ソニアもまた、熱により意識が危うい状態になる。

視界が揺れる。更に揺れる。

もうぼんやりとしか、景色が見えない。力も入らない。

サンは死に、自分も死ぬ…。


―フラッ…。―

(ソニア)「…」


―"ソニア。守る意味を探すんだ"。―


亡き父の言葉。いつも言っていた言葉。


(ソニア)「…!!!」


―ヂュミミミ…!!!!!―

一度力が抜け、確実に倒れるしかなかった状況。

蒼く燃えるような波動を、今まで以上。全身に纏わせる。

サンドラに当てた波動の斬撃。あの時より強い波動をサンへと当てる。


(ソニア)「…!大丈夫だ。死なないと直感で感じる!!!」


―ギギギ…!ヂュミミミ…!!!!!―

ソニアの放つ波動は、サンの槍をつたりサンの肉体へと流れていく。


(サン)「…!ハァ…。ハァ…。ロワの火は、消えない…」


―バタ…!シュウウウウウウ…。―

サンは力の限界が訪れその場に倒れた。

肉体の限界により、死ぬはずだ。だが…。


―ポワポワ…!―

サンの肉体に、薄く優しく波動が光っている。


(ソニア)「ッ…。やっぱり大丈夫だ。死んでない…。今度こそ…。少し、そこにいてくれよ。」


サンを回復したであろう波動。

更なる力を発揮したソニアは、今度こそサンを止めた。


(サン)「待て…。」

(ソニア)「…!」

(サン)「警戒するな…。正直、全身に力が入らない…。死にはしないだろうが、意識が消えかかっている…。その前に、聞いておきたい…。お前にも、誰かを守る意味があるのか…?」

(ソニア)「昔は応えられなかった。でも今は、確かにある思い。俺も、もう迷わない。」


―スタッ…。スタッ…。―

サンを倒した。ルナ、そして皆の元に向かう。


(サン)「…ソニア。お前はきっと、"全てを守る"のだな…。」


亡き父が言っていた守る意味。

それを見つけたソニアが迷うことはない。

だからもう、あなたの声は聞こえない。

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