表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
騎士のソニア  作者: 深緑蒼水


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/27

21:決意の証

『騎士のソニア 【21:決意の証】』


ミアからブラック・ロワの過去を聞いたソニア達。

ミアから許可をもらい、タイダルに話をした。


「…。そんなことがあったのか。騎士数名。ロワにて待機しろ。

なるべく早く戻る。」

(騎士)「ハッ…!」

「船に行くぞ。一度戻ろう。」


船に乗り、オーシャンへと戻ったソニア達。

行きと比べ長い時間を過ごしたが、途中ぼっちと合流し帰還した。


ータイダル・オーシャンー


「ぼぉ。」

ービシ!ー

ぼっちはサンが向かった場所を指さした。

そこはミアが言っていた森であった。


「森か。分かった。お前は休んでおけ。また力を借りる。

…さぁ、一度城に戻るぞ。」


ーーーーー


「俺は騎士達を動かす準備をする。奴らを牢に入れることもやらなければ。

住民たちを保護しに行くが…。託していいか?」

(ソニア)「あぁ。助けてほしい。そう言われた。」

「そうか。だが、今日はもう遅い。日中ですら迷子者が続出する森に行くのは危険だ。明日行くといい。」

「分かった。でも、少し調べていいか?」

「構わん。書庫を漁ってみろ。持っていくことも許可する。」


ソニア達は、サンが向かった森に行くことを決意する。だがその前に、

"魂が抜けた事象"を調べることにした。


ー大書庫ー


(リットリオ)「広いな。」


そこには、オーシャンが出来た時から集められた書籍が、大量に保管されている。


(ポゼ)「朝までに何か見つかるといいけど。」

(ヤチェリー)「ペラ読みで探せばいけるでしょ。」

「上の方は任せたぞ。」

(ポゼ)「はーい。」

(リットリオ)「…。俺もか?」


ーーーーー


大書庫にて、"魂を抜かれる"事象。"魂を抜く存在"を調べるソニア達。

一冊一冊、着実に読み進めていく。


ーペラ…。ペラ…。ー

(ソニア)「…?この字…。」


ソニアは知っている。その文字の形を。


「"魂吸族"。"星球難民"。"宇宙からの種族であり、生物の魂を吸い、生きる。魂には質量があり、その者の生きた年数。及び経験によって異なる。魂吸対象の生渇望が強ければ、吸うことが出来ない"。魂吸族を保護する。名称は、滅んだとされる星の住民。"赤月の民"。…タイダルの字。みんな。」


ロワで起きた事象。それは宇宙から訪れた、別星の民によるもののようだ。

タイダルの字で書かれていることに疑問を抱いたが、今はおいておこう…。


(リットリオ)「…。魂を吸い生きるか。」

「生きるため、ロワを襲撃したことになるんでしょうか。」

「宇宙からって、壮大なんだけど…。」

「本来の星では、どう生きてたんだろう?」

(ソニア)「星が違うなら環境が変わりそうだ。本来はそこまで、吸う必要はないとか…。」

(リットリオ)「長寿の生物が多い可能性か。」


ソニア達は、ロワに現れたとされる少女の力を知った。もう遅い時間だ。

朝早くに森へ向かう。今日はもう寝るべきだ。


ーーーーー


(ソニア)「…久しぶりに家に戻ってきた。」


ーバサッ…。ー


「…。持っていっていいとは言ってたが、そのまま持ってきちゃったな。」


ソニアは、本を持ってきてしまった。おきっぱにして寝てもよかったが、残りのページをめくり始めた。

本を流し読みする時、重要な言葉を逃してしまうことがあるかもしれない。

だがソニアにとってその言葉、発音は強く染み込んでいた。


ーペラ…。ー

「…!!!"魔人"…。」


ソニアが読んだそれは、霧深い森で起きたことだった。


ー霧がかりの森(現在)ー


(ルナ)「"ヘリヌス"。」


ーギュオン…!シュゥウウウウ…!!!ー


ヘリヌスと呼ばれたそれは、機械に身を包んだ巨大な蛇竜だ。


(空の化身:ヘリヌス)「何か?」

「森が荒れてる。何か来る…。」

「館の中に入っていなさい。私が見ておこう。」

「ありがとう…。」

「遠い遠い、約束だよ。」


ー霧がかりの森(過去)ー


霧深いその森。寒さがあれど、この時代にはまだ温かさがあった。


ーチュンママ!!!ー


(ルナ)「おはようヘリヌス。」


館の窓から庭にいるヘリヌスに声をかけた。

「ルナか。」

「お兄様を知らない?お父様達も最近、戻ってきてないの。」

「村の声も、確かに聞こえないな。」


ースタッ…。ー

ルナは窓から華麗に飛び降りた。


「待った。一人で行くのか?」

「うん。だって私一人。さみしいもん。」

「ならば私と遊ぼう。この星にまだ慣れていないだろう。だから遊んでみよう。」


ヘリヌスは空を飛び、ルナと共に星を見た。

「(一日が終わるのは早い。私が何年生きようが変わらないこと。"あなた"との日々も、もう遠い過去のこと…。)」


ーーーーー


館へと戻り庭で寝るヘリヌス。ヘリヌスには強く分かることがある。

それは煙、火の匂い。戦いの合図であるからだ。


ーブオオオオオオ…!!!!!ー


(ヘリヌス)「…!火か…。何かが戦っている…。」


ーバサッ…!ギュイーン…!!!!!ー


「いや、私では守るべき者ごと、森を破壊してしまう。

 …君に任せるぞ。"オーティス"…。」


ーバシャアアアアアア…!!!!!ー

森に突然広がった火。それを消す水が大量に降り注いだ。


(タイダル・オーティス)「ヘリヌス。俺が見てくる。」


ースタッ…。ー

森の奥、何かが歩いてくる…。


「待てオーティス、森の奥。」

「…赤月。」


(兄)「ヘリヌス…。タイダル王…。彼らが暴れ始めた…。私たちの心臓目当てのようだ…。」


そう言うルナの兄は心臓を抜かれ、残った力でここまで歩いてきた。

吸魂族がもつ"不死の心臓"。

「あなた達の願いを、破壊してしまった…。」

ーバタッ…。ー


「ヘリヌス。俺は行ってくる。」

ーズサッ…。ズサッ…。ー


「ヘリヌス…。私の最期の願いだ…。ルナを、頼んだ…。」

「分かっているとも。私が守るさ。」

「 」


ーーーーー


タイダルは霧深い森を迷うことなく進んで行く。

「…。」


着いた戦いの場所は、魂吸族の隠し村。そこにいた魂吸族は全員、心臓を抜かれていた。

「ルナの親…。気配を感じ向かっていたのか…。」


ーグアアアアアア!!!!!ー

荒ぶる声が接近してくる。


ーシャ…!!!ー

タイダルは水の波紋を周囲に広げた。その場にいた荒ぶる者達は全員、膝をついた。


「言ったはずだ。契約を破るなら生きる資格はない。」


ーザッ…。ザッ…。ー

タイダルはそう言うが殺すことはなく。

自身の感情を抑え、死した魂吸族達の元へと向かう。


「…。早く去れ…。お前達など、"いつでも殺せるんだぞ…"。」


ーバッ…!!!ー

次はないと、"魔人"達は本能で理解した。


(オニキス)「分かっていることだ…。だが、生への渇望が止まることはない…。皆が待っている。我々に"救いの時"を…。」


魂吸族達を襲った魔人達。

ルナがロワを襲った真意とは。

魔人が心臓を狙った真意とは。

タイダルが魔人を生かす真意とは。

疑問を解消するためにも、今日は寝よう。そして森に向かうんだ。

             <"霧がかりの森">

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ