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カインドラ  作者: 深緑蒼水
希望のリットリオ

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2:新たな友情

『希望のリットリオ【2:新たな友情】』


リットリオ達が神の星に来てから、数日が経過した。

またしてもガルツハーツの空は、桃色の花びらで染まる。


ーー神校:ガルツハーツ(広場)ーー

〜"クラス覧を確認し、教室へ。時間厳守で、行事館に集合。"〜


掲示板に貼られた、告知内容を見た。

学生達が密集しており、中々に苦労した。


(リットリオ)「同じだな。」


(エルロット)「共に学んでいくのも、ありかもしれないな。」


別分野を主とする四つの組に分かれるのが、ガルツハーツの教育体制。

"力、心、友情、知識"の四つになる。


ーー行事館ーー

大人数の神人が入れる、四角形状の建物。

基本的にこの場所を使うのは、名の通り行事ごとのみ。

運動でこの場所を使っては、あまりにも狭すぎる。


ーワヤワヤ!!!ガヤガヤ!!!ー

教師陣はまだおらず。

行事館には学生達の声が、反射する。


(リットリオ)「鎧を外していいのか?」


エルロットの見た目はリットリオのように、神衣たる布服に変わっている。


(エルロット)「鎧は学んでいくのに、向いていないのだ。」


顔を隠し、音のなる重装備を着けていては、生活しずらい。


ービイイイ!!!ー

リットリオの頭の中に、砂嵐のような音声が鳴った。

好き放題暴れたような、気味の悪い音。


(エルロット)「何か?」


リットリオは自分の席より離れた、エルロットの所にいる。

そろそろ戻ろうかという時に、酷いノイズ音が走ったのだ。


(リットリオ)「いや、何だろうな…。ただ、目が合っただけだ…。」


ある一人の神人と、偶然目が合った。

何の変哲もない、ごく普通の神人だった。


(エルロット)「急な変化で、まだ慣れていないのかもしれないな。席に戻るといい。話しは後でも、出来るのだから。」


エルロットの言葉通り、席に戻ることにした。

戻る途中、目が合った神人が気になったが、見る気はなかった。

顔を少し左に向けて、席に座る。席に座ったあとは、反転させて。

右の神人を、少し見るくらいに調整する。


ーバッ!!!ー

その姿が壇上に現れた瞬間。

喋っていた声はピタリと止み、全神人が、瞬時に立った。


(ルモンドー)「では今代の、式を始める。」


ルモンドーの語りは丁寧で、落ち着いた喋り。

長いと寝てしまいそうだが、短く濃厚な語りで終了した。


(ルモンドー)「今日から新しい日々が、始まります。君達がつくっていく物語を、とても楽しみにしています。」


ーバチバチ!!!ー

爆発が起こったような、轟雷が降り注いだような、ただの拍手。

彼の言葉に皆、心を打たれた。

リットリオとエルロットも目を輝かせ、自然と拍手の動作に移ってしまうほど。

けれどその中に、一人の音が足りない。


(ジャウルイン)「…。」


ーー蒼の竜ーー

式が終わりそれぞれの指定教室へと、向かう神人達。

教室は段上になっており、年季の入った木の匂いがする。

リットリオ達は隣同士で、一番上の席だった。

何故か上の席になると、優越感に浸れた。

特に左端の最上は、とても満足感が高い。


(リットリオ)「これら全員が、神人か。」


三十名近くいる神人に、多少の恐怖も湧いた。

だが彼ら全てが、ガラハハのような意志をもっているのなら、とてもそんなことを抱いている場合ではない。


(エルロット)「私自身も、そう思う。だが全員がクラマドほど、強くなることはないだろう。あれは特別だ。」


ーガラガラ…!ー

その音は賑わいの終了であると同時に、到来でもある。


(???)「さぁ、座ってねー。」


神人達は皆大人しく、席に座った。

そうしなければ行けないと、"全員が理解させられた"。

大人びた容姿かつ、少しふわふわしている雰囲気に、騙されてはいけない。

教師陣で最も怖いという話を、卒業生が話すほどの相手だ。


(心人:ポハル)「みんな初めまして!ここ"蒼の竜"で、私がみんなに、"心"を教えるよ!」


ーー朱ノ鳥ーー

この組もまた、学生達の声で賑わっている。


(馴れ馴れしい神人)「お?なぁ、お前!」


少し遠くから、顔を覗き込む神人。

机に手を置き、顔を近付け、知っているかのように話しかけてきた。

表情を抑え、湧き出る感情を沈めなくては。


(ジャウルイン)「あぁ。久しぶり。」


誰だか知らないがこれを言っておけば、間違いない。

実際相手の神人は、くだらない相槌で興奮している。


(馴れ馴れしい神人)「やっぱそうだ!"中間"ぶりだな!ちょっと大人しくなったか!?」


無駄に勘のいい存在。

バレないようにするならば、怪しまれるのはまずい。

ならば関係は続けなくてはならないし、万が一バレたのなら、真っ先に"消滅"させる。


(ジャウルイン)「そうか?休暇中、力を磨いていたからかもな。」


真顔か苦笑いなのかよく分からない表情で、見つめてくる。

早く何か話せと、無性に苛立つが、"側に出してはいけない"。


(馴れ馴れしい神人)「お前、あれ知ってるか?"ガルツハーツの幽霊"。」


昔から語り継がれている、ガルツハーツの噂。

夜にガルツハーツを訪れると、"ローブを羽織る、黒い何か"が出ると言う。


(ジャウルイン)「あぁ…。」


どちらを言おうか迷ったが、誘ってみることにした。

誘う方が、いい未来を思い描けそうだ。


(ジャウルイン)「知っている。とても。」


(馴れ馴れしい神人)「そうか!?じゃあ…!」


更に近付き、何かを話す、その時。


ーガラガラ!!!ー

教室を支配する音が、鳴り響いた。


(???)「さぁ、座りたまえ。」


その教師は今でも変わらない、厳格な表情を常にしている。

だがいつの日からか少し、目の下が曇ったような感じになったそう。


(力木ノ神:ジルベスト)「"朱ノ鳥"にて私が教えるのは、"力"だ。力がなくては何も、守ることが出来ない。」


ーー白の狼ーー

ーガヤガヤ!!!!!ー

他組に比べ、より盛り上がっている。

何かの会場に入ってしまったと、錯覚するほどの盛り上がり。


(???)「ねぇ。」


後ろの席にいる神人が、前の神人の背中をつつく。


(???)「なんだ?」


灼熱たる赤が基調の神人が、返事を返す。


(???)「見た事ない子達がいたの、気付いた?」


(???)「あいつらか?もしかしたら外から、来た奴かもしれないな。」


(???)「あとで見に行かない?"ブルレーナ"も連れてさ。」


ーガラガラ…!ー

この教室でこの音は、抑制にならない。

何なら一層、騒がしくなる。

大半の神人達が、教授に群がる。


(母性溢れる神人)「わぁ〜。先生、ちっちゃ〜い。」


膝上にちょこんと乗せられ、腕で固定された。

その姿を見て群がる者は皆、かわいいと連呼するだけになってしまった。


(???)「ハァ…。これでは授業が、始められない…。」


教授は手を隙間から出し、糸を操るように広げた。


(???)「これで話せる。」


群がっていた者達は皆、静かに座った。

教授は椅子を使って、教卓によじ登った。


(支配神:ロリータ)「"白の狼"では私がみんなに、"友情"を教えるわ。共に友情を、紡いでいきましょう。」


ーー黒の獅ーー

他の組とは違い、とても静かで理性的な教室。


(ブルレーナ)「"噂"ですか?」


ローブを羽織る黒い何かが出るという、有名な噂。


(眼鏡かけの神人)「うん。ブルレーナさんは、どう思う?」


ブルレーナは顎に手を当て、短い時間で結論を考える。


(ブルレーナ)「噂はそれ止まりです。事実を確認しなければ、本当の事は分かりませんよ。」


ーガラガラ…。ー

とても静かな音。他の組では間違いなく、気付けない。


(知恵者:オルスト)「"黒の獅"では私が、"知識"を教える。君達は歩む道の中で、多くの難問にぶつかる。だが知識は、全てを凌駕する。宇宙の全ては知によって、解くことが出来るのだ。故に私は、約束しよう。眠る知性を、開花させると。」


ーーーーー


ーゴーン!!!ゴーン!!!ー

授業終了の鐘が、鳴り響く。

式が終わり明日からの説明で、今日は終わりだ。

広場では帰宅する神人達で、溢れている。


(ドジっ子な神人)「っうわ!!!」


帰ろうとしていた、一人がこけた。

とてつもない速度で帰宅していった、神人の影響で。


(???)「悪いな!!!」


そう言う頃にはとっくに、現場から逃走している。

既に草原の上を、爆走中。


(ブルレーナ)「急ぎすぎではないですか!?」


真面目なブルレーナにとって自分達がやっている行為は、冷や汗もの。


(???)「それでも好奇心は、抑えられないでしょー。」


ブルレーナ達は、爆走する神人にしがみついている。


(リットリオ)「おい、エルロット。」


家に向かうリットリオ達は、背後から聞こえてくる、異常な轟音に気付いた。膨大な土を撒き散らしながら、向かってくる存在。


(???)「おーい!!!もう帰んのか!?」


結構な近さまで来ても、一向に止まる気配がない。

何なら手を振り、楽しそうにしている。


(エルロット)「恨まないでくれ。」


エルロットは地面に手をつき、黄金の壁を創った。


ードゴオオオオオオオン!!!!!ー

見るのが怖くなるほどの、音が鳴った。

ぶつかった神人の跡が、黄金の壁に出来ている。


(???)「俺の型取りをやるよ。」


思いっきりぶつかったが、なんてことはない。

それが、神人の耐久力。


(リットリオ)「型取りの注文はしてないぞ。何をしに来た?」


黄金の壁を越えた、姿が見える。


(グンルゥーニ・グランスト)「俺は"グンルゥーニ"。"始炎"に憧れてるんだ。」


グンルゥーニは、拳を突き出してきた。

仕方なく拳を当てたが、加速していたからか。

声が出そうになるくらいには、熱かった。


(マドリネシア)「私は"マドリネシア"。会いたいから会いに来たよ。あと暇。」


どこか適当な神人。だがどれも、本音なのだろう。


(マドリネシア)「とりあえずどこか行かない?」


もう少しで家が見えてしまう。

ここは慎重に行動すべきだと、目線を合わせずとも、リットリオとエルロットは瞬時に理解した。


(リットリオ)「なら森にでも行くか?」


ガルツハーツの近くには自然豊かな、ユグドラシル森林がある。


(グンルゥーニ)「いいぜ。そこに行くか。」


グンルゥーニとマドリネシアは我先にと、早速行ってしまった。


(ブルレーナ)「ハァ…。」


溜め息を出しながら、髪をくしゃくしゃと軽く掻く。


(リットリオ)「大変だな。」


(ブルレーナ)「帰っても、いいと思いますよ。」


とは言うがそれはそれで、面倒くさい事になる。

というかそれが嫌で、提案した。


(リットリオ)「いや、行くさ。」


突如現れた、三人の神人。

悪い存在ではなさそうだが、あまりにも破天荒だ。

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