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騎士のソニア  作者: 深緑蒼水


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10 : 雷の国︰移動都市ネオ・ランド・シティ

『騎士のソニア 【10 : 雷の国︰移動都市ネオ・ランド・シティ】』


再び山を登り、木々を抜けていく。暗い森の先、目的の光が見え始めた。


ーーーーー


移動都市ネオ・ランド・シティ。

世界を移動するその都市国家は、稼働の地である“表大陸”に、周期終わりとして

停泊していた。

時間が経てば、始まりの地である大地より飛び立ち、世界を回るのだ。


―シュイインンン!!!―


都市が動くエネルギーの音が聞こえる。

都市を移動させる存在は…。


「で、でかいね…。」


ポゼが言うその先には…


(雷の化身:ネメシス)「ゴオオオオオオ!!!」


高層たるビル達。

ネオ・ランド・シティは、雷の化身の上に建っている。

亀のような肉体をもち、機械に身を包むネメシス。

そう言ったポゼと比べ、何倍か分からないほどのデカさである。


「これってどうやって上まで行くの?」


空中に省エネルギーで浮遊しているとはいえ、数十メートルの高さがある。


「下にある移動装置で行くんですよ。」


ネメシスの力で動く移動装置は、雷の力で上へと引っ張ってくれた。


―雷の国︰ネオ・ランド・シティ―


―ビカァァァ!!!―


雷光のように光る街灯。電光パネルに流れる映像達。

縦横無尽に流れる人々。眠らない街、ネオ・ランド・シティ。


「眩しい!」


煌々と光る街に、目を奪われてしまう。


「ここまで光る夜はあの日以来か…。」

「…。」


昔見た光を思い出しながら、揺らめく街へと溶けていく。


「ホテルを探しましょうか。拠点となる場所は必要です。」


ーーーーー


―ガヤガヤ!!!―


ホテルを探すソニア一行だが、何やら人集りが出来ている。

騒がしい…。


―ヂュミミミ!!!―


ソニアはまた波動を感じた。何やら予感がする。


「ちょっといいか?」


そう語りかけても気付かないのは分かっている熱狂の中、人の肩を掻き分けて、

騒動の中心が見えるように進んでいく。


―ドオオオオ!!!―


黒くどよんだ力が、人へと放たれていた。


「あれは…」

(人)「ん?お前達、知らないのか?」


隣にいた男が、ソニア達に向かって言う。そしてその男は、

嬉々した様子で話し始めた。


「あいつは、悪を討つ、ネオランドのヒーロー。“リットリオ”だ。」


―リットリオ!!!リットリオ!!!―


歓声が夜の街に響く。その男だけでなく、民衆が彼の虜なのだ。

正直言うならば、悪とヒーローの戦いは一方的蹂躙であった。

止めようとも思いはしたが、ソニア達にとっても、

悪と戦うヒーローという者に、魅力を感じた。


(悪)「お前はなぜ、こんなことをする…。俺がお前に何かしたか!」

(リットリオ)「相手が関係あるのか?どうせ他の人間を巻き込んでいくだろう。」

「…!頼む…!まだ間に合う…!“あいつらが来る前に”…!」


―スタッ…。―


(???)「そこまでだ。リットリオ。」

「お前達の変わりでやっているだけだ。」


「あれは?」


高貴な衣類を纏う女性が、リットリオの後ろに現れた。


「“ラキエル”様だ。」


シティの統治者であった。


(ラキエル)「私刑は認めていない。」

「そうか?だがお前達は俺を捕えない。そういうことだろう。」


―シュン…。―


そう言い残し、リットリオは瞬時に闇と共に消えていった。


「連れて行け。」

(天空騎士団)「ハッ!」


ラキエル率いる騎士団が、悪の男を捕らえ、その騒動は終わった。

辺りにいた人が少なくなる中、ソニア達はまだその場にいた。


「なにしよっか…」


ポセが一言出した。


「探したいことがあるんだ。」

「どんなやつ?」


「正確には人だ。場所は分からないが、検討ならつく。路地裏へ行こう。」


ーーーーー


薄く光が入るその場所にて…


「依頼ですか?」

「あぁ。ネオランドのシステムを知りたいとな。特に“こいつ”についてだ。」

「化身を調べるんですか?」

「当たり前だ。成功者には大量の報酬が与えられる。」


―フォォォ…―


茶色に錆れた小屋の上。この薄い光の中。彼もまた、住民なのだ。


「リットリオは全てを見通す。」

「!?」


リットリオ。この単語は、どの罵詈雑言よりもネオでは強い言葉になる。


「ど、どうしますか…!」

「逃げるぞ…!!!」


―ドオオオオオ!!!―


「っがぁぁぁぁあ!!!」


―バタ…!―


走る闇に追いつかれたものは、二度と光の元を歩むことはない。


「逃げることは出来ない。」


―ガタ!―


縦に積まれた物の奥。


「誰だ。」


―サッ…。―


「見ないな。」

「彼でしたか、探したい人というのは。」

「あぁ。ヒーローに興味が出来てな。」

「興味か。知ってどうする?」

「ただ気になるだけだ。」

「…。まぁいい。お前が正義に興味があるなら。お前達は俺を見た。

 だからついて来い。ネオランドの裏切り者を探しに行く。」


ヒーローリットリオとの出会い。彼の正義へと迫っていく。

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