1 : ハジマリ
―”なぜ、生命は生まれ生きるのか”―
―宇宙―
無限の空間。冷たくも熱があり、光があるその場所で、“それ”はいる。
(創造神:???)「…。」
(天秤の秤)「次はこの場所か。」
(創造神:???)「…!」
“それ”は子供のような眼差しで、ある星を見ている…。
『騎士のソニア 【1:ハジマリ】』
―星見の丘―
(ソニア)「…遠くないか?」
(ヤチェリー)「もう少しだよ。」
―ガサ!ガサ!―
自分たちと同じくらいの草を掻き分け、進んでいく。星降る夜。
「ほら!」
いつもは大人びているヤチェリーが言う。
―キラ!キラ!―
「村からだとよく見えないでしょ。」
「あぁ。…?」
「どうしたの?」
―ブオオオオ!!!―
何か嫌な予感がした。突然、感覚が刺激されたような感じが。
「村が、“燃えて”ないか?」
―サナ村―
―ブオオオオ!!!―
(ソフィーナ)「ッグ!これでは、もう…。」
(???) 「グウウウ…!!!」
「魔物ではないな…。ならば一体…。」
その存在は、まるで人のように二足で立っていた。
王の騎士であり、大陸を移動するソフィーナにとって、魔物ではないと、
経験が言葉を出させる。
「グオオ!」
「早い…。」
―サッ!ズサ!―
華麗な身のこなしで相手の攻撃をかわし、先手の一撃を入れる。
―バタ!―
「…。致命傷ではないはずだが…。」
―ガサガサ!!!ザッ!―
「次か。…!ソニア!ヤチェリー、君も!」
「父さん!村は、皆は!」
「ここから離れなさい。いいか?国へ逃げるんだ。なるべく開けた場所を通ってな。」
「どうしてこんなことに…」
「化け物が…。」
―スッ…―
ソフィーナは後ろを見た。
いない。
―グサッ!!!―
鈍い音をたて、父の胸から手が出ている。
―ヂュミミミ!!!―
即死のはずであった。
だがソフィーナは最期、生き残りである二人を守るためか。
数年前、突如発現した“蒼く輝く力”を剣に宿し、斬った。
「ソニア…。」
二人は走った。ソフィーナの言葉を胸に、故郷である村を離れていく。
炎燃え盛る夜。
―ズサ!ズサ!―
(オニキス)「父祖よ。」
(???:父祖)「 」
(アルトラ)「オニキス。この人間、まだ息があるようだ。」
「構うな、じき死ぬ。我々にとって、対話など必要ではない。帰るぞ。」
「…。何者だ…」
「…。“魔人”だ。」
「 」
「対話は要らないのだろう?」
「あぁ、もう死んでいる。対話はしていない。」
―スタッ。スタッ。―
時間が経った。だが未だ、炎の勢いは収まっていなかったのだが…。
―ザバアアア!!!―
(騎士)「“タイダル王”。」
(タイダル・オーティス)「ソフィーナ…。ソフィーナを頼む。」
「はい。」
「ソフィーナ、“俺のミス”だ。」
幼馴染と星を見て、村がなくなり両親が死んだ、ソニアの一日。
騎士を目指す、旅である。
初めまして。深緑と言います。
趣味で書き留めていた話を、出していくことにしました。
人に見せたことがないので、どの程度の価値があるか分かりませんが。
楽しんでもらえるように投稿していきます。よろしくお願いします。




