46.そう、千歳もいる。みんなの為にも頑張らないと-その言葉だけでも嬉しいですよ-
全48話です
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「そうですか。ですが私に手伝えることは遠慮なくいってください。今、貴方を支えているのは私だけではない、彼女もいるのですから」
そうアイザックが続ける。
――そう、千歳もいる。みんなの為にも頑張らないと。
カズはそんな事を思い浮かべながら、
「ありがとうございます。その言葉だけでも嬉しいですよ。そうだ、改修した際に低重心化したのは幸いでした。お陰でゼロゼロは失わずに済んだ。もしもアレに乗っていたら、私は今頃地獄行きだったでしょう」
事実、ゼロゼロとゼロファイブのコックピットは凄かった。背中から入った弾丸が見事に貫通してコックピットのモニターをかち割っていたのだから。流石に前面の装甲までは抜けなかったものの、
「背面装甲は少し考えた方がいいかも知れない。その辺りの情報はありますか?」
と尋ねる。すると、
「装甲に関しては従来のものより薄くて同等の性能を有するものが上がったと来ています。ですから、それの厚みを増して順次改装していきましょう。問題はやはり関節、でしょうか。ですが、こればかりは中々良いものが出ずにいます」
つまりは現行通りで行くという話である。
――そうだ、肝心のレイドライバーは。
「補充はどうなっていますか、レイドライバーの補充です。確か予備機が一体あるのは知っていますが」
と尋ねれば、
「三体上がった、と報告がありました。現在、こちらに向かって輸送中。到着は三日後、そこからサブプロセッサー周りを組んで実戦配備は一、二週間後といったところでしょうか」
これはつまり合計で四体のレイドライバーを補充できる、というのを意味している。本当なら五体になるはずだったのだが、そのうち一体はゼロシックスを守って散っていったのだ。例の予備機である。
今回同盟連合は、無事だったのがワンワン、ワンツー、ゼロツー、ゼロフォー、ゼロシックス、スリーワンの六体、軽傷なのがゼロスリーの一体、研究所送りとなったのがゼロゼロとゼロワン、ゼロファイブの三体である。そのうち、三体は旧トルコにいるのでアルカテイルの守りという意味では数には入れられない。とすれば無事なのは三体のみ、比較的軽傷のゼロスリーを入れても四体だけなのである。
「もうじき補充が来て忙しくなるところ申し訳ないのですが、ゼロゼロ、ゼロファイブの修理を急いでお願いします。ゼロワンについては先送りでも仕方ないと思っています。この機体は低重心化もまだですからね。それこそフレームをむき身にするところまでバラさないといけないでしょうから」
ゼロワンは事実上、最後の第一世代である。だが、今回サブプロセッサー、コアユニットともに死亡が確認された。それはつまるところの第二世代化を施さないといけない。システムとしては先の手術で組み込んであるのでさぼと難しくはないのだろうが、いかんせん研究所とはいえ整備クルーの数にも限界というものがある。
先ほどの話ではないが、サブプロセッサー周りの実装はすべて研究所が一任されている。本国から補充のレイドライバーが来てその作業をしながらゼロゼロ、ゼロファイブの機体を直しつつ、ゼロワンを改修するとなると流石にオーバーワークである。
――まぁ、向こうさんも直ぐには仕掛けてこないと思うけど。
カズはこれからの事を考えていた。
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