42.気になる話、とな。それは?-無人機が存在する、そういう話だな?-
全48話です
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「気になる話、とな。それは?」
と返って来るので、
「私は陣頭指揮を執りながら戦況を見ていました。もしかしたら閣下もお気づきかもしれませんが、相手には」
とまで出た言葉に、
「無人機が存在する、そういう話だな?」
と返す。クラウディアがそれに[はい、そう見えるのですが]と返すと、
「確かにコックピットを直撃しているにもかかわらず相手は動いていた。それは事実だ。ではクラウディア君、どういうカラクリが考えられるかね?」
と質問される。そこでクラウディアは、
「まず考えられるのが遠隔操作、という点でしょう。これが一番現実的です。ですが、遠隔操縦というのは実機とのラグが存在します。事実、アルカテイル基地攻防の際に我々も一度遠隔で操縦をしました。確かに急づくりではありましたがそれなりに練習もこなしました。その部下たちをして[アレは難しい]と言ったので……」
クラウディアはハッと息をのむ。
クロイツェルが[私に気兼ねは不要だ。我々はそれだけの時間を一緒に過ごして、それだけの関係を築けていると信じているが?]との言葉に、
「すみません、では続けます。部下が言うにはレイドライバーの遠隔操縦というのは、処理しなければ入れないタスクが多くてとても大変だ、との事でした。それから考えるに、あそこで展開していた全機が無線操縦というのは考えにくいか、と」
クラウディアはそう告げる。クロイツェルは[うーん]とひと唸りしてから、
「では別の事が考えられるかもしれない?」
と尋ねるので、
「こればかりは何ともわかりかねるのですが、何体かは無線操縦、そして何体かは別の可能性が考えられるのかな、と」
と答える。
「それは?」
「我々も研究している、自我を持った生体コンピューターの可能性です。そして、コックピットに直撃弾を受けてなお動いたというところからすれば」
「脳みそだけの存在、か」
とクロイツェルが締める。彼はまたしばらく[うーん]と唸ってから、
「我々もその辺りの研究はしている。事実、自我はなくなれど最新鋭機にも、それこそ我々のレイドライバーにも脳みそだけの存在は搭載されている。確かにありうる話だ。自我があれば自立行動が執れる。自立行動が執れれば、それは既に[無人機]という奴だ。そうか、我々も少しばかり考えないとな」
と返す。クラウディアは、
「言いにくいのですが、我々は脳科学では後れを取っています。事実、日本から連れ出した研究員も重要なセクションには関わっていない、確かそうでしたよね?」
クラウディアはそこまでクロイツェルと行動を共にしているのである。だからこそ、そういった秘密にも携わっている。事実、クロイツェルは[私の補佐として働いてもらうつもりでいる]とまで言っているのだから。
「そうだ。日本の研究員は重要な人間たちは既に旧米国が接収したあとだったからな。残された研究データも改ざんされていた。その洗い出しには苦労させられたが、一定の成果も得られた。それをしてもまだ我々は脳の最深部へは到達していないのだよ。同盟連合はその辺り、一歩、いや二歩半ほどリードしているのだろうな」
と告げてから、
「よし分かった。その辺りに重点を置いて研究を加速させよう。幸い、検体ならゴマンといるからな」
クロイツェルはそう言うと[何にせよ、先ず戻って来たまえ。詳しい話はそれからだ]とクラウディアに言ったのだ。
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