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40.うーん、まずまずと言ったところかな-旧トルコ方面はどうしましょうか?-

全48話予定です


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です


「うーん、まずまずと言ったところかな」


 少し離れたジュケーで一部始終を見ていたクロイツェル参謀はそんな独り言を言っていた。彼は状況判断が出来ない人物ではない。状況を見て、戦況を見て[まずまず]と言ったのだ。ここにクラウディアがいれば、


[どう見るね]


 くらいの事は言っていただろう。だが、クラウディアは実際にレイドライバーに乗って陣頭指揮に当たっている。彼女には[深追いするな]と言い聞かせてある。今回は敵の勢力を図る目的と、出来るだけの漸減、それが主目的なのだから。


「上の人間はこれくらいがちょうどいいのだろうな。こちらがヘタにここで戦力を減らしても嫌がるだろうし、こちらが戦力を減らすのは元々が論外だからな。ジュケーという後ろも控えている、これで手打ちとしようではないか」


 クロイツェルは無線を繋いでクラウディアと話していた。この回線は彼女しか聞こえていない。それくらいクロイツェルという人物はクラウディアという人物を傍に置く事にしたのである。


「何とか一糸は報いたつもりですが、例の二体は喪失してしまいました、すみません」


 素直にクラウディアが応じると、


「いや、いいんだ。きみには言っただろう[使いつぶしてもいい。単独先行させて囮にするもよし]とな。それに少ない量ではあるものの情報の受信に成功している。それはこれからの課題だよ」


 と答える。その声は決して落胆している者のそれではない。


「あの様子なら大破、とまで行かないものの、もしかしたらパイロットを死傷させられたかもしれない。片割れは腕をやったからな。まぁ、どちらにせよ直さない限り使い物にならんだろう。という事は、またしばらく時間が稼げるというものだよ」


 やはり機嫌は悪くないようだ。


「旧トルコ方面はどうしましょうか?」


 クラウディアがそう尋ねると、


「生き残ったのは二体、イリーナ君とシュエメイ君……だったかな、まぁ、散っていった二人には悪いがあの二人ならそうそう撃破にはならんだろう。二体は火種として取っておくことにするよ。それに」


 それはつまり撤退しない、というのを示している。撤退せずに現地でとどまり、膠着状態を作り出す。そうすれば少なくとも敵レイドライバーの足止めにはなる。


「しかし、相手は三体との情報が入ってきました。その辺りはどうされますか?」


「そう、こちらは二体で向こうは三体。これはパワーバランスが悪い。しかし、うち一体は北上したとの情報が降りて来ている。旧アルメニアから送り出した大陸ご自慢の最新鋭の戦車部隊に反応してくれたようだ。まぁ、善戦はするだろうよ、何しろある程度のレイドライバー戦を想定して作られた戦車隊だからな」


「例の、旧アルゼンチン戦の際に本国に出向いていたあの話ですか。おぉ、形になったんですね」


 帝国はその辺りにも気を配っていたのだ。機械化部隊、つまりは戦車隊というのはどうしても俊敏に動くレイドライバーとは相性が悪い。照準を、と言っても直ぐに逃げられるし、いくらこちらが移動を繰り返していても、敵は直ぐに照準を合わせて狙ってくる。


 ではどうすべきか。


 帝国は、ずっとレイドライバーに太刀打ち、とまで言わないもののやられにくい構造を模索していた。それは対戦車戦においても重要になる。敵のレイドライバーへの対策、それは構造を四角から三角にするというものだ。


 戦車は四角い。それはどの国でも同じだろう。だが、その前面を少し削って三角形にしてみたらどうか。レイドライバーの全長は約八メートル。これは少し車高の高い戦車と考えてもいいのではないか。


 そこで側面から見て形状を三角形にした戦車を対峙させる。相手が打った弾は四角形の時よりも弾きやすくなる。そう、入射角が浅くなるため弾を弾けるのだ。


 四角形の時は入射角がほぼ九十度とは言わないものの、ほぼ直角に当たるから必然、貫通もしくは破壊となるのだが、相手の弾を弾けるようになればこちらにも勝機が、とまで言わないものの撃破率は下がるだろう。そしてレイドライバーに対抗する武器、それは主砲に並んで装備された小型のミサイルランチャーである。


 これは小型の誘導式ミサイルで、一発ずつの威力は戦車の主砲には及ばないものの、相手にそれなりのダメージを与えられる。レイドライバーは基本的に二足歩行のヒト型をしている。誘導ミサイルを四肢に向けて撃てばどうなるか。たとえ一発でも当たれば相手の行動を封じることが出来る。


 敵が動けなくなれば、もうこちらのものである。それこそ嬲り殺しにだって出来るし、もしかしたら鹵獲の可能性だってある。


 そんな最新型の戦車部隊を大陸から送り込んだのだ。


 実際にこの戦車部隊は、対戦車戦においても非常に優秀な成績を収めた。相手の弾はことごとく弾いて、ミサイルの有用性も、相手の車軸をことごとく破壊するという成果を確認できたのだ。


全48話予定です


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