4.今回、帝国の狙いは何だっただろうか-ほんのちょっとだけの[道]-
全48話予定です
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どういう事か。
今回、帝国の狙いは何だっただろうか。
それは大陸の国々である本国からアフリカ大陸への[道]を作る事だ。そうすれば軍事物資を、大手を振ってほぼ陸路で往来させられる。という点を勘案すれば、何も国土の広い旧トルコを、旧NATOの主要国であった旧トルコをすべて占領する、などというのは得策ではないのだ。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけの[道]を作って、その土地を割譲させればよいのである。
必然的にターゲットは旧トルコの東側、共和国領である旧イランとの境の土地を戴く、それに尽きる。
それは詰まるところの旧トルコ軍、現在の同盟連合軍と旧シリア軍、現在の帝国軍との戦闘を意味している。その中の一つとしてレイドライバーの参戦、というのがあるのだ。
各所でも出ているが、一度は同盟連合から失われたエルミダスという土地を、たったの四体で落とし、なおかつそれを取り戻さんとする帝国の大隊規模な機械化部隊を何度も返り討ちにしている兵器である。
それは帝国にだって言える。最近の話で言えば、たった二体で旧アルゼンチンの主要軍事基地を落とし、帝国に一年間という時間を手中に収めさせたその兵器である。
それほどにレイドライバーという兵器は陸上戦闘において無類の兵器、となるのだろう。今までの戦車や歩兵に代わる[重歩兵]とでも呼ぶのだろうか、そんな存在である。
それほどに性能の高いレイドライバーだが、弱点も存在する。それは[囲まれたら弱い]という点だ。だがそれは、どんな兵器にしたって言える話だ。
例えば戦車。
前側や側面には強いが、仮に四方を囲まれて一斉射されたらどうだろうか。おそらく回避行動すらままならないうちに撃破、となるであろう。つまるところ、それはどんなに優秀な兵器にだって言える話なのだ。
帝国の今回の狙いはあくまで大陸からの[道]の確保、それに尽きるのである。
――道、か。もし仮にそれが成功したとしても、それを維持するのにも駐屯は必要だろう。それなりの規模の機械化部隊は当然として、レイドライバーも駐屯、となるのか。そうすればもしかしたら。
イリーナは自分が隊に帰らずに済む口実が欲しいのだ。
だが。
「戦場はここだけではない。まだ未定の部分もあるが、火種はそこらかしこに付けていくつもりである」
とクラウディアに言われてしまう。
そう、何回か戦闘を経験したイリーナではある。だがしかし、部隊では腫れ物という扱いを受けている彼女は、もしも帝国が晴れて[道]を確保できたとしても別の戦場へ、という可能性の方が高いのだ。
戦闘を繰り返せば、それだけ負傷や戦死の可能性も出てくるだろう。負傷はまだいい、命があればパイロットは優先的に修繕され、腕だろうが脚だろうがくっつけてくれるだろうし、何とでもしてくれるから。
問題は戦死の方である。
――あの鬼畜がどんな手段に出てくるか。
そう考えながらイリーナは身震いする。それほど彼女の中で捕虜として暮らした数週間は深く、心の奥深くに刻まれているのである。
「そう、これは第四弾であると同時に同盟連合や共和国から世界を奪還する為の戦いの始まりなのだ」
クラウディアがそう言うが、
――確かに戦火は有難い。部隊から離れられるから。しかし、戦死だけは避けたい。そんな都合のいい戦場があるだろうか。あるいは……。
イリーナの心の中に染み出た一つの考え。それはとても罪悪感を負うと同時にとても目的に合致している考えなのだ。
――いざとなったら、誰かを盾にして。
ふとそんな事を考えている自分が恐ろしい、イリーナはそんな自問自答をしていた。
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