29.その頃、カズは二対二の戦闘をしていた-各個撃破しつつもけん制しようか-
全48話予定です
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その頃、カズは二対二の戦闘をしていた。自分の機体は完全無人機だ、なんなら前衛に出られる。
だからだろう、射撃管制はすべてゼロシックスに任せればいい。そしてレベッカは最低限の操作だけしていればいい。レベッカは本当ならまだ安静にしていなければならないレベルの負傷を負っていたのだから。
「ゼロシックス、取り合えず各個撃破しつつもけん制しようか」
と専用回線で問えば、
「了解しました。虫は潰さないといけませんからね」
笑っていた。既にそのモードになっているのだろう、敵二体のうち先行している個体に照準が出た。
――まぁ、それが妥当だわな。
おそらくゼロゼロもそう判断するだろう。かといって先行している機体だけを集中的に狙ったのでは隙を突かれて懐に飛び込まれないとも限らない。
だから、
「私が後ろを担当します。マスターは前方を」
その言葉だけでやり取りは十分だ。カズか操っている機体はガトリングガン装備、片やゼロシックスの装備はある程度の精密射撃の出来るマシンガンである。
だったら、
「よーし、ばら撒くぞぉ」
その言葉と共にガトリングガンの砲身が勢い良く回転し始める。毎分千発近い弾丸を打ち出せる兵器だ、その掃射だからたまったものではないだろう。もちろん、一発一発の威力は低めだ。だが、それを補ってもなお有り余る兵器というところか。そんな兵器にも欠点はある。それは動きが制限されるところだろう。何と言っても[重い]のである。だが、防衛戦をするにはもってこいの武器ともいえる。いわゆる[固定砲台]として機能するのだから。
[ヴーン]
という音と共に弾丸がばら撒かれる。先行する相手にそれは集中して当たる。相手は盾装備にリアクティブアーマーを装備しているものの、弾丸が当たったところから連鎖的に作動していく。リアクティブアーマーの欠点としては、受ける弾丸の種類を選べないというところか。つまりは相手がどんな弾丸を放っても命中すればそれが作動してしまうのである。
相手は、盾で守れない部分のリアクティブアーマーがどんどん無効化されていく。それは傍目で見ても分かるものだ。何故なら、リアクティブアーマーというのは指向性の爆薬で、飛んで来た飛来物の方向にのみ爆発する事で本体にダメージが行かないようにするという装備なのだ。必然、弾が当たったところは爆発するので見て分かるのである。
だが、相手はひるまなかった。盾をまるで傘のようにこちらに向けてそのまま突き進んで、まるで一体でもいいから道連れにしよう、そんな気概すら感じる動きなのだ。
――このパイロットは死に対する恐怖が、無い?
そうカズが思えるほどにその突進とも呼べる行動は止まるところを知らない。
「ヤバいな、ちょっと当てる場所を変えるか」
カズはそんな、独り言ともつかない言葉を発すると、突進してくる相手の脚部に照準を合わせた。
レイドライバーという兵器の弱い部分である。ワンワンのようなケンタウロス型であれば一本くらい脚部が損傷しても戦闘続行になるのだが、二足歩行型のレイドライバーはそうもいかない。そして相手の動きは少しばかり単調であった。
いくら腰を低くして盾を前面に出していても、その足元は完全には防ぎきれていない。そこをガトリングガンで掃射していく。
その間もゼロシックスは後方の敵を効果的に狙っている。初めは隙が出来た頭部を吹き飛ばし、次にリアクティブアーマーの効果を少しずつ削いでいく。
相手だって、ただ単に突っ込んできている訳ではない。反撃は当然しているし、何なら弾切れになるんじゃあないか、と思えるほど連射してきている。その照準は腐ってもコンピューターを積んでいるだけあって正確だ。
そう、正確に予備機のコックピット付近を狙っているのである。
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