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22.それにしても向こうも呼び鈴を鳴らすとはね-無駄死にだけは絶対にさせないよ-

全48話予定です


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です


 その頃、カズはカズで無人のレイドライバーを操作していた。


 何しろ操縦を、と言っても急ごしらえの、それも今までのようにコアユニットが動かしているような状況でもなければ、今回はサポートに入るべき存在のサブプロセッサーさえいない。本当に索敵から照準まで自分で動かしているのだ。幸いなのは、姿勢制御の部分はあらかじめ搭載されているサブコンピューターがやってくれる、というところか。これはどのレイドライバーにも搭載されているコンピューターだ。流石に姿勢制御までサブプロセッサーやパイロットにさせていたのでは、肝心の戦闘がおろそかになってしまう。


 ――いやー、サブプロセッサーなしでの操縦法を事前に学んでおいて良かったよ。


 研究所でそんな話が出た時に、限りなく自分が乗っていた時の体感に近づけてセッティングをしたかいがあったというものだ。


「それにしても向こうも呼び鈴を鳴らすとはね」


 いつもはゼロゼロが話し相手だったのだが、今回は違う。完全無人の機体を一体、コンピューターも無しに自力で操らねばならないのだから、それは大変な話である。いつもであれば全周警戒に武器選択、姿勢制御に至るまで大半はサブプロセッサーが管理している部分をすべて自分で、なのだからそれは大変なのである。


 しかし、カズは元々パイロットだ。その辺りは感覚さえつかめてしまえば、運動系統は多少の違和感、つまりは[独特の間]はあるものの何とか形には出来る。であれば全周警戒と照準の管理をゼロシックスに任せてしまえばいい。確かにパイロットのレベッカはまだ前回の傷が癒えていない状態での出陣になる。だから後方に下がらせたのだが、まさか相手もアルカテイルの玄関に来訪するとは。


 ――まぁ、レイドライバーという兵器に関わった……のは自分の意志ではないんだけど、関わってしまったからには頑張ってもらわないと。だけど無駄死にだけは絶対にさせないよ。


 カズはパイロットである前にレイドライバー部隊の作戦指揮官である。そして今回の戦線もレイドライバーは派兵された。その場合、命令系統に割り込むことが出来る。それは同盟連合の[暗黙の了解]事項になっている。そんな特例が実現したのも日本奪還作戦の華々しい[お披露目]があっての事である。


[あんなに強い兵器と連携を取るなら一時的にでも作戦指揮に入って然るべき]


 そんな空気が上官の命令と共に立ち込めたのは事実である。


 少なくとも現在のアルカテイル基地に所属している味方兵器に一時的な作戦の割り込みは常に可能になっている。第一、その最高指揮官の基地司令が[それでよし]と言っているのだから、部隊各員もそこは素直に従うというものである。


 アルカテイルはさておいても、それだけレイドライバーという兵器の活躍は日本奪還作戦という晴れ舞台で全世界の、皆の注目を引く形となった。


 そんなカズ率いる二体は、帝国のレイドライバー二体と対峙していた。


 ――さて、どんな人間が寄越されたのか。


 一番考えられるのは使い潰せる新人であろうと推測される。何故なら敵基地正面という場所にたったの二体という少数で現れたのだ。もしもこちらが二体以上の数を擁していたら? それに帝国がこちらの数を正確に推測出来たとしても、単独で撤退しなければならないのだ。そんな敵情に単独投入されたという事実を考えれば、やはり新人か、それに類する部類のものだろうと考えるのが自然だ。


 敵は途中まで身を隠してはいたものの、こちらが接近に気が付けたのだ。それはひとえに同盟連合が以前に接収した[例のシート]の解析によるところが大きい。

 例のシート。これは格子模様のシートで、こちらがスキャンした、熱線、X線、電磁波の、いずれの方法でも検知不可能なシートなのだ。


 確かに、熱線を出さないようにするシートは既に一般的に普及しているが、ここまでのステルス性能のあるものは、当時は同盟連合にはまだなかった技術だった。


 しかし、アルカテイル防衛の際、イリーナの乗った機体から採取されたシートの破片を解析し、特定の周波数の電波になら反応するという事実が分かった。新兵器というのは、それ単体では恐怖であるが、カラクリが知られてしまって対策が取れる、となれはただの通常兵器でしかないのだ。


 そして同盟連合には解明してから、策敵の対象にその周波数での電波探索が加えられたのである。


 だから敵の射程に入る少しだけ手前で気が付けたのだ。


 ――残念、こっちはベテランがいるんだよ。


 カズはそんな事を考えながら武器を構えてトリガーを引いた。


全48話予定です


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