21.低重心化-最重要区画である部分を腰下まで下げる-
全48話予定です
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確かに第一世代のレイドライバーには背中はウィークポイントであった。それはコアユニットという[部品]が存在したからだ。それから行われた様々な戦闘や研究の結果、現在はレイリア・ルーデンバッハが搭乗するゼロワン以外はすべて改修を受け、第二世代化している。そして、第二世代型というのは背中の装甲が抜本的に見直された。
具体的には、背中というのは今でも両腕を動かしたり、頭部を動かしたりという重要区画ではあるのだが、合わせて順次行われた低重心化という改装によってその持つ重要度が少し低くなっているのである。
低重心化。
これはレイドライバーにとって最重要区画である部分を腰下まで下げる、というものだ。サブプロセッサーの搭載場所は現在、パイロットシートのお尻の部分である。そして両脚の駆動部も腰下にある。動力源であるバッテリーの一部は腰回りに装備されている。それはつまるところ、仮にパイロットに致命傷があっても、サブプロセッサーさえ生きていれば、たとえレイドライバーの両腕や頭部を失っても、サブプロセッサーと腰下の部位が無事なら自力で移動、撤退等の行動が採れるのである。
この改修は順次行われていて、現在ではゼロワン以外はほとんどこの形式が採られている。ゼロワンと共に最後まで第一世代のままだったゼロゼロも、先のコアユニット摘出の際に近代化改修を受けていた。
つまりはゼロゼロが意識があり、脚部に被弾していないという事は、少なくとも独立行動が採れる、というのを意味している。
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ゼロゼロは各部の被害状況を、センサーをフル活用して分析に勤めた。その結果、頭部と左腕、それからコックピットを損傷しているものの、まだ活動が可能である、という結論に至ったのだ。
――これって、カズ君が乗っていたら即死の可能性だってある。相手はこちら側のリアクティブアーマーを想定していたのだろう、以前に作戦中にゼロツーやゼロスリーが狙撃されたのと同様か、それ以上の威力を付けた徹甲弾を使用しているんだろうな、リアクティブアーマーでも威力を相殺出来ないほどの貫通力を示している。
と分析にふけっていた。
その思考の時間は、実際時間としてはほんの数秒なのだが。
「そうだ、ゼロファイブは?」
と我に返って声をかけると、
「ゼロ、ゼロ、殿。私、やられて、しまった、ようでありま、す」
途切れ途切れの、明らかに様子のおかしいエレンの声がする。
「ゼロファイブは?」
と尋ねれば、
「私は無事です。ただ、エレンが……」
と言って黙る。
「カズ君、応答を」
と言っても、
「ゴメン、こっちにも敵が二体現れた。今は取り込み中なんだ、一時的にに全権を任せるから何とか対応出来るかな」
と返って来る。
ゼロゼロの、襟坂恵美の一番嫌いな[自発行動]が求められているのだ。カズはゼロゼロに作戦指揮を任せる、と言ってきたのだ。それはこれからの行動を自分で決めなければならないのである。
――そう考えれば、私は本当に頼ってばかりだったんだね。でも、そんなカズ君がレイリアちゃんを置いても、クリスちゃんを置いても私に委ねたんだ、それにはちゃんと応えるべきなんだろうな。
ゼロゼロは考える。この状況で執れる一番の作戦は? このまま侵攻か? いや、事前の話では呼び鈴を鳴らすだけだった。そして呼び鈴は確かに鳴り、敵がこうして現れた。
正面に四体、アルカテイルに現在二体、そして狙撃が数体。おそらく弾数からして二体だろう。旧トルコには四体いると聞いている。
――相手のレイドライバーの総数は十二体、これがすべてのハズ。
ならば。
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