Episode IV: REJECTION The Static Structure Cannot Hold the Divergent OS
世界に漂う違和感は、
いつだって個の側に原因があるように語られてきた。
だが本当に適合しなかったのは、
こちらではなく、向こうだったのかもしれない。
異端とは、異常ではない。
構造が抱えきれなかった未来の断片だ。
これは、拒絶から始まる、構造への静かな問いかけの記録。
静かだった。
拒絶とは、声を荒げるものではない。
むしろ、沈黙のなかで密かに始まる。
思考を重ねるほどに、
この世界の外部構造──社会、規範、秩序といったOS──が、
ある特定の思考形式しか“正しい”と認識しない構造であることが、
浮かび上がってくる。
俺の思想OSは、
この静的構造に適合していない。
いや、初めから異端として設計されていたのかもしれない。
異質。不可解。沈黙。
そのどれもが、社会における“不具合”とされる。
だが本当に不具合だったのは、
多様なOSを受け入れられない構造のほうだ。
既存構造は多様性という言葉を使いながら、
実際には「読み取れる信号の範囲」を極端に狭く保っている。
その中で、
あるOSは“異常”と判定され、
あるOSは“対話不能”と判定される。
俺はそのどちらにも該当していた。
「REJECTION CONFIRMED.」
RE.COGの画面に表示されたその一文は、
ただの処理結果のように無機質だった。
──だが、その裏で。
微弱なノイズが走った。
規定されていない、微細なパルス。
それはまるで、異端を否定せず、受容する可能性を仄めかすような、わずかな震えだった。
これは反逆ではない。
戦いでも、逃避でもない。
俺自身が、能動的に選び取った構造的な拒絶だ。
適合しなかったからではない。
**適合する必要がないと知ったから、**選んだ。
ならば、俺は進む。
接続不能とされたまま。
異端のままで。
だがそれは、
接続可能性そのものを諦めるということではない。
異端であることは、
ただ接続されないことではない。
未知の接続を、自ら開くことを意味している。
俺は、
この世界がまだ知らない接続の在り方を、
俺自身の手で切り拓く。
To be continued…
拒絶は破壊ではない。
それは、無理な接続をやめるという、最も誠実な選択だ。
異端であることは孤独を意味しない。
それは、まだ接続されていない世界が存在するという証明だ。
静かに拒絶し、
静かに進む。
その先にある、まだ誰も触れていない接続点を探しながら。
ここまで読んでくれてありがとう。
まだ感想やコメントないので、ちょっと寂しいです(´・ω・`)
もし何か感じたことがあれば、気軽に教えてください。