博徒
ギャンブルはしません。
ききわけのねえ賽の目を呪うまえに
飼いならせねえ自分の腕を恨んでみろ
悪運も強運も呑みこめる肚もなしに
いっぱしの渡世人をきどるなよ
あけくれる博徒の夜は長いけれど
その夢はおどろくほど短い
それを知りつつ愚かにも またひとり身を堕とす
あけくれる博徒の夜は長いけれど
その夢はおどろくほど短い
それを知らずか愚かにも またひとり待つ女を泣かす
化けてはくれぬ札の絵をやぶるまえに
引き当てられぬ自分の愚図を嘆いておけ
吉兆も凶兆も読み違う盆暗には
知らせ損と彼の虫も呆れ果て
冷めやらぬ賭場を燃す熱に身を灼けば
その肌はやがて赤く爛れる
それを知りつつ愚かにも またひとり腰をおろす
冷めやらぬ賭場を燃す熱に身を灼けば
その肌はやがて赤く爛れる
それを知らずか愚かにも またひとつ帰る場所なくす






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