1.幼なじみは正義
どうも初めまして。はなねこと言います。
これが僕の初めての作品なので多めに見てください。
「幼ななじみは正義だと思わないか!?」
「テンション上がってるところ申し訳ないんだけど、周りからの視線が痛いんですけ
ど」
昼休み、騒がしい教室に静寂が訪れた。
クラス中がこちらを見ている。
「あはは……何この空気」
「お前のせいだぞ」
クラスのみんなが苦笑いをし教室の空気は元に戻った。
「もうお前テンション上がるといつも声がデカいんだから」
「ごめんごめん。配慮するよ」
「ほんとに頼むぜ?」
今俺が会話しているコイツは友人の倉田優樹。
中学からの友人でクラスも今現在までずっと一緒で基本的には誰でも優しいクラスのお調子者的な存在だ。
「で、さっきの話の続きなんだけど」
「幼なじみは正義!だっけ?」
「そうそう。幼なじみっていいよな」
優樹には幼なじみという存在がいないらしく最近はずっとこんなことを言っている。
「まあ確かにいいけど……お前の想像してる幼なじみって2次元のだろ?」
「そうだけど……三次元にもいたらいいなってことだよ!」
俺は優樹の話を適当に流し、トイレに行こうと席を立ち教室から廊下に出た。
俺が廊下を歩いているとかわいらしい声が背中から聞こえた。とっさに振り返ると一人の女の子がこちらを見つめていた。
「やっほー蒼汰」
「ああ舞か。よっ!」
散々優樹には幼なじみがどうとか言ったが、実は俺には小学生の時から仲の良い幼なじみがいる。それが今かわいらしい声で話しかけてきた星川舞だ。彼女は容姿端麗で成績優秀、みんなに優しい八方美人だ。おまけに低身長で巨乳という属性まで持っている。まさに二次元を具現化したような存在だ。
「舞かって……私じゃダメだったの?」
「別にそういう意味で言ったんじゃないよ」
「本当?なら許そう」
彼女がその豊満な胸を張りながら偉そうに言う。
「ところで何か用だったのか?」
「うん。もし放課後予定ないんだったら一緒にファミレス行かない?」
「俺は特に予定ないし全然大丈夫だぞ」
「ありがとっ!」
彼女はそう声高に礼を言った。ちなみに俺は部活やサークルに入っている訳でもないし、バイトをしている訳でもないのでいつも予定がない。中学のときは部活が強制だったため昔から興味があった剣道部に入っていた。しかし高校生になり部活が強制でなくなると、持ち前の面倒くさがりな一面を発揮し剣道をあっさり辞めてしまった。そんな俺とは違い舞は茶道部に所属しており日々部活に励んでいる。
「そういえば放課後どこ集合にする?現地集合か?」
「うーん……」
舞は顎に手を当てながら集合場所を考えている。
何かを考えるとき顎に手を当てるのが彼女の癖だった。
「決めた!私が蒼汰のクラスに行くね!」
そう言われた瞬間俺の心拍数が一気に上昇した。
(それって俺と一緒に帰るってことだよな……?)
「おーい蒼汰。大丈夫?」
「へっ!」
俺は舞に不意に舞に声をかけられたため声が裏返ってしまった。
「アハハ!どうしちゃったの急に?声裏返っちゃってるよ」
「何でもないんだ気にしないでくれ」
俺は顔を赤くしたまま答えた。
「流石にクラスに来て一緒に帰るってなったら付き合ってるって思われるかもしれないからやめないか?」
「蒼汰は私と付き合ってるって思われちゃ嫌なことでもあるの?」
と言いながら上目使いでこちらを見つめてきた。
(なにそれ!?かわいすぎるんですけど!?)
俺は悶絶しながらも冷静を装って舞に言った。
「いや全然。でも舞ってかわいいから男子人気高いと思うし俺なんかと帰ったら他の男子に嫉妬されちゃうと思うし」
「心遣いありがとっ!でも私は蒼汰と一緒に帰りたいな」
(マジ天使過ぎて心臓が……!もしかして俺今一番青春してる……?)
「じゃあ授業が終わったら行くから待っててね!」
そう一言言って舞は自分の教室へ戻っていった。
俺は舞が教室へ入るのを確認しガッツポーズをした。廊下を通る人からはすごい目で見られている。完全に先程の優樹状態だ。
さて遅くなったが自己紹介をしよう。俺は二階堂蒼汰。普通の私立高校に通う高校二年生だ。数秒間ガッツポーズを続けていた俺は周りの状況に気付き恥ずかしくなりトイレへとダッシュした。
「かわいいって……バカ……」
と恥ずかしそうに窓の外を見つめて独り言を言う女の子がいた。
読んでいただきありがとうございました。
初心者なりに頑張ってこの作品を完成させたいと思っています。
よろしければ応援よろしくお願いします。