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リオン -剣術使い-  作者: 笹沢 莉瑠
第二章 闇にて継がれる、歴史の名
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【第2章1】死と剣と精霊

※注意※

この先は、まだ改稿されておりません。特に一章はまだ未完かつ、手をつける前との落差が激しいです。

さらに読みすすめていく場合は、その点をご了承ください。あまり初見の方には、おすすめできません。

 闇夜は寒空の下、凍えるような冷気に覆われていた。しかし、

そんな寒気にも負けずリアンビルは、月光に照らされた道を白い息を吐きながら走っていた。

その時、嫌な予感が奔った。

(この気配、誰かがリオン先生宅に忍び込んだ・・・・・・?こうしちゃいられねぇ!)


リアンビルはリオンの屋敷の裏口から静かに入り、武器庫の鍵をブレスレッドに編みこんだ

針金でこじ開け、鉄剣を取り出し、急ぎ足ながらも軽やかに草の、砂利の、こすれあう音さえ

させず、リオンの寝泊りをする離れへ向かった。その時門のほうから人の気配がしたので

さっと物陰に隠れた。

「ここが、あの有名すぎるフェブリーヤ家の頭首の家かぁ。」

「おい!無駄口叩いてんなら、剣でも投げ捨てて立ち去れ!・・・・・・の依頼なんだぞ?!」

「わかってますってば、隊長。」

「隊長殿、ここでよろしいのかな。確認できれば直ぐにでも奇襲をかけますぞ。」

リアンビルはさっと青ざめた。そして奴らに気づかれないようにそろそろと走り、

離れに着いた。離れの扉はもともと鍵がついていないためそっと押して入り、その場にあった

物で扉をふさぎ出来る限り時間が稼げるようにした。いつか、一度だけ入った事のある

リオンの部屋までの道のりを頭の中で地図化しながら走った。


リオンの部屋の前まで来た。奇襲をかけに来た奴らの気配がこちら側に向かってきていた。

いや、もう近かった。離れの入口近くにいる。リアンビルはドアノブを静かに急いで開いた。

「先生・・・・・・。」

「私はこの日、このときにこの世と縁を切られるのです。そんなこと、あなたが『剣の習い』を

始めた頃に知ったのよ。ビル、あなたは初代から今までの中でも特に秀でた者になる事でしょう。」

「せっ先生?・・・・・・何を俺に託すつもりで・・・・・・・・・・・・?」

「15代目此処に生まれ変わらん。我が託す道しるべ見落とす事のなきよう。

汝ばリーディアに平和を求めん。国ば剣を求めたし。汝ば其の担いをわすれんことを

我求めたらん。新しきリオン・フェブリーヤよ!汝の下に栄光と輝きがもたらせん事を!」

その時リオンの瞳は青から茶色になり、リアンビルの瞳が茶色から青へと変わった。だが、

そんな事など気づきはしなかった。あの奴らが駆け込んできた。


「さあ、行きなさい!ビル、私の最期を見送るつもりじゃないでしょうね?」

リオンは声がカラカラになりながらも言った。リアンビルは、突然剣の重みが片手に

ずしりとかかってきた。そこで両手に持ち直した。

「先生、このままただ事切れるまで外で待っていろといわれる筋合いはありません!

先生は死ぬまでリオン・フェブリーヤの名誉を背負っているんですよ、諦めてはいけない。」

「諦めた訳じゃないわ。これは運命なのよ、絶対に変えることなど出来ない運命。

さあ、奇襲をかけにいらっしゃったヒーディオン国突撃部隊の皆さん、これを外部からの刺客の仕業、見せかけて事件に施して。ビルは外に出して。」

リアンビルは本人が気づかない宝石のような青い瞳を潤ませた。そして大粒の涙が頬を伝わり

顎を伝わり、床へ落ちた。

「せっせんせい・・・・・・、最期までここに・・・・・・・・・・・・いさせてください。」

「あなたはここにいて欲しく有りません。だって・・・・・・だって悲しみが溢れてしまうもの。」

そういってリオンは顔を両手で覆った。涙の水滴が手を伝って床に落ちた。

ボタボタと大粒の涙は床の一部をぬらしていった。


「リオン殿、儀式は?」

ヒーディオン国突撃部隊の副隊長らしき人が涙が枯れ始めた頃に言った。

「簡易ですが終えました。あの子は自覚してないようですが、瞳を見れば分かります。」

「では次代はどうしますか。」

「やっぱり外へ・・・・・・、御願い。」

リオンが悲痛な声で言うと、リアンビルは、今度ばかりは従った。そして部屋を出る際に

振り返って、いつもの無邪気な笑顔で涙を流しながら言った。

「リオン先生、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとう!」

リオンは悲しげに微笑んで目を閉じた―――。


リアンビルはリオンの部屋を出た直ぐの廊下の壁に寄りかかっていた。

窓が向かい側にあって月光をとおしていた。

「ほれ、次代。リオン様からの最後の伝言だ。」

リアンビルはこの人たちが自分の事を次代、次代と呼ぶのに遺憾を覚えていたが、不思議としっくり来た。理由はわからない。

そういってヒーディオン国突撃部隊隊長らしき人物は羊皮紙をリアンビルに渡した。


”親愛なるビルへ

このようにむりやり出してしまってごめんなさい でもこうしないとあなたは強情張るから・・・

あなたに武器庫の、純銀製の柄に青い宝石の付いた剣と様々な金属で出来た刃に柄に赤い

宝石がついた剣を授けるわ 使い道はいつか分かる時がくるでしょう 鞘はいくらでもあるから持って行きなさい あなたに教えたかった事は沢山あるけどそれはあなた自身が知るべきだわ

幸運がペディア・アゴーリヴの御庇護の元でさんらんと輝きますように ジュディア”


「ジュディ・・・・・・ア?」

「リオン様が14代目になられる前のお名前だ。ああ、それとリオン様からお前をヒーディオン

軍に引き入れておけっていわれたんでな。お前を引きずってでも軍に入れる。それと

俺はヒア・マクシアンだ、宜しく願う。」

そういってヒアは敬礼した。

「リオン先生から言われたのなら従いますよ。マクシアンたいちょ〜う。」

リアンビルはおどけた調子で笑った。だが、瞳は笑っていなかった。

「無理するな、ビル。ほら剣を取って来い。」

ヒアは武器庫の鍵を投げてリアンビルに渡した。

リアンビルはキャッチして武器庫へ走った。武器庫の扉を開けると前に入ったときは

薄暗かったのに対し、今は月が窓越しに光を発していて明るかった。

中に入ると2つの武器が光り輝いていた。それはリオンからの伝言にあった剣だった。

リアンビルは剣に近づき手に取った。

シャラーンッ

剣の輝きはいっそう増した。持ったのは純銀製の青い宝石の埋め込まれた剣だった。


リアンビルが青い宝石に手をかざすときらめき、輝いた。

そして、女性の幻影が実際大に現れた。

(えっ?何だろう。これは?)

<初めまして、15代目よ。わたくしは真理を担う精霊アポシオンです。この姿はあなた以外の

どなたでもあろうとも見える事は有りません。一例を除いて。わたくしへの返答は思う事で

伝わりますのでそのことをご了承ください。わたくしは代々リオンの名を受け継ぎし者を

その者が思う真理へと導いてまいりました。では、あなたが思う真理とは何でありましょうか。>


精霊アポシオンは限りなく14代目リオンに似ていた。

(アポシオンよ・・・・・・。俺は本当にリオン先生の跡を継ぐ人間であるのでしょうか?

そして真理とは何に対しての真理でしょうか・・・・・・?)

<14代目がお選びになり、そしてこのわたくしと通じ合っているのですからあなたはもう

リオンであることは間違いないでしょう。2つ目の質問ですが、あなたがリオン15代目として

生きる事のなかで求める真理は何か、という事です。お答え願えますか。>

(はい、このリオンという名を受け継ぐ事で与えられたチャンスと名誉で平和を世界に求める

これが生きる意味です。それを心に受け止めながら世界を知り、どうすれば平和にたどり着くか考える事が真理へと導いてくれる道でしょう。)


<15代目、あなたが初めてです。自らの真理へと導いてくれる道を自ら見つけ出すことを

やってのけられたのは。・・・・・・14代目はもう少しで見つけられそうでしたが。>

その時、リアンビルの脳裏に、最後に見たリオンの悲しそうな笑みが浮かんだ。

(アポシオン、・・・・・・あなたなら分かるでしょうか。リオン先生が運命といって自ら

終わりを決めた事が何の為か。)

<信頼を、絆を信じる為です。>

「えっ_________?」

リアンビルは思わず声に出してしまった。そもそも予想がつかない答えをぼんやりと予想していたのだが、あまりにも単純で奥深い答えだった。


<信頼を担う精霊が宿る剣には赤い宝石が付いています。バロシオンに尋ねて御覧なさい。

信頼は、誰のためにあり、それをお互いでし合うためにはどうすればいいのか。>

アポシオンはそう伝えると消えた。リアンビルは『真理の剣』を丁度いい鞘に収め、『信頼の剣』を手に取った。『真理の剣』より重かった。

どうも笹川莉瑠です。少し解説的なものを今回載せたいと思います。

フェブリーヤ家は代々茶色の瞳なんですが、リオンの名を受け継ぐ者のみ碧眼なんです。

本文内に書きたかったんですが、なんとな〜くそれがわかるくらいにしか表現できませんでした。すいません。 では、続きをお楽しみくださいますよう。

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