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第19話 休息の1週間(4日目前編)

今回は少し会話が多めです

 三人がそれぞれ家に帰宅し、夜が明けた。


「竜也様、恵果様、本日はお二人についてきてもらいたい場所がございます。」


今日三人で向かう先はもちろん昨日俺が訪れゼウスと契約を交わしたあの祭壇の間である。


「俺たちに来てもらいたい場所?」


竜也が首をかしげるとサファイアは静かに立ち上がった。


「それについては行きながら説明をいたしますので。」


そういって家に玄関を出ると目の前が昨日来た祭壇へとつながる通路へ出た。通路はいかにもな紫色の石煉瓦でできており、通路は等間隔で置かれたろうそくによって照らされていた。その怪しげな通路を進んでいくとそこには昨日俺がゼウスと契約をした祭壇が見えてきた。


「なんだ?あの台みたいなやつは。」


「すごくまがまがしいけど…大丈夫なの?」


二人が祭壇の見た目に少々おびえているようだった。


「これからお二人には上位精霊【イフリート】と天使【ルシフェル】と契約を結んでいただきたいのです。」


サファイアの口から種子が説明をされ始めた。


「この契約を行うことでお二人は契約をした精霊や天使の力の一部を手に入れ、さらに強くなることができます。」


「じゃあ、普通にやればいいんじゃね?」


そう簡単に竜也が言い出したところでサファイアは本題を切り出した。


「残念ながら、この契約は完全なものではありません。この契約は危険を伴います。その危険とは契約を失敗してしまった場合、良くて寝たきり、悪い時には死んでしまう、そのような危険が伴います。そしてこの契約の失敗で受けた傷等は私共の力では回復させることができません。しかしそのリスクを乗り越えることで今までの成長限界を超えた力を得ることができます。」


「し、死ぬって…。」


「死んじゃうほど危険な契約なんて…。」


そういって二人は絶句をしてしまった。まぁそれは当たり前のことだろう。強くなれることはいいことだがその代償に自分たちが死んでしまうかもしれないのだから。


「サファイアさん、ちなみにどのぐらい失敗の可能性があるの…?」


恐る恐る、小さな声でそう言ったのは恵果だった。きっとこの可能性の大小によっては受けるつもりがあるのだろう。この死の伴う契約を…。


「お二人のお力でしたら成功率は7割といったところでしょうか。申し訳ありませんが、失敗を無視するのには低い確率になってしまいます。」


「そうですか…。ちょっと考えさせてください…。」


そういって恵果は竜也の腕を引きながらこの特殊な空間から出て行ってしまった。


「これでよかったでしょうか?優斗様。」


「あぁ、あとはあの二人がどういう決断をするか。それに俺たちは口を出しちゃいけない。二人の命に関わる重大なことだから。」



 俺とサファイアが二人で祭壇の近くで待っていた時間はさほど長くなかった。20分ほどであろうか、つまり二人はいつもの世界で2時間かけて決断を下したらしい。


「サファイアさん、私たち決めました。」


「俺たちやるよ、その契約。」


そう2人はきっぱりと答えた。いつもは少し抜けていた恵果も今はとてもりりしい顔つきをしていた。


「いいのですね?命の危険があるかもしれませんが。それでも行うのですね?」


「はい!」


「おう!」


二人は大きな声で返事を即座に返した。


「では、竜也さまから始めましょうか。天使よりも上級精霊のほうが少々手順が違うせいで難易度が高いのですよ。」


「っ、分かった」


そう言って竜也は祭壇の前に立った。しかしその足つきはやはり死への怖さを払拭できていないのか武者震いなのか、小刻みに震えていた。


「では始めます…。」



(1beK07GX07K407KU07Ol07Oa07OM07O407Cx07Gt07Ge1ZeP07Ki17+O07Gn1Y2M07Ge2LC107Gb1bqr07Ki1Ii+07G407Gv07GO07G4)



再びサファイアの理解のできない詠唱が始まった。そして詠唱を続けること約2分、祭壇の上に光の玉が集まりだした。


《我を呼び出し契約を授かろうとする者。我の前に姿を現しその実力を見せよ。》


ここまでは俺がゼウスと契約をした時と同じ言葉だった。


「お前と契約するのは俺だ。俺は力が欲しい!だから俺に力を貸せ!」


そう大声を上げ、魔力に似た波動を全ての方向へ放った。


《ふむ、生意気だが面白い。いいだろう。我の力使いこなしてみるがいい人の子よ。》


俺の時は堅苦しい定型文を必要としたが精霊の時には必要ないらしい。顕現したイフリートは吸い込まれるように竜也の心臓の内へと消えていった。そして完全に消えると竜也は鮮やかな紅のほ脳を身にまとい始めた。


「これは成功のようですね。よかった。」


サファイアも一安心のようだった。しかし今の契約よりも少々難易度は下がるとはいえまだ一人残っているのである。まだ安心はできなかった。



 竜也が炎の扱い方に少し慣れてきてサファイアの休憩もそろそろ終わり、恵果の契約が始まろうとしていた。


「では恵果様、大丈夫ですか?リラックスしてください。あんまりこわばっていると天子様も話しかけにくいですよ。もっと気楽にいきましょ?」


そうサファイアは励ますも恵果の様子は死への恐怖でいっぱいいっぱいのようだった。


「では始めます。」



(1beK07GX07K41ZSZ1I2P07Ob07KH07Ol07KX07Ob07Cx2ZGl17+O07Gn1Y2M07Ge2LC107Gb1bqr07Ki1Ii+07G407K4)



そうサファイアが唱えるとイフリートよりも短い期間でルシフェルは顕現した。


《我を呼び出し契約を授かろうとする者。我の前に姿を現しその実力を見せよ。》


「わ、私があなたと契約するもの、、、」


《そなたの力を見せよ。》


そういわれると、恵果は目の前の台座に力を込め始めた。


《そうか、契約はしてやろう。しかし我が中にいることをゆめゆめ忘れるでないぞ。》


そういうとルシフェルは光の粒となって消えてしまった。そして次の瞬間…。





「うっ…。ぐはっ…。」





恵果は急に血を吐き、心臓を抑えて苦しみだした。まるで何かにとりつかれたかのように…。


感想、いいね、レヴューしれもらえると嬉しいです!

新作も二本上げさせてもらいましたのでそちらも読んでいただけると幸いです。

今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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